表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ブラックショートショート

なんで君

作者: Iso Rock

 なんで君は、何にでも「なんで?」と聞いてきます。


 用事を言つけられて「なんで?」。

 ささいな疑問に「なんで?」。

 怒られた時にも「なんで?」。

 その理由を聞いて「なんで?」。


 なんで。なんで。なんで。なんで。なんで。なんで。

 なんで君の「なんで」は、いつも尽きません。

 そんなある日。

 とうとう、なんで君の「なんで」になんで君の親は怒ってしまいます。

「口答えするな!」

「素直に『はい』だけ答えればいい」

「人の言う事は聞け、逆らうな」

「言われた事だけしろ」

 こんな風な事をなんで君に言って聞かせました。


 その日からなんで君は、なんで君からいい子君に変わりました。

 いい子君は「なんで?」なんか言いません。

 言われたことは素直に聞いて、「はい」と答えて、言われたことはキチンこなすいい子です。

 いい子君は、親の言う事も先生の言うことも素直に聞いて、順調に成績を伸ばし、有名な高校や大学を卒業しました。

 そんないい子君の現在は、国の運営に関わる重要な仕事をしています。

 いい子君は今日も、上司の言う事に疑問を湧かず、問題を問題と思わず、素直に「はい」とだけ答えて仕事をしています。

 いい子君の「いい」は、「都合のいい」の「いい」です。

 ついつい、子どもには「良いこと・悪いこと」よりも「大人にとって都合のいいこと」を優先させてしまう人って多いように感じます。


 この話のいい子君とは、個人を指すものではありません。

 もしも、いい子君が多数を占める世の中になり、もしも社会の中枢を占めてしまった場合に、世の中はどうなってしまうのか。

 皆さんはどう思いますか?

 僕の予想は変わらないと思います。もちろん悪い意味で。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ジャンル「童話」にふさわしく、子供でもわかる風刺で、うまく書けていたと思います。
2014/09/20 11:13 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ