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第54話 第2王子の最後

 転移した場所は、王都から何百kmも離れた森の中だった。


 そして気配感知で正確なニークの位置を探る。 


 するとすぐに見つかった。


 なるほどな……だから見つからないわけだ。


 俺はニークの元に歩きながら、ゲームでの謎が一つ解けてすっきりしていた。


 ゲームのとあるイベントで、一度ニークを追い詰めた主人公は、後少しのところで転移されて逃してしまったのだが、どこに逃げたのか不明。


 俺を含めた数多のプレイヤーが探したが、見つけることができなかった。


 この森は古代の遺跡と言う森で、名前の通り古代の遺跡が残っている場所だ。


 この森はlevel:120以上にならないと入ることができない。


 そしてニークを追い詰めるイベントのlevel条件は90以上だったが、その時はまだ《試練のダンジョン》が解放されていない時だった。


 なので奴を見つけるのが不可能だったと言うわけだ。


 俺は迫り来るlevel:120前後のモンスターを一閃で斬り伏せながら追う。


 そしてほんの数分で遺跡に辿り着いた。


 それじゃあニークとのかくれんぼを始めますかっ!


 俺はゆっくりと遺跡の中に入っていった。






☆☆☆






 中は薄暗く、あちこちがひび割れていたり、崩れたりしている。


 明かりは至る所に埋め込まれている結晶らしく、キラキラと光っていた。


「はぁ……ここから探すの面倒だな……。壊すことができたらよかったけど、ここには勇者の重要な物があるから壊せないなぁ……」


 ここはゲームでは必要不可欠なものがあるのだ。


 今の俺には必要ないが、勇者には必要なはず。


 なので俺は気配感知でニークを感知し、通路の通りに進む。


 奴は俺がここまで来れるとは思っていないだろう。


 まぁ転移したのに追いかけられることはまずないからな。


 しかし俺は一つ疑問があった。


 それは先程も説明した通り、この森はlevel:120以上でないと入れないのだ。


 しかしあのニークはlevel:13しかなかった。


 何か特別なものがあるのだろうか?


 しかしゲームでは入場条件を誤魔化すことなどできない。


 勿論、条件を変更することも。


 まぁニークが何か知っているだろう。


 俺は少しスピードを上げる。


 そして通路を抜けると広い場所に出た。


 そこにはニークと何者かが話しており、口論になっていた。


 その男はローブを着ており、いかにも怪しい。


 俺は《隠密のマント》を使用しながらゆっくりと奴の後ろに行き、話を盗み聞きする。


「おい! 早く治せッ! 我はお前の言った通りにやったぞッ! なのになんなんだ! お前の言ったのとは全く違うじゃないかッ!!」


「ほぅ……? 又もや本編と違う結末になりましたか……。まぁいいでしょう、取り敢えず直してあげますので、終わったら私は戻ります」


 俺が驚いていると、謎の男が最上級の回復魔法をかけた。


 俺はそれを見て更に目を見開く。


 まさか最上級魔法を使う奴がいたとは……。


 それに本編と言っていたな……。


 と言うことは奴は俺と同じ世界からきた転移者か転生者だ。


 今戦って勝てるかわからないので、取り敢えず何もしない。


 そして男は治ったのを確認するとすぐに消えてしまった。


 どうやら【転移】を使った様だ。


 転移は空間魔法でもレベルの高い魔法のはずなので、やはり俺と同郷と見て間違い無いだろう。


 男が居なくなったのを確認して、ニーク肩にポンッと手を置く。


「さっきぶりだなクズ野郎。俺から逃げれると思っていたのか?」


 俺がそう言うと、奴は情けない叫び声を上げながら腰を抜かした。


「な、なんで……」


「お前だけが転移石を持っていると思うなよ?」


 俺は新しい転移石を見せてもう逃げられないと遠回しに忠告する。


 するとちゃんと理解したのか、絶望の表情になり俯いた。


「さぁ……お前の最後の時間だ。己の罰に囲まれて死ね」


 俺は奴に闇夜を突きつけた。





 学院を最後に第2王子ヒルデブランド・フォン・クーニヒ・メルドルフを見た者は誰もいない。


読者の皆様へ


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勿論、★☆☆☆☆でも良いので入れてくれると作者が喜びます。


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ではではまた次話で。

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