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騒がしさを止める声

「うわ、すごい」

「優勝だって。誰が優勝したの?」

「さぁ、誰だろうねー」

「新人大会だから一年生だよね」

「今年の一年生って、あまり魔術使えない子が多いって言ってたのにスゴいねー」

 大会翌日の朝、グレニア学園の入り口に人混みが出来ていた。見慣れぬ優勝賞品に、生徒だけでなく、期待していなかった先生達も驚いた顔で見ている。ザワザワと騒がしい出入り口の中、一人マオだけはニコニコと笑って教室に向かっていた



「フラン、おはよう」

「おはようございます、マオさん。さっそく噂になってますね」

 先に来ていたログとフランにマオが声をかける。窓から外を見ていたログが振り向くと、フランがマオの肩に乗り楽しそうに会話をしていた

「意外と大会について話しかけられないんだな」

「誰が参加したかとか教えてないってさ。ログだって、その方がフランのためにも安心でしょ?」

「まあな……」

 マオの話しに返事をしながら席に座る。フランがログの机に移動すると、マオも自分の席に座り、鞄を机に置いた

「意外だな、私が優勝したとか叫んでそうなのに」

「私がちゃんと魔術を使って優勝した訳じゃないからね。喜んで叫ぶのはまだまだ」

「でも、私の魔力に耐えられたのです、もっと喜んでも……」

「ううん、まだまだ頑張んないとね」

 フランの言葉にエヘヘと笑いながらマオが答えるとフランもつられてエヘヘと笑う。ログがため息混じりに二人の様子を見ていると、レイカがバンッと勢いよく教室の扉を開けた

「おはようございます!みなさん、さっさと席についてくださいね!」

 レイカの声に全員が席に着きはじめると騒がしかった教室が一気に静かに変わっていく。マオがフランに手を振りながら鞄を片付けはじめると、フランも手を振り返した

「フラン」

 ご機嫌なレイカの声が響く教室の中、ログが小声でフランを呼んだ。名前を呼ばれたフランが振り向くと、ログが大きなアクビをして机に突っ伏した

「悪いが少し寝ているから、今から何かご飯を適当に買ってきてくれ」

 ご飯と聞いたフランがエヘヘと笑って、うつ伏せるログの肩に乗り、ちらちらとフランを見ていたマオに手を振りながらウトウトとしはじめたログの耳元でヒソヒソと小声で返事をした

「わかりました。すぐに買ってきますので、ご主人様はゆっくりと休んでいてくださいね」

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