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第22話 この世界のゲームとの差異

 教室に入ってきた先生は、真っ赤な長い髪にキリッとした目、そしてスタイルも抜群な美女だった。


 勿論俺は知っている。


 何せゲームでもアランの担任で、ヒロインの1人でもあるのだから。


 どうやらこの世界でもアランの担任のようだ。


「皆さん集まっていますね。では始めに私の自己紹介といきましょうか。私はセリシア・シルヴォーと言います。魔法は、あまり使えませんが、その代わり剣を使います。これから1年間よろしくお願いします」


 そう言って誰もが見惚れるであろう笑顔を浮かべる。


 その笑顔のせいでクラスのほぼ全ての生徒が見惚れていた。


 勿論シューマも含めてだ。


 逆に見惚れていないのは、俺とサラとイリスくらいだろう。


 俺はサラと言う女神がいるし、アランのヒロインだとわかっているので、特になんとも思わない。


 サラはそもそも見ておらず、マイペースに俺をツンツンしたり、綺麗な姿勢のまま寝たりしていた。


 サラの寝顔可愛すぎでしょ。


 俺はサラの寝顔に見惚れていた。


 そしてイリスは、自分のアランに笑いかけるなと言うふうに睨んでいる。


 いや絶対アランに向かって微笑んでないから。


 まだ今の時点では。


 しかし自己紹介か……前世では陰キャだった俺には苦手なことだな……。


「それでは生徒の皆さんにも自己紹介をしてもらいましょう。えっと……それではサラさんからどうぞ」


 セリシア先生が1番にサラを当てた。


 俺は体ごとサラに向ける勢いでサラの自己紹介を聞く。


「……サラと言います。魔法は氷と水です。よろしくお願いします」


 サラはそう言うと、自分の席に座った。


 俺は全力で拍手をしたが、他の生徒は『それだけ?』『少なくない?』と囁いており、セリシア先生は苦笑いを浮かべている。


 確かに普通に比べると少ないと思うだろう。


 しかし、サラはこれでもめちゃくちゃ頑張っているのだ。


 ちゃんと敬語も使っているし、自身の魔法属性も言っている。


 正直これ以上何を言えばいいのだろうか?


 俺はサラを小さな声でねぎらう。


「よく頑張ったね」


 サラの体が一瞬ビクッと震える。


 そしてゆっくりと俺の方を見て。


「……ありがと」


 そう言って無表情ながらも少し嬉しそうにしていた。


 ああ……なんて可愛いんだ……。


 俺がサラの可愛さにトリップしていると、『次はソラ君ね』とセリシア先生に呼ばれた。


 今度は俺のビクッと体が震えた。


 俺は緊張しながらも立ち上がり、言葉を紡ぐ。


「はじめまして、ソラといいます。魔法属性は闇と光で、戦闘スタイルは一刀流です。平民ですが、よろしくお願いします」


 なんとか自己紹介を終わらせて座る。


 ふぅ……めっちゃ緊張した……。


 これならダンジョンを攻略していた方が良いなぁ……。


 俺がぐったりしていると、サラが話しかけてくれた。


「自己紹介、良かった」


 俺はその言葉で頑張って自己紹介して良かったと思った。


 その後も続々と自己紹介をしていく。


「どうも~シューマですっ☆ 魔法属性は風と光だよっ! 皆んな仲良くなりたいからどんどん声かけていくからね~よろしく~」


 シューマは自己紹介の時に女子生徒にキャーキャー言われていた。


 流石イケメンですね……。


 まぁサラはその間はずっと眉を寄せて五月蝿そうにしていたけど。


 因みに俺がちゃんと聞いていた自己紹介は、アラン、イリスの他に4人だ。


 まぁその4人とイリスについてはまた今度紹介しよう。


 アランの自己紹介は、ゲームそのままだった。


「えっと……アランです。学院長の推薦で入学しました。田舎育ちで、分からないことが多いので、色々教えてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」


 アランが田舎育ちだと言った瞬間に顔を歪める人が何人かいた。


 俺はその反応を見て首を傾げる。


 おかしいな……ゲームでは田舎育ちなのを気にする人は居なかったんだけどな……。


 そんな違和感を覚えながら聞き流していた時、ある生徒の自己紹介で、『俺は【加速】のスキルを持っているぜ!』と自慢げに話していた。


 俺がそれを聞いて『そんなすぐに手に入るスキルを威張られても……』と思っていたら、他の生徒が『スキルを持っているなんて凄いね』と言っていたのを聞き、俺の疑惑が確信に変わった。



 『この世界では、ゲームと違って、ステータスボードをほぼ全ての人間が知らない』



 俺がそう思った理由は、この世界の人でも必ず1つはスキルを持っているからだ。


 これは俺が【鑑定】で、たくさんの様々な身分の人達のを見たから間違いない。


 そしてスキルを使えない主な理由は、その人がスキルのことをちゃんと理解していないからだ。


 ゲームでは、スキルのイメージを頭で思い浮かべながら発動すると書いてあった。


 しかしステータスボードを知らない人達は、自分のスキルも分からないためイメージのしようがない。


 今使えている人は、要は偶々だろう。


 もしくは何かの思想が絡んでいるかの2つだ。


 俺はそこまで考えてため息をつく。


 どうやら俺の転生した世界は、ゲームのときより更に鬼畜仕様になっているようだ。



読者の皆様へ


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勿論、★☆☆☆☆でも良いので入れてくれると作者が喜びます。


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ではではまた次話で。

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