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02 ロディの力と第三王女

本日二回目の投稿です。

「はぁっ!!」


 朝のトレーニングの時間、孤児院のスタッフが用意してくれたサンドバッグに拳を突き出した。

 サンドバッグに拳が触れた瞬間、パァンという音と共にサンドバッグが破裂した。


「んなっ…!?」


「驚いたな。 まさか拳一つで、ミスリル製のサンドバッグを破裂させるとは…」


「ええ、ロディ君が成長するにつれて、身体能力が急激に上がってますね」


「おにいちゃん、すごーい」


「うん、すごいよね、ロディお兄ちゃんは」


 俺がミスリル製のサンドバッグを破壊した様子を見て、一部の孤児院スタッフにどよめきが起こった。

 一方でリアは、尊敬の眼差しで俺を褒め、シスター・フェリアに至っては冷静でリアとお話をしていた。

 因みにこの世界のミスリルは、元は金属系統なのだが、魔力を流す量によっては布のように柔らかくすることが可能なものらしい。

 もちろん、金属としても優秀で、武器や防具の材料として使われている。

 そんな特殊な金属のミスリルをいとも簡単に破壊できたのは、前世の記憶が甦った時の反動だろう。

 前世の俺が魔物に食われて死んだ直後、神と名乗る存在から転生させる傍らで、救済措置と称した力がこちらの意思を無視して付与されたとみられる。 解放条件が、前世の記憶が甦ること…らしいが、俺にとっては迷惑でしかない。

 与えられた力なんて、制御できなければ意味がない。 下手したら世界中の皆から恐れられる事だってある。


「ロディ?」


「おにいちゃん…?」


 そんな事を考えていたら、不意に声を掛けられたので、振り返る。

 するとリアやシスター・フェリアが心配そうな顔をしてこちらを伺っていた。

 そんな様子で俺を見てしまうと、こっちは多少正直に話さざるおえない。


「ごめん、考え事をしていたよ」


「あまり、一人で抱え込む事はしないようにね」


「あ、ああ…」


 前世の記憶が甦ったせいで、こんな身体能力を得ただなんて、口が避けても言えない。

 それがシスター・フェリア相手でも…。


「シスター・フェリア。 第三王女様が孤児院に来られました」


「第三王女…クレア様が?」


「はい」


 別のスタッフさんが、シスター・フェリアにクレア第三王女が来たことを伝えた。

 シスター・フェリアの話によれば、この『アルケミア孤児院』を支援しているのは、そのクレア第三王女である。

 俺は、前世の記憶が甦ったと同時に、前世で召喚先の王族やそこに働く兵士に酷い目に遭わされた経緯で、国を問わずに王族やそこに働く兵士に対して憎悪を向けるようになってしまったのだが、一人だけ例外がおり、それがクレア第三王女なのだ。

 彼女は王族らしからぬ言葉遣いと気さくで優しく、俺でも接しやすいので、クレア姉と呼んでいる。 あと、ボクっ娘である。


「ヤッホー、フェリア。 遊びに来たよー」


「ひあっ!! い、いきなり背後から声を掛けないで下さい!」


 そんな事を考えていたら、シスター・フェリアの背後にクレア王女が現れ、不意打ちをかますように声を掛けた。

 当然ながら、シスター・フェリアは可愛い声を出して驚いてしまった。


「ヤッホー、ロディくんにリアちゃん。 他のスタッフさんもこんにちは」


「クレアおねえちゃんこんにちはー」


「相変わらずだなぁ、クレア姉…」


「いやー、それほどでも」


「褒めてませんから!」


 クレア王女が来る時は、大抵シスター・フェリアにいたずらをしてくる事が多い。

 今回はまだ可愛い方で、時にはシスター・フェリアのスカートを捲ってくるケースもある。 その時に目に移ったシスター・フェリアの水色の下着が鮮明に思い出してしまい、ムラッとするときもあった。

 とまぁ、話は脱線してしまったが、そんなクレア王女は、サンドバックだった物を見て開いた口が塞がらないような状態になっていた。

 

「ありゃ、ミスリルを魔力で布状にして作ったサンドバックが破壊されてるじゃん」


「ごめん、それ俺がやったんだよ」


「ええっ!? ロディくんが…!? あ、でもフェリアの報告通りならあり得ない話じゃないか」


「ん? クレア姉、どういう事?」


「あ、何でもないよ。 サンドバックはまた作って持ってくる事にするよ」


 何かクレア王女からの意味深な発言が聞こえて来たが、はぐらかされた。

 まぁ、サンドバックは新たに作って持って来てくれるとの事なので、多少は安心した。


「みなさーん、ご飯の用意ができましたよー」


「あ、もうそんな時間か…。 食堂に行かないとな。 リア、いくぞ」


「うんっ!」


 他のスタッフさんがご飯が出来たという報告が入り、俺とリアは食堂に向かおうとする…。


「おねえちゃんたちはたべないの?」


「後で行くから、先に行ってくれる?」


「はーい」


 リアがその場を動かないシスター・フェリアとクレア王女を見て、食べないのかと言ったが、二人は後で行くからという事で納得したようだ。

 何かを考えてそうな様子の二人を尻目に、俺はリアを連れて食堂に向かった。



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この作品も基本不定期になりますが、よろしくお願いします。

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