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裏購買部の日常は非日常茶飯事である  作者: やマシン?
生徒会と購買活動
6/19

生徒会総会 第二議案 

 「第二議案は!!現在の委員会制度についてです!!」


 生徒会総会、第二議案は今の委員会制度に対してだそうだ。


 「というか、この議題ってどう決めているんだ?」


 何気なく思った質問は、凛空の手によって解決された。


 「簡単な事だよ。学校の前に意見箱っていう箱あるでしょ?そこからの抽選。あとは各部からの要請。」

 「第一議案は…」

 「風紀委員会の要請だよ。」

 「どうしてそう思う。」

 「風紀委員会の今の仕事って、何だと思う?」


 それは…


 「興味ないようだから言っとくよ。まず初めに校内の見回り、そしてイベント時の補助委員。これだけだ。」

 「それだけなのか?」


 意外と楽な仕事なんだな。



 「なんでわざわざ進言したか。アイツの事だから、これだけでは風紀委員会としてふさわしくないとでも思ったんじゃない?」

 「なるほど。”風紀委員会らしく、生徒の模範になる活動を積極的に行う。”とか考えそうだよな。」

 「たぶんね。」

 「自らの理想を掲げて実行する、その熱気に敬意を表したいよ。」

 「実際に彼はいい人ではあるからね。昔とは正反対の性格なんだよ。今の風紀委員会はね。」


 第一議案の熱気が少し冷めた後、第二議案についての説明は始まった。

 スクリーンの映像が切り替わる。


 「第二議案の説明は、副会長!!願いします!」


 壇上に座っている副会長を指名しマイクを渡す。

 副会長はそれを丁寧に受け取ると、透き通った声を出す。


 「では!第二議案について悦明します!」


 映像はまた変わる。スクリーンには各委員会の名前が書いてあった。


 図書委員会

 保健委員会

 総務委員会

 会計委員会

 選挙管理委員会

 環境委員会

 風紀委員会

 

 「桜高校には以下の七つの委員会があります!」

 

 「まあ学校だからね。」

 「そこじゃないだろ。」


 桜高校の委員会活動は他との高校とは違う。

 まず、必ず何かの委員会に所属しなければいけないのだ。

 そして次に…。


 「皆さんもご周知の通り、桜高校の委員会制度は少しばかり特殊です。まずは、その委員会制度について、復習したいと思います!」

 

 その時は気づかなかったが、今日の副会長は少しハイであった。

 だから気づかなかった。


 「私たち桜高校の生徒は、入学すると自分が選んだそれぞれの委員会に入ることになります。そして、その委員会の中から二つの委員会を。」


 周りを見渡す。


 「生徒会専属の委員会として活用しています!」


 という感じである。

 専属といっても、何か報酬がもらえるかどうかとかそういうものはない。ただ、その委員会の委員長が、生徒会役員として登録されるだけ。

 所詮、肩書のようなものなのだ。


 「その選定方法は公平にすべきとして、年に一度。くじ引きで決められています。」


 しかし、そのような物でも各委員会は競うようにして取ろうとする。


 「そこで、今年選ばれたのが図書委員会と風紀委員会なのですが、これにつきましていろいろな問題があります!」


 いろいろで済まされるほど簡単でない問題である。


 「皆さんも知っていると思いますが、図書委員会宛と、我々生徒会あてに抗議文が意見箱に届きました。その量は、例年の平均量と比較してもこれぐらい違います。」


 ぽちっと押して切り替わった画面。

 そこには二本の棒グラフ。


 右側の棒グラフは左の二十倍ほど低い。これは。


 「大きい方が、図書委員会に充てられた抗議文です。約二十倍です。そのため、生徒会でも無視が出来なくなり、このような場を使わせてもらいました。」


 生徒会も大変である。


 「その抗議文の内容は大体察してください。」


 疲れているんだろうな。ドンマイです。


 「それで、このような意見がありました。年間ではなく、生涯たる専属の委員会を決めろというものが。」


 誰だよそんなめんどくさい事をしたやつ。

 会場は大盛り上がり、委員会が中心となって俺が俺たちがという声が止まらない。一部では、喧嘩も起きている。


 「あっ。僕だ。」

 「お前かよ!」

 「いやぁ。まさか生徒会に取り上げ得られるとは…」

 「マジか。」

 「あの時、変なテンションでさ。ヌオ~って感じでやばかったんだよ。」

 「意味わからん。何だヌオ~って。お前に変な物でも憑いたのか?」

 「そんなものじゃないよ。もっとすごい奴さ。」

 「例えば?」

 「神様!」

 「神様が憑くと発狂レベルに至るのか。」

 「神様だからね。」


 友人のせいで会場は大盛り上がりである。


 「もちろん、我が会計委員会だろ!」

 「いや!総務委員会の方がふさわしい!」

 「何だとてめえ!普段何もしていないくせに調子こくな!」

 「手前らこそ!この学校に何も貢献していないではないか!」

 「おい!ちょっと表でろ!宇崎!今日こそぶっ殺してやる!」

 「ぶっ殺されるのは手前だ四字!!」


 …


 「お前のせいで血の雨が降るが?」

 「先輩達も、面白い事を言うね。」

 「この前もこういう事なかったか?」

 「たぶんなかったと思うよ?」

 「あった。絶対あった。」


 コイツがいなくなれば、たいていの人間はストレスなく生活できると思うんだ。


 「っていうか、僕が不思議に思うのはさ。」

 「何だ?」

 「なんでこの爆弾今投下したの?」

 「お前が入れっちまったからだろ?」

 「いやそれもあるけどさ。今は、生徒会にとって図書委員会の案件を鎮めなければいけない時期だよね。この爆弾で先ほどの先輩方々のように争いになるのは見えているはずだ。今投下した理由が分からない。」


 何かを考えるように、ぼそぼそとそんなことを言う。


 「ただ、生徒会に向けての批判を逸らしたかっただけだろ。」

 「それが大きいのかな?」

 「大体、あの人たちが暴れるのはここの名物みたいなものだ。爆弾でもなんでもないぜ。ほかの連中だって、そのお祭り騒ぎに便乗しているだけで、そんな高度な事は一つも思っていないはずだ。ただ楽しいからやる。連中の行動理由はそんなものだと推測するね。だいたい、ほとんどの批判文は、五十人ほどしか書いていないだろ。」

 「どうしてそう思うんだい?」

 「ほとんどの奴らは、祭りの空気に充てられた猿だからな。」

 「言う事がひどいね。」

 「実際、本気で活動している奴が何人いるか俺が知りたいよ。」

 「ほとんどの人は、カッキーが言うように猿だろうね。でもさ。」


 お祭り騒ぎを見ながら、少しあきれた表情で友人は言った。


 「本気で楽しんでいる人もいるよ。」

 「何だそれ。」

 「カッキーは理解すべきだよ。」

 「何を?」

 「いろいろ。」


 なんだこいつ。今日は…


 「詩人にでもあこがれてるような気持ち悪さだ。」

 「そんなに褒めるなよ。」

 「物凄い貶しているんだが?」

 「僕は、すべての言葉を肯定的に考えてしまうからね。」


 流石にやばいと感じたのか、先生方々が先輩たちを止める。

 抑えられているにもかかわらず、なおも相手をつかみかかろうとする先輩たちは、ここからでも迫力が十二分に伝わった。


 「皆さん。落ち着いてください。」


 副会長の声が会場に響き渡るも、お祭り騒ぎは過激化を増している。主に二人の委員長によって。

 熱気に包まれた会場は収まることをまるで知らないようだ。

 その光景は、副会長を困惑させ、会長を…


 「うるさい!」


 キレさせた。


 「あんた達!議論をするのは自由にしていいわ!だけどね!!何事にも限度があろってわからないの!!そこの二人!!あんた達のせいで、うちの副会長が困っているでしょ!何してくれてんのよ!」


 会長が切れる事は初めてではない。

 

 「生徒会としては!この案件は保留にしたいと思います!」

 

 静まり返った会場。沈黙が大きい。

 先輩たちの組み合った体制で静まりかえっている。

 沈黙が場を支配するといった状況であった。しかし…

 世の中は、正常と言われている一般的な人間ばかりではない。そして、狭い世の中である学校の中にも、普通とは違う。俗にいう変な奴がいるもんだ。


 「プッ」


 この雰囲気で笑いをこらえている。そのような感じで腹を抱え、プップッ言っている。


 「ちょっごめっ…プッ!やばい…!腹が…!!」


 静まり返る静寂に、一人の男の笑い声が響く。

 職員生徒の目線がその男。

 おれと凛空も所属している図書委員会の長。

 田附文也に向かっていた。



 「文也!いつまで笑ってんの!!」


 流石に快調の叱責が飛んだようで、文也先輩もごめんごめんと謝る。


 「二人とも面白すぎて。ごめんね会長~。」


 会長と先輩の声で、突如止まっていた時間は動き出す。


 「やばい。」

 「ついに文也先輩も参戦かよ。」


 外野からの声。

 ざわざわという声の意味はただ一つ。

 こいつはやばい。

 そんな雰囲気の中、もう一人やばい奴がいる。


 「カッキー!!こいつは見ものだよ!我が図書委員長である桜の毒虫が、委員会の虎とライオンを倒そうと重い腰を上げた!!これはすごいよ!!」

 「桜の毒虫って…初めて聞いたぞ。」

 「知らないの?先輩のあだ名。桜高校の毒虫。ここ等辺では有名な話だと思うけど。」

 「お前の有名は無名に近いんだよ。」

 「知らないんだ。カッキー。」

 「何でかわいそうな目で見るんだ。」

 「僕は今、無知が罪だという事を初めて知ったよ。」

 「先輩の秘密は知らなきゃいけないのかよ。」

 

 そんなルールがあってたまるかよ。

 

 「まあいいや!」


 凛空の先にあるのは

 熱弁をふるう委員長たちと、冷静に受け止める先輩の戦いであった。



 「大体図書委員会は関係ないではないか!!生徒会にはふさわしくないゴミ集団共が!!」

 「それ決めたの僕たちじゃなくてクジ。もしくは引いた人だよ。それに、図書委員会は生徒に心の安らぎと教養を与える場所ですから。学校の中で、唯一自分で教養を身につけさせられる場所と考えれば、ちゃんと関係あるしょ?”学校”の生徒会なんだから。」

 「なんだと!貴様は学校あるして生徒あるとでも言いたいのか!異端人!!」

 「学校っていう枠組みの中で、会計だとか総務だとかそんなものはお遊びだってことだよ。生徒に活動してもらい、教養を深めるっていう大層な目的のね。」

 「我々の活動が無為無味だと!」

 「そうじゃないさ。」


 そう言いあろう事か壇上に上がる図書委員長。

 呆然と立っていた会長からマイクを奪い、ちょっと借りるよと発言。

 少しの精子の後、慌てて制止する幼子声の会長はそれを止めようとするも、無念に引っ張られる。

 そのマイクからは。


 「それで、僕ら図書委員会の提案なんだけどさ。どうかな。この生徒会委員会制度。」

 

 波乱の言葉が投げられた。


 「廃止にするっていうのは。」




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