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005  ランクアップ

 異世界に「魔王」として転生して3ヶ月。 

 転生した当時は少し肌寒いぐらいの気温だったが、最近は少しずつ蒸し暑くなってきた気がする。

 ということは、ぼくが転生した時期は春先ぐらいで、今は初夏あたりってことか。


 そんなぼくの異世界ライフは順調で、少しずつ眷属を増やし、今では100体を超えるオークの配下を抱えている。 

 本当はもっと数を増やしたいんだけどなー。 数が増えた分だけ、活動の幅も広がるし。

 ただ、これ以上増えすぎると食料事情など別の問題が浮上することは目にみえている。

 今のところシヴメースのモンスターの数が減少したようには感じないが、具体的な調査をしているわけではない。

 それに上位ランクのモンスターに発見される恐れもあるし、安易に狩り範囲を広げすぎるのは危険だろう。


 200体、300体と数を増やしていくことで、飢えで個体ポテンシャルが下がってしまっては本末転倒。

 ここは慎重にやっていくべきだ。


『レベル20になりました。 Dランクの成長限界です。 ランクアップしますか?』


「おっ、ようやくレベル20になりましたよっと」


 そんなことを考えていると、転生3ヶ月でようやくレベルが成長限界の20にあがった。

 思ったよりもちょっと遅いな?

「魔王」は他の運命より必要経験値が多いとはいってたけど、さすがにもう少し早くレベルアップすると思っていたが・・・。

 予想がちょっと甘すぎたようだ。


【能力吸収】で楽して吸い取ってる分でしか経験値を貯めていないんだから、仕方ないことなんだろうけどね。

 まじめに自分で狩りしろ!ってことなんだろうけど、せっかくシモベとなるモンスターを召喚できるワールドスキルをもっているのに、自分で狩りをする(はたらく)なんて論外。

 食料事情を見直して、もっと配下を召喚できるようにしていこう。


 そんな配下、中でも最大数の狩猟班は、総数60体の戦闘向きオークを3班にわけ、3交代制で朝〜晩まで狩りをしてもらっている。

 1回8時間で平均1〜2匹。 多い時で4匹ほどのモンスターを狩ってきてくれる。

 0匹のときもあるんだけどね。

 まあ8時間で行って戻れる範囲内でしか狩りをさせていないからな。

 どうしても狩場が被ったり、モンスターが逃げたりする場合もあるだろう。

 だがぼくと100体以上のオークたちが喰うのに困らないだけの獲物を狩ってきてくれるんだから、彼ら?狩猟班には感謝しないとね。


 だがそんな活躍も、建築班や採集班、警備班の後方部隊がきっちり仕事をしていたことも大きな要因だろう。

 40体以上から構成された後方部隊のおかげで、ボロボロだった拠点は少しずつ快適な生活ができるようになってきている。


 木で造られた寝床。 木の実や肉を貯蔵する倉庫。 水浴び用の溜池。 排泄物を捨てるトイレっぽもの。 


 これらがあるだけで、異世界での生活はかなり快適になった。

 1番は木陰に隠れてコソコソと用を足さずに済んだことだが。


「っと、思考がズレてきたな。 ササッとCランクにランクアップして、次の目標レベルを目指すとしよう」


『レベル20になりました。 Dランクの成長限界です。 ランクアップしますか?』


 ›はい

 ›いいえ


 もちろん、ここは『はい』だ。 さっさとランクアップしてくれ。


『ランクアップの意思を確認。 ランクアップモンスターを指定してください』


 《ゴブリンキング》

 《レッドキャップ》

 《オークジェネラル》

 《ウルク・ハイ》

 《トロールサモナー》


 ほほー、5つのモンスターの中からランクアップ先を選べるようになっているのか。 

 ここはよく考えて選ぶべきだな。

「魔王」としてやっていく上で、とても重要なターニングポイントだ。

 ゲームみたいな世界だけど、1度ランクアップしたら「リセットして下のランクに戻す」なんてことはできないからな。

「間違っちゃった、てへっ」みたいなことは通用しないと考えるべきだろう。


 うーむ。 こういうときに「口コミ」や「レコメンド機能」がほしかったな。

「勝利を目指すあなたには○○種がオススメですよ」みたいなの。

 はいはい、ないですよね。

 わかってますよ。


「迷っちゃうなー」といいたいところだが、まあ、こういうのはファンタジーではお決まりのパターンだ。


 《ゴブリンキング》と《レッドキャップ》は、オークよりも下位種族であるEランクモンスター【小鬼(ゴブリン)】の進化・近縁種だ。

 わざわざDランクモンスターの下位種であるゴブリンの進化・近縁種にランクアップする理由はないから論外だ。


 次に《オークジェネラル》と《ウルク・ハイ》だが、こいつらは現在の種族【オーク】の進化・近縁種だ。

 今よりも高いステータスになることは確実だが、問題はBランク以降のランクアップ先だ。

【オーク】の進化・近縁種からのランクアップは、これはあくまでぼくの予想だが【オーク】に関連した種族になってしまう気がする。

 これはあくまで予想だが、【オーク】→【オークジェネラル(Cランク)】→【オークキング(Bランク)】→【オークロード(Aランク)】→【インペリアルオーク(Sランク)】みたいなランクアップの流れになってしまう気がする。

 あくまで「気がする」程度の予想だが。

 だが、そうなってしまうと強さの限界値がみえてしまう。

 所詮Dランクモンスターのランクアップ先だ。 Sランクになったとしても、ランク内の序列からすれば下位だろう。

 そんなモンスターにランクアップするのは危険だし、《オークジェネラル》と《ウルク・ハイ》の2つもナシだな。


「そうなると・・・。 あとは《トロールサモナー》か」


 トロールっていうと、ファンタジー映画とかでたまにみる、デカくてウスノロで頭の悪いモンスターだろ?

 そいつの「サモナー」ってことは召喚士って意味だから、トロールの召喚士系ってことか?

 ううむ、どうしようか。 

【鑑定】で調べられたらいいんだが・・・。 できるかな?



【種 族】 トロールサモナー(召喚士タイプ)


 妖巨人(トロール)は適応能力が高く、生息する場所に応じた多様性を持つ。 長い鼻と長い耳が特徴。 身長は2m~3m弱程。 肉体を部分欠損しても再生できる驚異的な生命力を持つ。 トロールサモナーは多様性を持つトロールの中でも特に異質で、魔力を消費して魔物、魔獣を召喚する能力に特化した種となっている。 その分自身の戦闘力は他トロールよりも低い。



「めっっっちゃぼく向きやん!!」


 いや、【鑑定】で調べられたことは驚きだけどもっ。

 思わず声にだしちゃうぐらい、ぼく向きのランクアップ先だった。

 これでいいんじゃない? 

 いいよね?

 決め方が急に安易になったかもしれないけどさ。

 これ以上のランクアップ先は、他の4種類にはない気がする。


「よーっし、決めた。 トロールサモナーにランクアップします!」


『トロールサモナーにランクアップします。 よろしいですか?』


 ›はい

 ›いいえ


 もちろん『はい』だ! 


『トロールサモナーにランクアップします』


 え、あ、結構唐突にランクアップではじまるんだな。

 もうちょっと情緒というかさ、イベント感をだしてほしいというか。

 せっかくランクアップするっていう、のに・・・。

読んでくださってありがとうございます!


最後に【奏からのお願い】


『面白い』『続きを読みたい』と思って頂けましたら、『評価ボタン☆☆☆☆☆』を是非お願いいたします!

感想も随時お待ちしております。


今後も本作を書いていく上で大きなモチベーションになります。 是非皆さまからの感想、評価をお待ちしております。

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