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止められない思い

「フラン、機嫌がいいな」

「そうですか?私よりご機嫌な方がいるので自覚はありませんが……」

 ホームルーム終了後、フランが買ってきたパンを食べながらフランと会話をする二人の目線の先にはマオが鼻歌交じりで次の授業の準備をしていた。その様子を見たログが、はぁ。と深くため息をつくと、それに気づいたのか、マオがニコニコと微笑みながら二人の所に近づいてきた

「フラン、また大会頑張ろうね!フランとならまた優勝出来るよ、きっと」

「はいっ!頑張ります!」

 マオの声と笑顔につられてフランも笑顔で返事をする。二人が次の大会でどんな魔術を使おうか相談しはじめ、二人の会話を聞きながらパンを食べ終えたログがまた、はぁ。とため息をついた

「フランはダメだ。次の大会には出せない」

「えっ、なんで?」

 ログの言葉にマオが驚いた顔で振り向いた

「なんでもなにも、フランは僕の使い魔だ。君の使い魔じゃない」

「そうだけど……。でも、フランがいれば……」

「フランにあまり無理はさせたくない。今回は一度だと思っていたから許可したんだ」

「でも……だけど」

 マオがフランを見ながら不安そうに呟く。目線が合ったフランが困ったようにログを見た

「フラン」

「は、はいっ!」

 急に名前を呼ばれて思わず大声で返事をすると、ログがフランの頭を撫ではじめた

「魔術の授業も無さそうだし、今日はもう休んでていい」

「……わかりました」

 しょんぼりとしつつ姿を消したフラン。マオもしょんぼりとうつ向いて落ち込んでいると、ログがガタンと椅子の音をたて立ち上がった

「大会なんかに出るなら、自分の魔力で優勝するんだな」

 マオに向かってログがそう言いうと、教室から出て姿を消した。残ったマオがログの机の前から動けずにいると急に右肩が少し重くなった

「マオさん……」

 突然耳元に聞き覚えのある声が聞こえてきて振り向くとフランがマオの頬にぎゅっと抱きついた

「フラン、出てきたら怒られるよ」

「いえ、黙っていれば大丈夫です」

 フランの返事を聞いてマオが困ったようにフフッと笑い、肩に乗って座っているフランの頭を撫でた

「マオさん、大会出るのですか?」

「一人で出るのならどうかな、今すぐは決められないや」

 フランにそう返事をしながら席に戻ると、はぁ。と一つため息をつき、少しボーッと前を見つめると、いつの間にかまた右肩に座り直していたフランをまた抱きしめて、ガタンと勢いよく椅子から立ち上がった

「次の大会に出れるように頑張るよ。さっそく魔術の練習してくるね」

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