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第68話 迂回すると……

 サイクロプスとワームの大迫力バトルを見ながらゆっくりと2頭から離れていく。


「ソラ様! 気になるのはわかりますけど、ずって見ていないで逃げますよ!」


「へっ? あ、悪い悪い……いやついね? だって男の子なら誰でも気になると思うの。だからこれはしょうがないことで———」


「私は女なので分かりません! 早く行きますよ!」


「えぇぇぇぇ……」


 結局俺はエレノアに引き摺られながら2頭の戦いを見ていた。


 どちらも体長10m以上もあるのに、その2頭が戦っても木は1本たりとも折れることはない。


 これが原初の森か……さすがは全生物がいるとされている所だな。


 このデカい木だって、ここの森以外で1本も見たことがない。


 多分この森固有種なのだろう。


 因みに一応鑑定してみたのだが、全てが『???』だった。


 こんな事は初めてだ。


 ゲームではそもそも植物などが一部を除いて鑑定できなかったが、この世界ではちゃんと鑑定できる事は確認している。


 そして今の俺の鑑定levelは9だ。


 これはゲームで言うところの、魔王のステータスを全て見れるくらいのlevelのはずなんだけど……。


 まぁ原初の森に生えている木だからしょうがないと思うことにしよう。


 俺達は迂回ルートを進んでいく。


 この迂回ルートのデメリットは、めちゃくちゃ目的地に着くのが遅れてしまうと言うことで、約3日ほど遅れることになった。


 ただこれはエレノアには伝えないでおこう。


 多分言ったら発狂してしまいそうだし。


 しかしその代わりと言っては何だが、最短ルートよりも、疲労感は少なくなる。


 距離が離れているのに疲労感が少なくなるなんておかしいと思うだろう?


 だがこのルートは———


「わあぁ……! ソラ様、凄いですよ! 可愛い動物達がたくさんです! それに他の所よりも明るいし物凄い幻想的です!」


 エレノアの言った通り、可愛い動物が沢山おり、更には風景が綺麗な所ばかりある。


 それにここは比較的安全だ。


 まぁ俺とエレノアに勝てるモンスターがいないと言うだけで、level180程のモンスターはいるのだが。


 今俺たちが進んでいる場所は、透き通っている小川の横だ。


 この川は人間が飲んでも大丈夫なくらい綺麗で、更には目的地が上流のため、この川に逆らっていけば迷う事はない。


 小川には沢山の魚や水生生物、水を飲みに来たモンスターなどがいる。


 モンスターはどれも大人しい性格で、人間に懐くこともあるのだが……行っている側からエレノアに沢山の生物が寄ってきた。


「わわっ! ソラ様! 何故だがわからないのですが、可愛い動物やモンスターが集まってきます!」


 リスや小鳥、フクロウや兎などが寄ってきており、更に綺麗な鳥がエレノアの頭の上に乗っていた。


 俺はそれをみて驚愕する。


「な———っ!? エレノア、その頭に載っているモンスターはクリスタルバードだぞ!」


 俺に指摘されて初めて気付いたのか、エレノアは頭に手を回すと、むんずとクリスタルバードを掴んだ。


「クリスタルバード? 何なのですか、それは? ふふっ、それにしても可愛いですね……!」


 エレノアはクリスタルバードのお腹に顔を埋める。


 クリスタルバードは、名前からクリスタルの体でできていると勘違いされるが、実際は体の全てがクリスタルの様に透き通っているのだ。


 それに物凄い強いのに、滅多に人前には現れず、この原初の森以外だと楽園と呼ばれるこの森の次に美しい森の最奥地に生息している。


 更にゲームではこのモンスターを売れば、等級Sの武器が防具が余裕で買えるほどのお金が手に入った筈だ。


 まぁ大体のプレイヤーが、あまりの美しさに手元に置いておくことを選んだが。


 しかしまさかクリスタルバードが初めて会った人間の頭に乗るなんて……。


 くそッ! 何故この世界にはカメラというものがないんだ———ッ!


 俺は必ずこの世界でも写真が取れる様にしようと心に誓いながら何処か良いところがないか探してみる。 


 すると少し進んだ先に、小さな池があり、その傍らには光る樹木が生えていた。


 これなら何日も見ていられると思えるほどに、そして夢を見ているかの様に綺麗で、別世界に迷い込んでしまったのではないかと疑ってしまうほどの風景だった。


 よし、ここは夜を越すのにうってつけの場所だな。


 夜も明るくて、危険なモンスターも少なく、更に周りには沢山の可愛い動物がいるときた。


 ここは天国か?


 俺は少し真剣に考えようかと思ったが、その前にエレノアに話しかける。


「エレノア、ここで夜を越すか?」


「えっ? いいのですか!?」


 いやめちゃくちゃそうして欲しそうじゃないか。


 その証に目はキラキラと輝いていて、顔も仄かに上気している。


 更に手も忙しなく動いており、心なしかソワソワしている。

 

 流石にそんなことされては断る気など起きない。


「ああ、俺もここで癒されたいと思っていたからね。何せまだまだ道のりは長い。夏休みも沢山あるからそこまで急がなくても大丈夫なはずだし」


 実はそれも理由の一つだ。


 流石の俺でも何もしなければ神経が擦り減ってしまう。


 そうなると戦闘が起きた時に支障が出る。


 それだけは避けなければならない。


 後俺も可愛い動物達と戯れたいと言うのもあるが。


 俺の返事が嬉しかったのか、更に瞳を輝かせて———


「はいっ!! ありがとうございます!!」


 俺に抱きついてくる。


 しかし今のエレノアは動物まみれ状態。


 と言う事は———


「ちょっ、まっ、ぎゃああああ———ッ!!」


 俺は重さに耐えきれずに地面へと倒れた。


 うーん……これは疲れるとしか言いようがないな。


 側から見れば可愛い女の子が可愛い動物達と遊んでいる様にしか見えないだろうが、俺的には息ができなくなるほど重たい。


 塵も積もれば山となると言うことわざみたいなものがあるが、まさにその通りだなと思ってしまった瞬間だった。


読者の皆様へ


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