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第86話 進化の選択

 白虎を倒した後も何体かモンスターに遭遇したが、運良く一体づつだったため簡単に倒すことが出来た。


 常に全速力で向かっているのだが、如何せんモンスターが多過ぎて中々進めない。


 そのため予想以上に時間がかかる。


 しかしそれもあと少しで終わる。


「ソラ様、なぜか急にモンスターの反応がなくなったのですが……」


 突然エレノアがそんなことを言ってくるが、遂に来たか。


「これは目的地が近いからモンスターが寄り付かないだけだ」


「寄り付かない……? どうしてですか?」


 まぁ当たり前な疑問だろう。


 ここにはエイク並みのモンスターもいる訳だし、そんな奴らですら入らないなんて普通はおかしいもんな。


「ここは神域の中心部でな、ここには1つの小さな洞窟以外何もないんだよ」


「……?」


 どうやらよく分かっていないようだ。


「この中心部で争えば、神域は崩壊してしまう。それはどのモンスターにとっても良いことじゃない。よってここには誰も近づかないようになったと言うわけだ。あとは餌となる物がないと言うのもあるけど」


 実際、中心部は森林の中にある一本の道を辿ってしか辿り着けないので、それ以外では迷子になってしまう。


 迷子になったら食料もない場所で生きられるはずもなく、どんなに強力なモンスターでも呆気なく死んでいく。


 なので誰もわざわざ寄り付こうとしないだけだ。


 勿論俺たちも一本の道を歩いている。


 自然の中に不自然にある道は、正直不気味だが、ゲームでも語られてはなかったんだよな。


 ようはこんなもんと言うことだろう。


「なるほど……どのモンスターもわざわざ寄り付かないだけと言うことですね」


「ああ。全く不思議なことだよ。みんな野生なのにな」


 俺たちはそんな話をしながら道を歩いていく。


 




☆☆☆






 一体何時間が経っただろうか?


 既に結構歩いてきたが、全く現れる気配がしない。


 ゲームではこの間はロード中と言う画面だったからなぁ。


 そんなことを思っていると、突然辺りが開けてくる。


 森林がお花畑になるって意外にシュールな光景だな……。


 まぁ綺麗だけど。


「ソラ様、ソラ様! 見たことのないお花ばかりですよ!」


 めちゃくちゃテンションを上げているエレノア。


 エレノアってそんなに花が好きだったのか?


 初めて知ったのだが。


「ここの花は高濃度の魔力がないと生きていけないから、持って帰るのは無理だぞ」


 俺は予め注意しておく。


 すると本当に持って帰りたかったのか、少し頬を膨らませていた。


「残念です……。持って帰ってお家に植えたかったのですが……」


「まぁ流石にな? それよりも、とうとう見えてきたぞ」


 花畑の向こうに小さな洞窟の入り口が見える。


 あそここそ、俺たちが探していた『進化の選択』だ。


「あ、あそこなのですか? 思っていた以上にその……」


「ああ、みずぼらしいだろ?」


「……はい」


「まぁあんな見た目だが、本当に凄いんだぞ」


 俺たちは駆け足で洞窟に向かう。


 本当にいつ見てもどこにでもある洞窟だな。


 これも制作側の性格が悪いからだと俺は思っているが。


 ゆっくりと入り口から入っていく。


《『進化の選択』に入場しました。条件クリア。入場を許可します》


 久しぶりの天の声さんが頭の中に現れる。


 エレノアも同じ声が聞こえたのか、『びっくりしました……』と呟いていた。


 洞窟の中も何処にでもある普通の洞窟だ。


 奥に微かに光が見えること以外は。


 薄暗くて少しじめっとしている。


 しかしだいぶ涼しい。


 そして奥に行くほどどんどん広くなっていく。


 そして奥に進むほどに明るくなっていく。


 俺たちの間に会話はない。


 どうやら俺も少し緊張しているらしい。


 遂に光の元が見えてきた。


 洞窟の出口とも言えるし最深部とも言える所だ。


 俺たちは無言のまま光の中に入った。


《『進化の選択・中心部』に入場しました》







 その先には空があった。








《ようこそ私の家へ》







読者の皆様へ


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