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ももたろうさん  作者: ももりちょ
3/3

一人と二匹

山を抜けると、町が見えた。

虎鉄と会ってからは、何事もなく進む事ができた。

キビ団子はあと2つ、町で一度身支度を整えよう。

俺たちは、町へ向かった。


「なあ、旦那!」

突然、目の目に猿が現れた。

「頼む、その団子をくれ!頼む!あの子がお腹を空かせて死にそうなんだ。」

慌ただしいく、必死な様子だったので、団子を1つ渡した。


後をついていくと、そこは俺たちが目指した町だった。

俺らが思い描いた、華やかな町ではなく、荒廃していた。

食べ物をすがるもの、お金をすがる者、親を返せと泣き喚く子。

人も町の人々はやつれ、目はうつろになり、ぼろぼろの様子だった。


猿は、路地裏に入っていった。俺たちも必死に追いかける。

そこには、がりがりにやつれた少女が一人。年期が入ったござの上に横たわっていた。

「ああ。旦那。ついてきて来たのですか。」

猿は、悲しそうな顔をして話した。


この町では死に至る病が流行っていたようだった。

山のふもとの町だからと、お国は出入り口を封鎖し、閉じ込めたらしい。

病にかかった者は死を待つしかなく、働き手はほとんど死んでしまい、

現在は「飢餓」に苦しんでいるようだ。

いまは封鎖こそしていないようだが、悲惨すぎる。


少女も病にかかっていいる様子だが、懸命に生きている。

辛そうな笑顔で、俺に「ありがとう」「おいしい」といい、お団子を必死に食らっていた。


「すまない…」

俺は、自分の親がやったであろうことを謝ることしかできなかった。

「なあ、俺は鬼退治のために旅をしているんだが、もしかしたら、鬼ヶ島に治せる薬があるかもしれない。死ぬかもしれない旅だが、くるか?」

猿は黙り少女を見つめた。少女は笑顔で「私なら大丈夫。希望は捨てない。」と言った。

「俺、絶対薬を見つけてくるからな!」

猿が仲間に加わった。

猿の名前は「銀次」。

一人と二匹、旅に出る。


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