第34話 野外実習1日目
野外実習当日。
今俺達は、物凄くでかい転移魔法陣の上に立っている。
どうやら野外実習の所まで、転移で行くらしい。
一体どれくらいの魔力が必要になるのだか……。
確実に俺の魔力の3分の2以上は使うだろう。
俺の魔力量は、自分で言うのもなんだが魔王を除いたら1番多いと思っている。
そんな俺でさえ、これを使えば殆どの魔力がなくなるのに、よく使えるな……。
俺はこの学院の凄さを改めて知った。
他の生徒も圧倒されていたり、はしゃいだりしている。
しかし学院長が来ると、途端に静かになった。
「1年生の諸君。私から送る言葉は1つだ。しっかり実戦を経験し、それを己の糧にして更に強くなれ。ただそれだけだ。それでは頑張ってこい!」
学院長はがそう言うと、転移魔法陣が作動し始めた。
ふぅ……ここからが本番だな……気を引き締めていかないと……。
俺はエレノアに予め何処かを伝えているので、今頃はもうついているだろう。
俺はサラをチラッと見る。
いつも通り無表情で静かに佇んでいたが、少しソワソワしているので、楽しみなようだ。
そして俺が見ているのに気が付いて、ニコッと微笑んでくれた。(ソラしか分からない)
なんとしてもこの笑顔は守ってみせる!
俺は改めて気合いを入れ直し、俺にとっての戦場へと向かった。
☆☆☆
転移が終わると、森の入り口に到着していた。
周りの生徒を見ると、何人かは転移酔いで近くの人に【キュア】をかけてもらっている。
俺も初めの頃はあんな感じだったなぁ……。
今では何ともないけど。
サラはどうなのかな? 酔っていたらエリクサーを渡そう。
そんなことを思いながら見てみると、本当に少し酔っているようで、顔色が良くなかった。
「サラ! 大丈夫!?」
「……ん。そんなに慌てなくていい。ただの転移酔い」
「ならこれ飲んでよ! 俺は【キュア】は使えないからさ!」
「別にいい……何でエリクサー?」
サラは俺の手元にあるものを一瞬でエリクサーと見抜いたようで首を傾げながら聞いてきた。
「いやこれしかないから……」
他の物は全てエレノアに預けてあるからな。
勿論1級ポーションなどもエレノアが持っている。
「ダメ。これは貴重な物」
「いやでもこれあと100個ぐらいあるし大丈夫だよ! 取ろうと思えばいつでも手に入るし」
俺がそう言っても受け取ってくれなかった。
こんなことなら4級ポーション持ってくればよかったかなぁ……。
俺が少し落ち込んでいると、サラが。
「気持ちは嬉しかった。ありがと」
と言って慰めてくれた。
やっぱり天使。いや女神だ。
俺が感動していると、シューマとペトラも合流した。
セリシア先生が指示を出す。
「それでは4人班で森の中に入って、ゴブリンを倒してください。証明のために耳を切り取っておくように。これは冒険者になっても使うので覚えておいてください。それではより多くのゴブリンを狩ってきた班が優勝です! それでは頑張ってください!」
話が終わると同時に多くの生徒が一気に森の中に入っていく。
その中でも特に早い班があった。
勿論俺達だ。
と言うより、シューマとペトラが早く行き過ぎたと言うべきか。
俺とサラはゆっくりと追いかけている。
「早く行きすぎだよアイツら……」
「ん。バカ」
「もっとゆっくり行っても大丈夫だと思うんだけどなぁ」
「どうして?」
「だってここの生徒って貴族が多いから、どうせモンスターとはあまり戦っていないはずだからだよ」
「何でわかるの?」
「だってもし死なれでもしたら大変じゃないか」
「……なるほど」
「よし、ならさっさと追いつこうか」
俺は柔軟体操をしながら言う。
「でももういない」
サラの言う通りシューマ達はもう既に見えない。
でも俺とサラならなんとかなるだろう。
決してサラは弱くない。
同年代では強い方だろう。
「サラは【身体強化】使えるでしょ?」
「ん」
「なら本気で走れば追いつくさ。アイツら【身体強化】持ってないし」
「ソラも持っているの?」
「うん」
「なら行こう」
サラは一気にスピードを上げる。
俺もサラと同じくらいのスピードに【制限】して走る。
するとほんの十数秒で追いついた。
するとシューマとペトラはこんなに早く追いついたことに驚いている。
「早くないかいっ!?」
「まぁそんなことは置いといてもうゴブリンいるよ」
俺は森の奥を指差す。
するとゴブリンが5体ほどいた。
「じゃあ俺が2体やるから3人は1体ずつお願いね」
俺はそれだけ伝えて一気に加速する。
俺にとっては全然速くないのだが、ゴブリン達は気づいていないようだ。
俺はそのまま《鉄の剣》を一振りして、2体同時に首を切る。
俺は剣を振って血を飛ばす。
そして俺が振り向くと、3人とも驚いていた。
特にペトラは驚愕に近いだろう。
まぁペトラとは交流がないからな。
いや俺が避けていると言うべきか。
「ソラって強かったんだな……」
シューマはチャラい言葉を忘れて素で言っていた。
「ん。思ってたより断然強い」
サラも褒めてくれた。
はい、優しい。
シューマとは次元が違うくらい嬉しいな。
「ソラ君って強かったんだね……。私びっくりしちゃった」
ペトラが俺に近づいて言ってきた。
「まぁまぁだよ。それより先に進もうか」
3人にもゴブリンを倒してもらって、俺達は森の奥に足を踏み入れた。
さぁそろそろ動き出す頃合いだな。
俺はエレノアに合図を出した。
☆☆☆
『そろそろだ』
「かしこまりました。……ではフェンリル様、そろそろ私達も動くとしましょう」
『了解した、エレノア嬢』
1人の少女と子狼が森の奥に消える。
エレノア達がいた場所には、沢山のオークやゴブリンが死んでいた。
☆☆☆
「どう言うことだ……! 何故これほどモンスターが減っている!? だがまだ沢山いる。くそッ、しょうがない、あれも使おう」
イライラしながらフードを被った者が遠隔で水晶を割る。
「これでサラやシャーロットも終わりだ」
そう言ってほくそ笑んでいた。
そして森の奥では大量のモンスターで溢れかえっている。
そしてその真ん中でとあるモンスターが生まれた。
それは先程の水晶から産まれてきたものだ。
それは生まれた瞬間にモンスターを支配してしまった。
そして森の奥で静かに待つ。
獲物をより多くの狩るために…………。
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