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俺たちの合い言葉は『ンギャギャズドンデスドドドドドンドゥゴンドゥ』だ!

 就職活動に失敗した俺は、ニートライフを満喫することにした。


「人生って面白いな」なんてちょっと勘違いしていた時期があった。

 しかし、就職活動が始まってから、俺が絶望的に社会人として向いていない人間なのが思い知らされた。

 面接で志望動機を問われるわけだが、正直言うと、志望動機なんて「なんとなく」でしかない。

 だから、面接のたびに「もっと具体性のある話をしてほしいんですけど」と、言われ続けてきた。

 何もかもが曖昧だから、ふわふわとした受け答えしかできないのだ。

 おまけに、すぐに忘れてしまう。

 質問内容を忘れてしまい、何度も聞き返してしまう。その結果、「他人の話を聞けない人間」という烙印を押されてしまうのだ。

 インターンシップのときもそうだった。

 忘れてしまわないようにメモを取るわけなのだが、メモを取るのが遅く、聞き取るのも精一杯だったため、ほとんどメモの内容が間違っていた。

 そのため、インターンシップ中の俺は、五分に一回は謝罪していたと思う。


 というわけで、俺はこうして、ニートライフを満喫しているのである。


 そんな俺なのだが、なぜか今日、俺は田舎の栃木を抜け出し、池袋に来てしまった。


 映画でも見るか? 俺、お金ねえけど。


 なんて思っていると、いかにも怪しげな見た目のバラックを見つけた。「営業中」の看板がかかっているため、ここがお店であることはかろうじてわかった。

 吸い込まれるように、扉に手をかける。


「合い言葉は?」と、中にいる店員らしき人物に問われ、俺は咄嗟に「ンギャギャズドンデスドドドドドンドゥゴンドゥ!」と叫んだ。


「バカ野郎!」と、中から罵声が飛んできた。

 そりゃそうだ、と思いながら踵を返そうとしたのだが、次の瞬間、俺は誰かに腕を掴まれた。


「バカ野郎! 会いたかったぜツヨシ!」


 大学時代の悪友、ユウイチだった。

 ユウイチは「俺は異世界に行くぞ!」という言葉を最後に、三ヶ月音信不通だった変なヤツだ。


「咄嗟にあんなことを言うヤツ、この世界にはツヨシしかいねえからな!」


 お前にだけは言われたくないと思いつつも、どこか嬉しい気持ちがあった。


「異世界に行けないなら、オレが異世界をつくっちまえ! ってことで、『異世界屋』を始めた。ツヨシもどうだ? ウチで働かないか?」


 何を言っているかわからなかったが、俺はようやく就職口を見つけた。


「決まりだな! さあ、起こそうぜ、ビッグウェーブをよぉ!」


 今日の池袋の空は、とても眩しいようだ。

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