031 予定の確認とルイズ
2025/7/6 改稿
アルフとリーフが十数杯の酒を空け、マリオは5杯目、天馬はまだ4杯目が残っていた。二人の酒量に天馬は呆れる。壁に掛かった時計は10時を過ぎていた。
「明日はテンマの買い物だな。魔術師ギルドは午後からで良いな、マリオ。リーフはどうする?」
「私も一緒に動こうかな? マーニーさんのお店も寄るんでしょ?」
「そうだな。寄らないと、何を言われるか分からんからな。テンマもそれでいい?」
「出来たら、先に商業ギルドに寄って、お金を預けたいんですが。両替もしたいですし、ダメですか?」
アルフが明日の予定をみんなに確認する中、天馬も希望を伝えた。
「えっ! テンマ君、両替が必要なお金を持ってるの?」
「リーフ。声がデカい。ここだけの話、テンマは銀貨を持ってるらしい。二人とも黙ってろよな」
「そうなの! テンマ君、ごめんね。私、喋らないから安心して」
「当然、私も余計な事は言いません。リーフが軽率なのがいけないんですよ」
「じゃあ、明日は商業ギルドに寄ってからで良いな。集合8時に此処で。朝飯もみんなで食うって事で」
「はーい!」
「私は、アルフと一緒ですから」
「分かりました」
そうして、みんなで席を立ち、マリオとリーフは階段に向かった。アルフは一人、カウンターに向かう。
アルフに「ついて来い」と言われ、天馬もカウンターへ向かう。カウンターの向こうには、小太りの男性が座って何かを読んでいた。顔立ちはアルフに似ているが、幾分ふくよかではあった。アルフはその男性に声を掛けた。
「伯父さん、今日の払いと、こいつを紹介したい」
「なんだ、アルフが紹介とか珍しいな」
アルフに伯父さんと呼ばれた男性は、天馬を一瞥して、
「けっ、女じゃないのかよ。お前も良い歳なんだから婚約者でも連れて来い。で、こいつは?」
アルフに悪態をついた「伯父さん」が、改めて、天馬を見た。
「天馬と言います」
「俺はルイズ。このやんちゃ坊主の後見人だ。よろしくな」
「伯父さん。こいつにもカードを出して貰えないか?」
「ああ。良いぜ。無くすなよ。あと、転売も禁止だ」
そう言って、カウンターの下からカードを取り出し、天馬に渡してくれた。見ると「蟒蛇の寝床特別優待券」「№11」と書いている。
「テンマだったな。一応、ギルドカードを見せてくれるか?」
天馬がギルドカードを出すと、その内容を確認し、帳面に控えた。
「アルフ、明日は何時に起こせば良い?」
「7時半だな。テンマもそれでいいよな?」
「はい、構いません」
「分かった。じゃ、お休み。いい加減、自分で起きれるようになれよ、アルフ。後輩もできたんだから」
「後輩じゃねぇー。まぁ、お休み、伯父さん」
「お休みなさい」
アルフと一緒に階段を上がる。2階で別れ、自分の部屋に入った天馬は、寝間着に着替えると、直ぐにベッドに倒れこんだ。
初めて飲んだアルコールと異世界での初日の疲れのためか、アッという間に眠りに落ちた天馬だった。
やっと、天馬君の長い一日が終わりました。もう少し、サクサクと進めたと思ってはいるのですが・・・文才の不足を実感してます。
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