勇者ギルド in ブリウォーデン勇王国 13
「まあ、俺の決勝戦は終わったんだよな」
あまり興味なさそうにラプサムは言った。その言葉にバルザックは不快そうな顔になる。
「お前も奴の仲間か」
「そういうことだな」
バルザックはその姿を消した。ラプサムは後ろに下がって、その一撃を避けた。
「本気が出せない相手に本気を出してもな・・・俺も疲れているし」
バルザックの体に銀色の鎖が巻き付いていた。
「ぐっ!」
「その程度か?」
ラプサムが剣をふった。鎖に邪魔されながらもそれをなんとかバルザックは防いだ。
「さすが、元七星。というか、どんな武器も操ることができるのか」
「器用さなら負けんよ」
鎖を握ったまま大剣扱う。鎖を意識ながらも戦いだが、二人とも器用に剣の打ち合いをしている。
「すげえなあ、あんた。鎖に縛られながらもそこまでの動きができるのは」
「力が奪われているが、今は元々使えんしな」
「呪いか。いい気味だぜ」
二人は距離をとった。その顔に余裕のようなものがある。
「貴様も本気を出していないな。先日のあれを使ったらどうだ?」
「現状使ったらあんた余裕で負けるのでは?」
「舐めるなよ」
バルザックが馬鹿にされたような気分になりながら、間合いを詰めた。その剣を振ったが、ラプサムの剣に弾かれた。
そこで違和感を覚えた。
バルザックの力は怪力である。その力が鎖に縛られているとは言え、さらに力を吸われているとはいえ撃ち返されるほどではないはずだった。
それが打ち返される。何かあるというのだろうか?
「何をしている?」
「秘密」
ラプサムは嬉しそうに返した。
「何を解析している」
「わかったか・・・」
ラプサムはバルザックから距離を置いた。かなりの間合いをとった。ついでに鎖も解かれている。
「何をしている?」
「お楽しみは明日だ。バルザック」
「フィン戦か」
「そういうことだ」
ラプサムが静かに言った。バルザックは何をして言うのかよくわからなかった。ただ、呪いと同様に何かをされているような気がした。
「貴様ら・・・」
「俺たちが目指すはフィンの完全勝利だ」
ラプサムがニヤニヤしながら言った。バルザックは悔しそうに表情をゆがめた。