生徒会における購買部
熱弁終わりて場内で。
場内は活気を失い静かな物で。
ただ片づける音が聞こえるだけである。
「熱弁も、冷まされ会場で、かくも二人で、お片付けかな。」
「全然うまくない。」
「何でさ。」
その光景に物申したい気持ちは分かるが。押さえてほしいホトトギス。
「まあ。半分ほどは俺たちのせいではあるがな。」
「それでも納得できないホトトギスだよ。」
あの後の事であった。
あまりにも熱弁が咲き乱れすぎ、俺たち生徒もそれを見守る職員もあることを忘れていた。
時間だ。
「いややっぱり納得できない。」
「それは俺もだ。だがな?やらなければ確実に俺たちが怒られるんだ。やるしかないだろ。掃除当番がなくなったことを喜べよ。」
「過重労働するならお掃除労働を選ぶよ!!」
「今度、訴えようぜ?」
「そりゃいい。この仕事から解放され、しかもお金までもらえるんだ。」
そんな事を口先で行っても、手を動かさなければこの仕事は永遠と続くわけだ。しかも早く終わら差なければ、この体育館で活動する部活が使えずに…文句は購買部に。
この体育館を使うのはバレー部と卓球部。そして剣道部。個人的には、バレー部がめんどくさい。主に先生の関係で。次に剣道部。そして卓球部。
今の片付けの状況は、椅子が終わり、あとはシートを引っ張る作業である。
「おりや~!!!!」
あらぶっている相方は、早く早くとどんどん作業を進める。
「どっこいしょ!!!」
倉庫にシートを置く時もいちいちうるさい。
「半分終わり!!!あとどれくらい!!」
「さっき言っただろ。自分で。」
よっこいしょ。とその隣にやさしく置く。
こいつは学校の備品であるという事をわかっていただきたい。
「あと半分と思っちゃだめだ。もう半分なんだ。あと少しで終わるんだ。」
「良かったな。あと半分もあるんだぞ?運ぶのは楽しいだろうな?」
「言うな!僕はもう少しで終わるんだ。」
「もう少しだよな。あと半分だからな?」
「カッキー。僕疲れたよ。」
「疲れたからって必ず死ぬわけじゃあねえだろ。働け。」
「鬼だよカッキー。」
「かっこいいだろ?いいから働け!」
そう言って背中をたたく。
「労働者に厳しい日本は、これだから嫌いだ!!」
「給料をもらってないヤツは、日本では労働者って呼ばないんだよ。ボランティアだ。いい響きだろ?」
「ほんと鬼だよ。日本も先生も。」
このような状況。
なぜ起きたかというとだ。
早い話が。余計な事を言ったせいだった。
主に、
「っていうか。カッキーのせいなんだからさ。カッキーがやるべきなんじゃない?ここの掃除はさ。」
「まあ手伝ってくれよ。」
「手伝うけどさ。」
ああ。本当に
「めんどくさいね。」
「あれだけ楽しんでいたのにか。」
「それは、あの場所だから。そのあとは考えていなかった。」
「馬鹿だろ。」
「どうせ大馬鹿ですよ。」
俺のせいなのだ。
「ああ!!楽しかった!カッキーも楽しめたでしょ?結構。」
「楽しめた奴がこんな顔をするわけないだろ。」
その時の気分は最悪といった感じ。
面倒事が増えに増えて、頭が痛くなっている状態だったので、そのお時どんな話がされていたかはあいまいであった。
しかし、その時のありがたい話をしていたのは、教頭先生であったそれだけは覚えており。きちんと記憶にあった。
「もう俺家に帰りたい。」
「何言っているんだよ。今日はメンバーの人選日じゃないか。」
「お前みたいに溌剌としてメンバーに入っている奴じゃないんだよ。俺は。人選って言っても生徒会の方で決められているだろう。ほとんどな。」
もう嫌だ。
「へ?」
ん?どうした?
「なんだ?聞いていないって顔をして?」
「ちょっと待って?僕もそのメンバーに含まれている?冗談でしょ?」
こいつは、話を聞かないタイプだったようだ。
「おい。聞いていたはずだろ?」
部長。そして副部長を代表とした…
「えっ。ほんとに…?」
「おおマジだぞ?」
「いや。でも…ほんとうなの?」
動揺動揺。
あれ?そんなこと言ってたっけ?本当に?マジで?でも…それじゃあ?
動揺している友人は、あれでもと壊れたロボットのように状況を整理する。そして…最悪な事が起こった。いや、起こした。
「やらかした!!」
その時やらかしたのは
生徒職員の顔がこちらに注目し、視線が集まる。
教頭先生も話を中断し、こちらに視線を置いていった。
やらかしたのは友人の凛空の方で…しかしそれよりもやらかしたのは…
「馬鹿ッ!!」
大馬鹿野郎の俺であった。
教頭先生は、何事かといったような怪訝な顔。
しかも周りの雰囲気は、いかにも真面目に聞いていましたよって雰囲気。
これは。
「購買部部長?」
「はい!!」
校長先生の声により緊張が和らぎ、そして。
「とりあえず。ここの片づけは購買部部長副部長がしなさい。」
「…はい。」
逆らえない命令に従うしかなかった。
「やっぱり俺は悪くないと思うんだ。」
「結構悪いよ。」
「確かに悪いがさ。…まあいいや。早く終わらせようぜ?」
「さっきのチャイムが掃除終了だから…早くしないとホームルームは僕たち抜きでやる事になるよ?」
「別にくだらない担任の話を聞くぐらいだったらいいが…。」
「まあ、早く終わらせることに損はないわけだけどね。」
手を休めないで、どんどん片付ける
そのおかげか分らないが…
キーンコーンカーンコーン。
その作業が終わって数秒後のチャイム。
このチャイムは、ホームルーム終了のチャイムであり、そして「ひやっふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「いっちばーーーんんん!!!!」
クレイジー野郎たちの祭りの時間である。
と、ちょっと待て??
今の状況を説明するとだ。入ってきたのは剣道部員であり俺の同級生である、鬼島 不不。
それはいい。
だが状況的におかしいぞ?うちの担任は、いろいろと規律というか礼儀に厳しい奴で、今の時間だったら、鐘がなった後に、ホームルームは終了するはずだ。なぜ?
「ふーちゃん!!」
「どうした!!ってお前ら何でいるんだ!!」
フーちゃんと注意したのは凛空。
何でいるのか。こいつも話を聞いていないで…たぶん爆睡していたのだろう。お前も体育館の片づけを手手伝ってくれていれば…もう少し早く。楽して終わっていたのだが…。まあ。それよりもだ。
「おい不不!まだホームル「ふーちゃん!!」」
「防具!」
そこじゃねえよ。
「あーっ。いっけねえっ!!」
「だからお母さん言ったでしょ!!忘れ物はするなって!!」
不不のお母さんでは断じてない。
「凛空!ありがとな!ちょっくら部室に行くわ!」
「もう忘れちゃだめよ!」
疾風が体育館を去る。
「まさに疾風雷神。」
「お母さん心配。」
「あいつ将来大丈夫かな?」
「いろいろと強いしね。大丈夫でしょ。」
「強豪でもないのに、県一位だしな。」
「地方大会では二位でしょ?すごいよね。」
「頭はバカンス状態なのに凄い奴だよ。本当に。」
あいつのテストはドリームランドだからな。
一部のうわさでは、剣道の成績がいいから赤点を回避されているっていうぐらいだし。
「それにしても何時だっけ?生徒会室に集合って。」
「確か…5時だな。」
「それまで教室にいようか。どうせやることはないわけだしさ。」
やることといえば床掃除ぐらいだろうな。やらないが。やるわけないが。
「図書室はどうだ?」
「えっと今日の当番は…副委員長だね。それならいいや。」
「別な人だったら駄目なのかよ。」
「だめではないけど。副委員長は優しいからね。どれだけ騒いでも許してくれる。」
「怒る前に田部に怒られるだけだろ。」
「今日は田部は休み。今流行りのインフルらしいね。」
「…流行っていないぜ。」
「流行らせたいんだよ僕は。」
物騒な事である。
それにしても、図書館といえば…部長副部長のほかに…俺たちが部員っていうほかに…。
「さてそろそろ行こうか。」
不不が去った廊下からは、走り出す音。我先にとくる音が聞こえていた。
「あれに巻き込まれたくなければ。だな。」
サンダルを別な出口においてよかったよ。
それが俺たちの心境であった。
校舎の最上階にあり、それまでにただひたすら歩くしかない階段を使わなければそこはたどり着けはしなかった。
それまで、運動してきた体はぽかぽかあったまっていて、春空ぐらいの気温である寒さの中では、比較的暑いものが勝っていた。
暑い暑いといっても、その暑さは均等に冷まされる。
その熱が冷めたのは、その図書室に着いたばかりの時だった。
「失礼します!」
「お邪魔します。」
後半が俺である。
元気のある方が凛空である。
扉の中に最初に現れたのはカウンター。
今週のおすすめ本。貸出が多い本。その他諸々があふれ。俺たちが作ったポップも顔を出しこんちわ。
「やっと解放されたの?」
「やっと終わりました。」
「二人だときついですね。あれのせいで今腰が痛いんですよ。」
カウンターには、俺たちの先輩であり図書委員会副委員長。
千代衣亜美先輩。
「あんたたちがやらかした後、あいつ、爆笑していたよ。」
「委員長ですか。」
「あの人、そういう人だったんですね。失望しました。」
「何言ってんのよカッキー。随分前から失望してるじゃない。」
「ばれちゃいましたか。」
「むしろあいつを見て、不の感情を覚えないヤツは変人よ。」
「先輩そこまで言うんですか。」
ひどい言われようである。
「それで?時間を潰しに来たの?それとも私を手伝いに来てくれたの?」
「はい。五時から生徒会室に行かなきゃいけないので。めんどくさいですが。」
「それまで、何か暇をつぶそうかなと、図書館に来たわけです。」
「そう…。手伝いに来た優しい人たちじゃなかったんだ。」
「すみませんね。」
カチカチとカウントし、どうぞと奥に通す。
予想した通りであるが、席は空いているのが目立つ。
ガラガラとした空間に、いるのは四~五人程度。
しかもそのメンツはいつもの、いわば、常連客のようなものだった。
その常連の中には、俺のクラスの男子もいて…
「倉木!何読んでんの!?」
突っ込むように、なぜか抱き着くように倉木に接近。
いや。抱き着いている。
しかも椅子から転げ落ちるほどの衝撃。
しかし動じない倉木。
読んでいる小説は話さないで、さらに黙々と読んでいる。
「三国殺人か~!歴史に喧嘩を売るようなもの読んでいるから過激派かな~?」
それでも動じない。
そして読み終えたのか一息つき。
「凛空…?何してるの?」
存在は知られていなかったようだ。