表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/147

第65話 違和感

 今目の前では戦闘と言うよりも蹂躙が行われていた。


 ヴァンパイアがエレノアを見つけることができずにがむしゃらに攻撃している中、その攻撃の合間を縫って急所に確実に攻撃を当てるエレノア。


 現在エレノアの気配は、俺でも近くにいないと察知できない。


 しかもその都度透明化するので、必ず見失ってしまう。


 その為ヴァンパイアは全くエレノアを捉えられていない。


 今もヴァンパイアがエレノアが元いた場所に攻撃して、真横から切り付けられている。


 エレノアはと言うと————


「…………」


 終始無言で攻撃している。


 更に表情もピクリとも動いておらず、淡々と攻撃している。


 その為ヴァンパイアは隙がないエレノアに攻めあぐねている。


 するとヴァンパイアがイラついたのか、大振りに攻撃をして体制が少し崩れた。


 ヴァンパイアはすぐに立て直そうとするが、その隙をエレノアは逃さない。 


 まず右足を斬りつけてヴァンパイアがさらに体制を崩した所を毎度同じく首元に一撃。


「ギャアアアアア!! グァッ!!」


 しかしこれでもダンジョンボスであるヴァンパイアは意地を見せてエレノアが攻撃しようとした瞬間に合わせて反撃する。


 だがこの程度でエレノアは止まらなかった。


 最小限の動きでヴァンパイアの腕を回避したエレノアは、その勢いで左手を斬り飛ばす。


「グァアアアアアアア!?」


 ヴァンパイアは今まで感じたことのない痛さに身悶えていた。


 あーこれはエレノアの勝ちで決まりだな。


 俺の思った通りエレノアは、身悶えている間に全ての急所に攻撃をしたあと聖火を直にヴァンパイアに放った。


 するとヴァンパイアは絶叫をあげながら灰になって消えてしまう。


 死んだのを確認したエレノアは、今までの無表情を綻ばせ笑顔になった。


「ソラ様! ちゃんと1人で倒すことができました!」


 俺に近づいてきて褒めて欲しそうなエレノア。


「あ、ああ、頑張ったな、エレノア! まさかここまで強いとは思わなかったぞ!」


 エレノアは更に笑みを深めてガッツポーズまでし出した。


 そんなエレノアを見ながら俺は、少しエレノアの強さに圧倒されていた。


 正直ここまで圧倒的だとは俺も考えていなかった。


 当初の俺の予想では、エレノアが少し苦戦しながらも何とかギリギリ勝てるかなと言う様な感じだと思っていた。


 しかし結果は圧勝。


 もはや文句なしの圧倒的勝利だった。


 だが俺は少し違和感を覚えていた。


 一体どう言うことだ?


 ゲームのヴァンパイアはもっと強かった様に感じる。


 それにヴァンパイアに隠密はあまり効果がなかったと記憶しているのだが……。


 そして何より、ヴァンパイアならば対話が可能なはずなんだ。


 その為部屋に入った瞬間に襲われるなんてことはまずない。


 しかし今回のヴァンパイアは入って早々俺を攻撃してきたし、言葉も話している様子ではなかった。


 これは一気にきな臭くなってきたぞ……。


 俺の推察では、断定はできないが先程のヴァンパイアは、『レッサーヴァンパイア』ではないかと考えている。


 レッサーヴァンパイアは、見た目はヴァンパイアと変わらないが、知能がゾンビよりも多少あると言うくらいでヴァンパイアには遠く及ばず、再生能力も身体能力も同様にヴァンパイアとは埋めれないほどの差がある。


 ああ……鑑定しておけばよかった……。


 エレノアの戦闘があまりにもすごかったから見るのに夢中でそんなこと全く思っていなかった。


 次からは何かあるかもしれないから逐一確認するとしよう。


 俺はそう決め、エレノアの喜びが落ち着くまで色々な可能性を考えていた。

読者の皆様へ


この作品が、面白かった!続きが気になる!などと思っていただけた方は、


下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしてくださると嬉しいです。


勿論、★☆☆☆☆でも良いので入れてくれると作者が喜びます。


またブックマーク登録やいいね、よろしくお願いします!


ではではまた次話で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ