表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/23

009  ワールドスキル【魔物使役】

 ランクアップで開放された【魔物使役】

 数ヶ月日の目をみることがなかったが、ようやく使うときがきた。



 ワールドスキル【魔物使役】


 自身と同等、もしくはそれ以下のランクの【魔物】を眷属として使役することができる。 

 スキルの発動には魔力を消費しない。


 《発動条件》対象の魔物に直接触れていること。 対象の魔物に敵意があった場合、失敗することがある。



【鑑定】で【魔物使役】を調べたときは「マジ神スキルじゃねえか!」と喜んだものだ。

 なんていったって、【魔物召喚】と違い魔力を消費することなく、配下の魔物を増やせるんだからね。

【魔物召喚】プラス【魔物使役】で配下の無限増殖じゃー!なんてひとり騒いでいたのが懐かしい。


 なんで過去形かって?

 今ぼくたちがいる魔群地帯シヴメースには、魔獣ばかりで魔物がほとんどいないってことが判明したからだ。


 いやー、薄々は気づいていたよ?

 だってこの世界にきて半年以上が経つのに、1匹も魔物を狩ってこないんだもん。

 最近では牙ウサギだけでなく、デカイトカゲや昆虫の魔獣なんかも狩ってくるようになったのに、未だに魔物は1匹もみない。

 変だなー、と思ってもう一度「ガイドブック」をしっかり読んでみると、こう書いてあった。


 《魔群地帯シヴメースは別名『魔獣の楽園』と呼ばれている。 生息するモンスターのうち98%が魔獣で占められていることが、そう呼ばれる理由である》


 いやまあ、食料には困らないからいいんだけどね?

 ほら、ゴブリンとかオークとか、人型のモンスター食べるのってなんかイヤじゃない?

 だから、『魔獣の楽園』でもいいんだけどね?

 でもほら、さー。

 せっかく開放されたワールドスキルが使えないのって、なんかフラストレーション溜まるじゃない。

「いいんだよ? いいんだけど・・・」みたいな、モヤモヤとした気持ち。


 それだけ魔物の存在が希少なシヴメースでゴブリンの村を発見できたわけだが。

 今回のこのゴブリン村の発見は、完全に運だ。


 数日前までシヴメースの森を覆っていた濃い霧のせいで、狩猟班の1グループが道に迷ってしまった。

 そのとき、偶然にも村に帰れず森を彷徨う「はぐれゴブリン」を発見。

 ぼくにとって『有益な情報』になるはずだと考えたオークたちは、はぐれゴブリンに察知されぬよう静かに追跡。

 そうして追跡すること数時間、彼らゴブリンの村を発見したというわけだ。


「アギギッアギッ(ホウイカンリョウシマシタ)」


「包囲完了ね。 よし、それじゃあお前ら。 ゴブリンたちの心をへし折りにいくぞ」


「「「アギギッアギャギャギャアアアッ(ウッヒャア! センソウダー!)」」」


 ゴブリン村の包囲が完了したとの報告を受けたぼくは、後ろに控えるオークたち配下の魔物にゴーサインをだす。

 これから攻めるゴブリン村は、40体のEランクモンスター【ゴブリン】と、1体のCランクモンスター【ゴブリンキング】で構成されている。

 対してこちらは、80体のDランクモンスター【オーク】と5体のCランクモンスター【トロール】、5体のCランクモンスター【オークジェネラル】で構成されている。

 まともに戦えばこちらが圧勝できるだけの戦力差がある。


 わざわざ手間をかけて包囲させたのは、こちらとの戦力差をみたゴブリンたちが逃げ出さないようにするためだ。

 せっかくみつけたゴブリンだ。

 できれば一匹も逃さず【魔物使役】で配下に加えたいからな。


「さあいけ。 我が下僕(シモベ)たちよ! ゴブリンをボコボコにしてこい!」


「「「イアギャアアアッハッハアッ(イクゾ! ヤロウドモオオ!)」」」


 戦うことが大好きで、イキモノを殺すことが大好きな醜悪な魔物の群れが。 その欲求を満たすチャンスを与えられたことに対し、歓びに震える。 


「おい、殺すんじゃないからな? ボコボコにするだけだぞ」


 ふふっ、かわいいやつらめ。

 彼らの欲求を満たしてやるためにも、たまにはこうして発散させてやるとしよう。

読んでくださってありがとうございます!


最後に【奏からのお願い】

『面白い』『続きを読みたい』と思って頂けましたら、『評価ボタン☆☆☆☆☆』を是非お願いいたします!


感想も随時お待ちしております。


今後も本作を書いていく上で大きなモチベーションになります。 是非皆さまからの感想、評価をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ