歪な関係
こういうものは始めて書くので上手に書けたか不安ですが、よろしくお願いします!
何故俺は、この世界に生まれてきたのだろうか。
この世界はただの気まぐれでしかない。生きている必要性なんて全く無いはずなのに。
なのに何故生き続けているのか、それはきっと、近くにあいつらがいるからなのだろうと自己判断する。
と、そんなことを考えている間にあいつらが俺のところに来た。
「よっ! オメー何やってんだよ、こんなとこで」
「何か面白いものでも見つけたのー?」
「別に。ほら、早く行くぞ」
「あっ、待てよ!」
「置いていかないでよー!」
うるさいこいつらを放っておいて、俺はさっさと歩き始めた。
そんな俺に続くようにして、うるさいこいつらも歩き始めた。
学校の自分の教室に着くと、何故かそこには野次馬ができていた。
何だと不思議に思って更に近づくと、クラスメイトの一人が俺に駆け寄ってきた。
「おいっ! お前の机が大変なことになってるぞ!?」
「は?」
その言葉を聞き、俺は教室内を見ようと閉まっていた扉を勢いよく開いた。
中を見てみると、俺の机が何者かによって赤いペンキがかけられており、机には『暗殺者』と白いペンキで書かれていた。
後からこの光景を目にした二人は目を見開いて、震える声で言葉を紡いだ。
「な、んだよ、これ……」
「酷い……。どうして、こんなこと……」
「……………………」
野次馬がガヤガヤと賑わう中、俺は先生が来るまで机をずっと見続けていた。
「失礼しました」
放課後、先生に俺は呼び出され、色々なことを聞かれた。
しかし俺は「知らない」や「わからない」と言って言葉を濁していた。
溜め息をつき、俺のことを待っていた二人のところに向かい、三人で並んで廊下を歩いていた。
全員が無言なので足音しかない静かな廊下で、俺はポツリと呟いた。
「もう、そろそろ限界なんじゃねーのか? お仲間さんよぉ」
「「え?」」
俺の呟いた言葉を聞いた二人は疑問の声を出すが、階段から現れた黒い影を見て驚愕した。
何故なら、現れた男の手には――赤い血のついたナイフが握られていたからだ。
「おまっ、誰なんだよ!! もしかしてあの机、お前がやったのか!?」
「もっ、もしもそうなら、今すぐ謝ってよ!! あんなの酷すぎる……って、ちょっと!?」
二人がギャアギャア言っているのを無視し、男に近づいて声をかけた。
「………今日は残り誰だ?」
『八人のうち、六人は我が殺った。残るはそこの二人だ』
「そう、か……。そのナイフを貸せ」
俺がそう言うと、男は頷いてから俺にナイフを渡した。
俺はそれを受けとると、呆然としている二人に向けた。
そんな二人にお構い無しに、俺はゆっくりと近づいていった。
すると状況を理解した二人が俺に話しかける。
「何やってんだよ!! 今すぐそれを手から離せっ!!」
「そうだよっ!! それに『殺る』って……どういうこと!?」
二人の言葉を聞き、俺は首を傾げて言った。
「どういうって……俺が『暗殺者』だからだけど?」
その言葉を放つと、二人は目を見開いて俺を見つめた。
俺はそれを見て溜め息をつき、一旦ナイフを降ろして二人に聞いた。
「望みはあるのか?」
「「望み?」」
「そうだ。こっちは仕事上、絶対に標的を殺らなきゃいけねーんだよな。だから簡単に殺らせてくれないなら、一つだけ望みを叶えてやる」
「望みを一つ……」
「何でも、良いの……?」
「おれでも叶えてやれる範囲内ならな」
それを聞いた二人は顔を見合わせ、こそこそと話し始めた。
そして望みが決まったのか、二人が一斉にこっちを向いて口を開いた。
「「俺達(私達)の、望みは――」」
――――――
光が輝いている月しかない真っ暗な外で、俺は首に下げたネックレスを無言で見ていた。
そのネックレスには、三人の男女が楽しそうに笑いながら仲良くしている写真が入れてあった。
『そろそろ時間だ、主よ』
「ん、了解。それじゃ、ぱぱっと終わらせてとっとと寝るかなー」
黒い服を身に纏った男に呼ばれ、俺はネックレスを服の中に入れた。
それと同時にあの時言われたことを思い出した。
『『――永遠に友達でいることを誓ってほしい。そうすれば、抵抗せずに殺らせる』』
「ったく、本当にうるさいやつらだったな。んなもん、望まなくても誓ってやったのによー」
俺は口角をつり上げながら立ち上がり、座っていた家の屋根から別の家の屋根に飛びうつりながらそう呟いた。
そして風景をザッと見渡してから叫んだ。
「さってと、今日も仕事を殺り始めますか!」
首に下げたネックレスが月の光に反射して、綺麗に輝いた。