表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/85

012 異世界で初めての その1

2025/6/20 改稿

 「鑑定」と唱えながら、胸丈の草を剣で薙ぐ。その剣の切れ味に、天馬は驚嘆していた。


 薙いではいる。剣を振るたびに草の丈が短くなる。でも、手応えが無い。空を切っているように、何かを切っていると言う感覚が無い。


「『切れ過ぎると不安になる』って、誰かが言っていたけど、ホントだな」


 歩きながら空を見上げと、日が左に傾いて来ている。


「日本だと15時ぐらいかな? そろそろ抜けたいな」


 そう言って、天馬は歩くペースを上げた。


 風の匂いが変わり、金属を叩き合う音が天馬の耳に届いた。天馬は音がする方に目を向けると、50mほど先に荷馬車があった。その周りで人が何かと戦っている。草の間から緑の頭が見え隠れしていた。


 腰を低くして音を立てないように近づいた天馬は、10mくらいまで近づくと小さく「鑑定」と唱えた。


 そこにいたのは人間が2人。いずれも職業は冒険者。魔物(モンスター)は、ゴブリンが7匹。馬が1頭。幌付きの荷馬車4輪-状態:通常と表示された。「鑑定」では種族と職業しか分からなかった。


 天馬は悩んだ。助けに入るか、入らないか。助けに入るとしても、武器を使うか。魔法を使うか。悩んで末、意を決した天馬は、一番右側にいたゴブリンの後ろに回り込んで、


「加勢します」


 と大声で叫びながら、草叢(クサムラ)から飛び出し、背後からゴブリンに切り掛かった。


 最初のゴブリンを袈裟切りで倒した天馬は、その出現に混乱するゴブリンを続けて3匹、撫で切る。直後に振り返って、向かって来たゴブリンの胴を薙いだ。天馬が周囲を確認すると、最後の1匹が剣士に斬り捨てられたとこだった。


 改めて魔鉄の剣の切れ味に呆れた天馬は、自身の剣の腕より道具の性能で勝てたと思い、じっと剣を見つめた。そんな天馬に、体躯の良い青年が声を掛けてきた。


2025/5/17 修正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
初戦闘!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ