佐藤という名字は鳳凰院に釣り合わない
俺はゲームの主人公だ。選択肢が見えるしセーブやロードもできる。
高校生の佐藤孝太郎は、そう思い込んでいるタイプの妄想狂だった。いや、そうでも思わないと気が狂いそうになる、だからそうなのだ、でもどうなのかな。妄想狂にしては気合いがいまいちな男であった。
中学時代にいじめられていた孝太郎は、高校生になった頃、その能力――の妄想――に目覚めた。
この能力で初めての友達を作り、女の子とも付き合いたい。しかしクラスメイトは生身の人間である。ゲームを攻略するようにはいかなかった。
孝太郎には妄想狂の自覚がある。だから、逆に、きちんとした人間になろうと思った。妄想の能力に頼らない、そういう人間になって、友達や女の子と仲良くしたい。
ところで、クラスには鳳凰院香織さんというすごい名前の女子がいる。もちろん美人で金持ちだ。この名字の貧乏人は存在しない。彼女のことが、孝太郎はうっすらと好きだった。
近寄りがたく、クラスメイトからも遠巻きにされている彼女が、ある日、孝太郎と同じ映画研究部に入ってきた。あるのか、ワンチャンが?
しかしバキバキのコミュ障である孝太郎は、なかなか彼女と親しくはなれなかった。それより映画っておもしろいな、父と再婚した人が「子供がお金なんて持たなくていい」と言ってこづかいをくれないから、映画館に行ったことはないけれど。あれ、でも俺、もうアルバイトをできる年なんじゃないか?
これはそんな佐藤孝太郎が、鳳凰院香織を攻略するまでの、高校三年間のストーリーである。
高校生の佐藤孝太郎は、そう思い込んでいるタイプの妄想狂だった。いや、そうでも思わないと気が狂いそうになる、だからそうなのだ、でもどうなのかな。妄想狂にしては気合いがいまいちな男であった。
中学時代にいじめられていた孝太郎は、高校生になった頃、その能力――の妄想――に目覚めた。
この能力で初めての友達を作り、女の子とも付き合いたい。しかしクラスメイトは生身の人間である。ゲームを攻略するようにはいかなかった。
孝太郎には妄想狂の自覚がある。だから、逆に、きちんとした人間になろうと思った。妄想の能力に頼らない、そういう人間になって、友達や女の子と仲良くしたい。
ところで、クラスには鳳凰院香織さんというすごい名前の女子がいる。もちろん美人で金持ちだ。この名字の貧乏人は存在しない。彼女のことが、孝太郎はうっすらと好きだった。
近寄りがたく、クラスメイトからも遠巻きにされている彼女が、ある日、孝太郎と同じ映画研究部に入ってきた。あるのか、ワンチャンが?
しかしバキバキのコミュ障である孝太郎は、なかなか彼女と親しくはなれなかった。それより映画っておもしろいな、父と再婚した人が「子供がお金なんて持たなくていい」と言ってこづかいをくれないから、映画館に行ったことはないけれど。あれ、でも俺、もうアルバイトをできる年なんじゃないか?
これはそんな佐藤孝太郎が、鳳凰院香織を攻略するまでの、高校三年間のストーリーである。
1:佐藤という名字は鳳凰院に釣り合わない
2022/06/13 18:52
(改)
2:オタサーと姫じゃない部長
2022/06/13 18:59
(改)
3:ミッション→オタサーの姫からの脱却
2022/06/13 19:00
(改)
4:その女、番場ジュリア
2022/06/13 19:00
(改)
5:夏への扉(パイン材)
2022/06/13 19:00
(改)
6:青春は夏の季語 春って入ってるけど
2022/06/13 21:47
(改)
7:ジュリアは歌には詠まれない
2022/06/13 21:48
(改)
8:バタフライにも至れない
2022/06/14 17:09
(改)
9:冬 暮れてゆく
2022/06/15 18:28
(改)
10:想定するコロッケがそれかよ
2022/06/16 18:55
(改)
11:人工の水なれど
2022/06/17 16:47
(改)
12:よかった、病気の子供はいなかったんだ
2022/06/18 16:06
(改)
13:男子高校生はゼリーをあまり食わない
2022/06/19 21:04
(改)
14:お前は雨を避けたいだろうか
2022/06/21 16:14
(改)
15:コマンド→弱みに付け込む
2022/06/22 18:11