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賢者は書物を携える  作者: 安井隆弘
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05 賢者は城下町に出る


05賢者は城下町に出る



歩いて10分ほどで城の隠し通路の出口にたどり着いた。


途中でいろんなものに会ってしまったが、少し『お話』をしたら快く通してもらうことができた。

いやぁ、ちゃんとした『話し合い』の結果であって、決して『一方的』なものでもないし、双方が『納得』する形で終わったんだよ?


話し合いをしたのは私だけど、由紀はそれを眺めているだけだった。・・・・・・手伝いなさいよと思ったのは秘密である。


やっと、やっと、やっと!この城からおさらばできると思うと、涙が出てきそうだ。


毎日毎日鉄板で焼かれるどこぞのたい焼きのように同じことを延々と繰り返す日々は実に辛かった。


特に、宰相は一度滅・・・じゃなかった、いろいろと『お話』をすべきではなかったのではないかと思うと、気が気でなかった。


「さらば、王城。我は出ていく!」


「・・・どしたの?」


「そういう気分なの!」


隣の由紀ともいつかは『お話』をせねば!


そんなことを思っていると、由紀はビクッと体を震わせ、なにやら怯えたような目でこちらを見ている。


・・・ふふふ、そんなに怯えなくてもいいんだぞ?宿屋で『語り合おう』じゃないか。


「で、開けないの?」


「はいはい、今開けますよっと」


ずずずずずずず、と言わせながら出口を開くと、そこは城下町だった。


・・・。


・・・・・・・。


・・・・・・・・・・城下町?


「お、城下町じゃん、ラッキー!」


「ねえ、正門横の通用口じゃないの?」


「は、なに言ってんの?」


「・・・ま、いっか」


・・・うん、気にしないでおこう。人間細かいことを気にしたら負けだと思う。


それにしても、城下町はとても活気にあふれている。見渡す限り人ばかり!


「いやあ、この前より増えたなぁ」


「そうなのかしら?」


「そうだぜ?・・・あ、本持ち替えとけよ」


そういって由紀が渡してきたのは、料理本だった。


「・・・『装備』できたっけ?」


「そこは根性で!」


「賢者に根性求めるんじゃないわよ!」


「けど、装備できてんだろ?」


「・・・まあ、ね」


うん、手によく馴染む。


「じゃ、今日の夕食は手作りでよろしくな!」


そのために料理本を装備させたのね、由紀!


・・・いや、いいんだけどね?


とりあえず、宿屋を探しましょう。や・ど・や!ふかふかのベッドなんて断固として拒否をしましょう。あれは肩がこるのよ!


「あー、確かに肩がこるよな」


・・・あんたは別の原因で肩がこるのよね?いつか、それを物理的に解消してあげましょう。

明日29日は更新できるかわかりません。

30日には賢者は宿屋に行きます

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