第30話 地獄のダンジョン修行
エレノアは1人、S級ダンジョンで戦っていた。
敵はオーガジェネラルと言う、体長3mほどの人型モンスターだ。
エレノアは【透明化】と【隠密】を使っているので、未だバレていない。
「【鑑定】」
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オーガジェネラル
level:120
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エレノアは鑑定結果を見て、また格上のモンスターが出てきたことに辟易していた。
「どうして、そこら辺にいる雑魚モンスターがこのレベルなんですか……。1つ1つが死闘じゃないですか……」
文句を言いたくなるのも当たり前だろう。
今のエレノアのlevelは86。
圧倒的に不利なのだ。
そんな中で取り残されたのだから。
しかし今までの戦闘には全て勝っている。
それは暗殺者と言う、格上相手にも戦えるタイプだからだ。
元々暗殺者は正々堂々と戦うタイプではない。
基本的に不意打ちや、多彩な攻撃で相手を撹乱して倒すと言うのがテンプレートだ。
しかしそれは人間相手であって、モンスター相手ではない。
暗殺者の圧倒的に火力が足りない問題は、【連撃の極意】と【暗殺の極意】のクリティカル倍増でカバーしている。
その為、格上のモンスターをも圧倒していた。
オーガジェネラルにこっそりと近づき、【不意打ち】を発動させて頸動脈を短剣で切る。
これでクリティカルダメージも入り、しかも見つかることもない。
そして再び【不意打ち】で急所を攻撃する。
相手の体力がなくなるまで、その繰り返しだ。
今回も無事に勝利できたことに、エレノアは安堵の息を吐く。
「ソラ様は一体どこにおられるのでしょうか……」
エレノアは自分を置いてどこかに行ってしまった仲間……と言うより主の身を案じていた。
しかし、きっと大丈夫だろうと自分のことに集中する。
なぜならまだまだ攻略に程遠いのだから。
☆☆☆
エレノアの仲間兼主であるソラは、ダンジョンのボス部屋の前で1人頭を抱えていた。
「どうしよう……モンスターは色々試すのにちょうどいいと気づいて戦いまくっていたら、いつの間にかボス部屋まで来てしまった……」
ソラはエレノアにダンジョンを攻略してもらう予定だった。
だから自身はモンスターの数を減らすだけと決めていたのだが、いつの間にか殆どのモンスターを狩り尽くしてしまっていた。
「よし、隠しボスでも倒しに行くか」
ソラはそう言って立ち上がると、来た道を帰っていった。
☆☆☆
ソラが隠しボスを倒しに行った頃、エレノアは、大ピンチに襲われていた。
周りにはブラックウルフの群れがおり、エレノアはそのど真ん中にいる。
(どどどど、どうしましょう……ブラックウルフのlevelは普通の個体で115。ボスは140。そして私のlevelは94。やばいです。群れは50匹くらいいるし、ウルフは【隠密】などが効きにくいモンスター。本当にどうしましょう……)
エレノアは必死にこの状況を打破する方法を考えているが、ちっとも頭に浮かばない。
既にウルフ達に完全に認識されている為、もはや【隠密】も【透明化】も意味がない。
エレノアは諦めて解除した途端に、ウルフ達が襲い掛かる。
「ッッ!?!?」
エレノアは器用に避けながら、確実に急所を狙っていく。
《level UP》《level UP》《level UP》《level UP》《level UP》《level UP》
《levelがカンストしました》
エレノアはその言葉を聞いた瞬間に、懐からソラに予め貰っていた《限界突破の種》を口に放り込む。
そして再び暗殺者らしく、淡々と急所を狙いながら倒していく。
《level上限が上がりました》
《level UP》《level UP》《level UP》……
戦闘開始から5分ほどで、全てのウルフがエレノアの経験値となった。
しかし最後にボスウルフが待っている。
エレノアは再び【隠密】と【透明化】を発動して、ゆっくりとボスウルフに近づいていった。
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エレノア・モイヒェルメルダー
人間
level:107
タイプ:アサシン(暗殺者)
《アクティブスキル》
【不意打ち:7】【隠密:8】
【身体強化:5】【透明化:1→3】
【鑑定:1→2】
《特殊アクティブスキル》
【絶対回避:1】
《パッシブスキル》
【完全感知:1→2】
【五感強化:3】
《特殊パッシブスキル》
【暗殺の極意:8】【連撃の極意:4】
《魔法スキル》
【闇魔法:1】【風魔法:1】
SP:2→48→4
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