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第97話 話し合いと再認識

 場所は変わって指導室。


「それで、ちゃんと説明してもらいましょうか?」


 今学園長が椅子に腕と足を組んで座り、俺とシャーロット先生は正座をしている。


「えっと……」


「…………」


 シャーロット先生は顔を真っ青にしてアワアワしている。


「…………何か子供を容赦なく怒っている大人みたいですね。しかも正座させて」


 俺がそう口を挟むと、2人から凄い目を向けられた。


 学園長には『お前余計なことを言うな』とでも言いたげな目で。


 一方シャーロット先生は『ひ、ひどいです! でも椅子に座れるならそれでも……』と怒りと仄かな期待の篭った目を。


 俺は視線に耐えきれなくなり、


「ごめんなさい。余計なとこを言いました」


「よろしい」


 いやいくら強くなったとはいえ精神的に強くなったわけではないので、ちょっと陰キャが出てしまった。


 まぁ今度はシャーちゃんが俺を睨んでいるが。


「それで学園長は何から聞きたいのですか?」


 正直色々ありすぎてどれを話せばいいか分からないんだよな。


「まず……何故あれほどの力を持っていたにも関わらず隠そうとしていたの?」


「誰かに仕えろとか言われそうじゃないですか。それに危険分子として暗殺されたりしたら嫌ですし」


 わざわざサラのことは言わなくてもいいだろう。


 どうせ信じて貰えないからな。


「なるほどね……確かにそれほどの力を持っていれば勧誘もされるだろうし、気に入らなければ殺されそうになるでしょう。でも貴方は暗殺者に殺されることはないでしょう?」


 む、中々鋭いな。


 この学園長は暗に、他の理由があるだろ言え、と言っているのだ。


 まぁ言わないけど。


 ここにはシャーちゃんがいるからな。


 転生者だと言うことはエレノアとフェンリルが知っていればそれでいい。


 あ、学園長も知っているんだったな。


「まぁある程度は防げるでしょうけど寝ている間はどうしようもないですからね」


 肩をすくめてそう言う。


 と言うかあんたら2人ともある程度俺の力知っているでしょうに。


 ん? なら何で怒っているんだ?


「じゃあ何で俺をここに呼んだんだ?」


 俺がそう問うと2人が再び怒りの表情を浮かべる。


「「貴方が壊しすぎたからでしょう!?」」


「ご、ごめんなさい……」


 それに関しては何も言えない。


 神技まで使ったからな。


 お、そう言えば聞いておきたいことがあったんだった。


「俺が神技を使った時に誰かが攻撃してきたんだが、誰か知らないですか?」


 俺がそう聞くと2人はキョトンとして首を傾げた。


 あれ? 気づいていなかったのか?


 シャーちゃんはまだ若いから兎も角としても、学園長は相当な実力者でしょうが。


「……どんな攻撃だったの?」


「矢だった」


「矢?」


「そうです。何かの専用スキルだと思いますが、俺に向かってきたのは矢でした」


 しかもあの威力からしてlevel:150はありそうだったな。


 俺がそう考えていると学園長が急にシャーちゃんをこの部屋から退出させた。


「どうしたんですか?」


「前のように話していいわよ」


 学園長———ルイーゼがそう言ってくるので、


「分かった。それでどうしてシャーちゃんを追い出したんだ?」


 それが気になるのだ。


 何かシャーちゃんに聞かれては不都合な事でもあるのか?


「その矢を放った人物だけど、多分その人を知っているわ」


「何? 本当か!」


 俺はぐいっと顔をルイーゼに近づける。


 するとルイーゼは顔を赤く染めながら言う。


「え、ええ。多分その矢を放ったのは弓聖ね」


「ん? ああ、あの人か」


 そいつの名前はアイリーン。


 第15代目の弓聖だ。


 因みに弓聖とは、人類の中で最も弓での戦闘が強いものがなれるもので、彼女は歴代で初めての女性だ。


実力はまだ歴代で5番目だが、その内勇者と会えば歴代で最も強くなる。


「だが、何でそんな凄い人が俺を狙撃なんてしたんだ?」


「それは分からないわ。しかも私にバレないように狙撃するなんて……。私が感知できなかったことなんて一度も無かったのに」


 ふむ……まぁ学園長はゲームの中でも相当強い部類だったからな。


「まぁそれはその内聞いておくわ」


「分かった。なら俺は取り敢えずもう行ってもいいか?」


「待って」


 俺は扉に向かおうとするが引き止められる。


 どこか少し鼻息が荒いような……。


「な、何だルイーゼ?」


「最近全然会ってなかったじゃない?」


「ま、まぁ……」


 顔を真っ赤にするルイーゼ。


 ……嫌な予感。


「そ、それで私、ずっと我慢していたのだけれど……もう我慢できないの……」


 そう言って何処からともなく首輪を取り出す。


 もう既に顔を真っ赤にして目は潤み、『はぁ……はぁ』と鼻息荒く俺に近づいてくる。


「お、お願い……これを私に着けて引っ張って貰えないかしら……? 出来れば『本当に出来の悪い奴だな。そんな奴にはお仕置きが必要だよな?』って言って…………ってちょっと! どうして逃げるの! また放置プレイなの!?」


 俺は逃げ出した。


 後ろから『また放置プレイは嫌なのおおお!!』と聞こえた気がするが無視だ無視、そんなの。


 そう言えばあの人ドMだったよ!


 最近会っていなかったからすっかり忘れていたよ!


 俺は【全力ダッシュ】でルイーゼから逃げた。


 うん、今度からルイーゼに近づくときは気を付けておこう。


 俺はそう心に誓った。




読者の皆様へ


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