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002  まずは知識を手に入れる

 自分の選んだ「魔王」という運命に不満はない。 ゲームに勝つための最良の選択だと思っている。


 だがーーー


「ーーーこの外見は厳しいなあ・・・。 オークが醜い魔物とはいってたけど、これはあまりにひどすぎるだろ」


 水面に映る自分の顔をみて吐きそうになった経験をするとは。 転生するまで想像すらしなかったな。


 ギザギザの黄色い歯。 奥まで覗けるほど大きな鼻の穴。 尖った耳。 曲がった背中。 ザラザラで荒れた茶色の肌。


 オーク(豚鬼)と呼ばれるだけはあるな。 ・・・ブタに似てるのは鼻だけしかないけど。


 はあ・・・。まあ、文句をいっても仕方ない。

 魔王の特典として神のみが唯一与えられるスキル、ワールドスキルを5つと、さらにそれを生かしたステータスにしてくれたんだ。 見た目がちょこっと悪いぐらい、なんの問題もないじゃないか。


 それよりも他の魔物や魔獣に襲われる前に、まずは持ち物と周辺の状況を確認しておこう。


「持ち物は・・・。 大きなカバンには、短剣1つに、水を入れる袋。 それと・・・ん? ガイドブック?」


 見たことはないが、なぜか読める文字で書かれた黒い本にはたしかに「ガイドブック」と記されている。

 ガイドブック、ということは・・・。 この世界の案内本ってことかな?


「結構分厚いな。 後で時間をとって読むか」


 活字フェチとしては垂涎の分厚さだが、今は我慢だ。 安全が確認できていない状況でのんびり本を読む余裕はない。

 今のぼくの強さでは、Eランクの魔物にすら負けるだろうし。


 取り出した荷物をカバンに片付け、立ち上がり周囲を見渡す。 


 時間は昼間のようだが、薄っすらとしか太陽の光がみえない。 ザ・ファンタジーって感じの深い森だ。


「今いる地点には小川が流れているから、水分補給のためにもできればあまり離れたくはないな」


 いくら魔物に転生したからといって、汚い泥水をすするなんてことはしたくないからね。 どんな病気にかかるかもわからないし。

 とりあえず小川の反対側に崖っぽいシルエットがみえるから、そっちに進んでみるかな。


「そう都合よく洞窟なんて・・・。 と思っていたが、案外近くにあるもんだな」


 小川を渡って少し歩いた場所に、ヒト1人が通るには十分な大きさの洞窟を発見した。 奥もそこそこ深そうだし、寝床には良さそうだ。


「どっこいしょっと。 それじゃあガイドブックをじっくり読んでいきましょうかね」


 転生前にカミサマとやらに大雑把には教えてもらったが、この世界にはまだまだ謎が多い。


 なにせ、わかっていることといえばーーー


 1.この世界は剣と魔法のファンタジー世界。 科学や化学は存在せず、物理法則も地球とは異なる。

 2.魔法には大きく4つの系統があり、4大属性とそこからの派生属性に分類される。

 3.他にもスキルと呼ばれるモノがあり、ワールドスキル、ユニークスキル、エクストラスキル、通常スキルの4つがある。

 4.この世界への転生者は総勢12名。 全員地球で同日同時刻に死んだニンゲンたちで、その中からランダムに選ばれている。

 5.12名にはそれぞれに違った『運命』が与えられて人生リスタート。 「魔王」の運命を背負った者以外は赤ちゃんからスタートする。


 ーーー大体こんなもんだな。


 おっと、「12名で殺し合い、最後に残った者は『願い』を叶えてもらえる」ってのも忘れちゃいけないな。 『願い』のために、ぼくは魔物に転生する「魔王」の運命を選んだんだからね。


「・・・まずは知識を手に入れる。 ぼくはまだ、この世界について知らないことばかりだ」


 ぼくが今いる大陸や森の名前すら、ぼくは知らない。

 この世界のことをなにも知らないぼくでは、どうやればライバルたちに勝てるかのプランを考えることはできない。


 殺すためのプランを考える方法を考えるところから、ぼくたちの勝負ははじまっているのだから。

読んでくださってありがとうございます!


最後に【奏からのお願い】

『面白い』『続きを読みたい』と思って頂けましたら、『評価ボタン☆☆☆☆☆』を是非お願いいたします!


感想も随時お待ちしております。


今後も本作を書いていく上で大きなモチベーションになります。 是非皆さまからの感想、評価をお待ちしております。

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