第1章 肥えたのである
第1章 肥えたのである
太った。
当たり前である。動けなかったのだから。
私は、春に子宮と左卵巣の摘出手術を受けた。
婦人科疾患が重く、その根治のために頑張った。
手術後、すぐにリハビリが開始されたが、なかなか思うように体が動かなかった。
もどかしい日々を過ごした。
術後2ヶ月経ってから、やっと主治医から運動の許可がおりた。
しかし、まだ座り続けることも立ち続けることも、私には困難だった。
ピアノを弾いていて違和感を感じ、お腹を見たら、おへそから血が出ていたことがある。
以来、究極の出不精、動かない女になってしまった。
術後、私のホルモンバランスはとても不安定だったと思う。
私は、右卵巣は残してある。
そこから排卵されるので、排卵痛や生理痛が起こる…らしい。
子宮が無いのに、どこが痛いのか分からない。
だが、医師からも「今後も生理痛はあります。」と言われている。
その謎の生理痛が、初めの頃は1ヶ月のあいだに2回、3回と来てしまい、かなり参った。
子宮がある頃に比べれば格段に軽いが、下腹部痛、頭痛、めまい…とにかく不調だった。
動けなかった。
そこで、さらに出不精に拍車がかかった。
こうして、鰯田鰹節は肥えていった…。
追記o,+:。☆.*・+。
これを書くと、これから婦人科の手術を受けるという人を不安にさせてしまうかもしれないが、正直に書く。
私は、手術前から、生理を完全に止めるホルモン剤を飲んで、手術に備えていた。
体は、「生理が無くなった=更年期だ!」と勘違いする。
激しいホットフラッシュに見舞われ、体の代謝は落ち、まじで何を食べても太った。
薬剤師から、「副作用で太ることがあります。」と言われていたので覚悟はしていたが、私の場合は本当だった。
だから、手術前にすでに体重は増加傾向だった。
これから婦人科の手術を受ける人は、ホルモン剤の副作用をちゃんと確認した方がいい。
必要なら対策を医師と考えた方がいい。