008 所持品の確認
2025/6/15 改稿
天馬は白骨死体が持っていた物を確認しようと思い、『収納物』を開いた。すると、『ザッツ草×163,853』『鉄の剣(破損)×1』『鉄の鞘(損傷)×1』『金属の兜(損傷)×1』『金属の鎧(損壊)×1』『皮袋-小(損壊)×1』『銅貨×7』『銀貨×1』と表示された。内容を確認した天馬は、
「土塊創造」
と唱える。眼前に厚さ5㎝、1.5m▢の土の平板が出現した。天馬はその上に死体の所持品を一つずつ並べて確認していく。
「損傷、破損、損壊の順に傷みの度合いが大きくなってるな。鉄、銅、銀は劣化が激しいな。この赤錆の塊が鉄、なんだろうな。銀や銅は黒いボタンに見えるな。鎧や兜は錆びてない、もしかしてステンレス製とか、特殊な合金だったりするの?」
天馬はドキドキしながら「鑑定」と唱えた。
『酸化鉄-状態:通常』
『魔鉄-状態:通常』
『魔鉄-状態; 通常』
『酸化銅-状態:通常』
『酸化銀-状態:通常』
『牛の皮-状態:劣化』
「『亜空間収納』と『鑑定』で表現が変わるなんて意外だな。それにしても『魔鉄』って何?異世界の金属、合金? この辺は追々検証していかないといけないな。死体を漁るようで気分は良くないけど、これは貰って良いよね」
物言わぬ死体にそう問いかけた天馬は、その死体も収納した。所謂、証拠の隠滅であった。
次の死体に近づいた天馬は、『収納』と唱える。そして、『収納物』を開いて中身を確認した。
『ザッツ草×163,853』『鉄の剣(破損)×2』『魔鉄の兜(損傷)×2』『魔鉄の鎧(損壊)×2』『皮袋-小(損壊)×2』『銅貨×21』『銀貨×3』『人族の死体(♂) ×2』
「『収納』すると自動的に分類してくれるのか。これは有難いな。では、『収納』」
そう言いて最後の死体を『収納』して、『収納物』を開く。
『ザッツ草×163,853』『鉄の剣(破損)×3』『鉄の鞘(損傷)×3』『魔鉄の兜(損傷)×3』『魔鉄の鎧(損壊)×3』『皮袋-小(損壊)×3』『銅貨×31』『銀貨×4』『人族の死体(♂)×3』
「鎧の纏った死体が3体か。普通に考えれば古戦場だったと考えるべきだろうな。もしかして、まだ死体があるんじゃないのか?」
天馬は左の方に視線を向けて、『鑑定』と唱えた。予想通り、そこには複数の死体が在った。