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友の剣 5

本日、オーバーラップWEB小説大賞(OVL大賞6M)に応募しておきます。

いろいろとネタをパク・・・オマージュの多い作品ですので、受かるとは思いませんが記念に出しておきます。

ギャクだと思えば・・・




「生存者報告ですね。手紙を出しておきますので、あちらのギルドで詳細をご確認ください」




 ギルド嬢が淡々としたリアクションで事務処理をしていた。


 護衛任務の失敗などはまあよくあることだし、ギルドもまさか勇王国の勇者が受けた依頼などとは露も思っていないほどのリアクションだ。


 護衛対象が大手の商人なら問題はないだろうが、一回の錬金術師など、薬師が死んだこととあまり変わらない。


 “神の薬師”並みのネームバリューがあれば話が違うのだろうが、なかなかそうはいかないだろう。


 ただ、もう少し何か言われてもいいような気がするが、所詮はほかギルドの話だ。ここが依頼を出したギルドなら、問題になっていただろうが・・・


 そういうリアクションを期待していたわけではないし、求めていたわけでもない。


 これはトールが問題があっただけだ。火薬の材料集めにこれほど時間をかけてしまったのがいけないのだ。


 使いようによっては聖都を滅ぼしたりできる火薬の量が異次元バックと呼ばれるバックに詰め込まれている。


 モンスターハウスというゴーレムがあり、家や蔵に化けて人を取り込み、溶かすゴーレムなのだが、それを改造してとかなさないダウングレードを作り、そのゴーレムをバックに“変質”させて持っているのだ。


 つまりバックの中に蔵がクラスの広さがあり、それにトールは物を詰めたのだ。これはトールの秘術に近いもので、師匠であるものに相談したら、口外するなお前だけ使えと言われた術だった。


 その約束を守り、自分用に使っている。つまり。トールのバックの中には人が入ること出来、さらに多くのものを詰めることができるのだ。


 それが異次元バックというやつなのだ。


 異次元バックという名前はトールがつけたのではなく、錬金術の術にある鑑定の魔法で導きだされたネームだった。


 その魔法はかつてはそう呼ばれていた過去の名前も導き出してくれるため、新しい術かなと思ってもこれを使うと、ちゃんと昔の誰かがつけてくれた名前を導き出してくれる素敵な魔法だった。


 だから、よくわからないものに関してはこの魔法を使うことが多い。


 異次元の意味がよくわらかないが、昔の人がそうしたのだから、そういうことなのだろう。つまり、トールの異次元バックはゴーレムにしてバック、バックにしてゴーレムという性質があるらしい。


「わかりました」


 ここではそういっておく。確かに文句を言うなら、ここではなく、依頼したギルドで怒るべきだろう。


 ここでの不満はついでにそこでぶつけてやろう。


 トールは心に決めた。


「じゃあ、これで」


「あっ、すみません。当該ギルドに行く際に必要なものとかございますか?保証金や旅路で必要なものなど・・・」


「ないね」


 このギルドで世話になるようなことはないと確信めいたものを感じながら言った。


「そうですか・・・」


 受付も無機質に答えた。同リアクションしてもいいのかわからないようであった。


「すみません。もう一度、名前を確認してもいいですか?」


「錬金術師のトールです」


「わかりました。トール様でしたね。商人ギルドの方には報告を?」


「これから上げますよ」


「よろしくお願いします。商人ギルドの方々も安心すると思いますから・・・」


「ですね」


 二人は事務的にいうとトールは背を向けて歩き出した。その後をリリィはついていく。


「受けたのが勇王国の勇者パーティーであったことは言わんでもいいのか?」


「大丈夫だろ。この国には本物の勇者が来たんだ」


「ああ、本物か。あの化け物どもを倒したらしいからな、少数で・・・」


 トールたちは上空から四体の巨大な化け物たちの死体をみた。内臓などの処理をして、腐らないようにして素材の確保を行っていたが、あれを勇者達がやったらしい。


 とんでもない化け物ばかりだ。


 あの山のような化け物たちに臆することなく挑んだ。それだけで勇者としては十分な証拠になるだろう。


「あのような恐ろしい化け物を狩ることができる人間とはおそろしいものよのう」


「なんでも、“光の戦乙女の契約者”は“光の戦乙女”と一緒に魔物を2体葬ったらしい」


「うそだろ。あんな化け物をたった一人、精霊がいたとはいえ、うち滅ぼしたとなると勇者以外にもとんでもないものがいるな」


「公言はされていないが、ちまたでは勇者よりも“光の戦乙女の契約者”の方が強いのではないかという噂もある」


「我としては信じられないな」


「たった、一人で万軍を破った“嵐”の将軍の話もある。眉唾物だろう」


「噂は尾ひれもエヒレもつくものだからな」


「そうなんだよな・・・」


 二人はそういいながら、歩き出した。






「“嵐”が万軍を破った話?」


「私たちのところでは城に籠った5千の兵を惨殺して見せましたけど」


「あの人なら、不可能ではないよね」


「いやいや、おかしいだろ。知っているのか?勇者殿は」


「うちでも貴族の編成があって、その際にご友人としてご協力をお願いしまし。王に対して総力戦挑むべく、とある砦に立て籠りました」


「反王勢力約五千、そこに“嵐”の将軍を単騎で投入。砦の兵士を見事に半壊させてみせました」


「我なら可能だが、それは人のやれることなのか?とてもそうとは思えないが・・・」


「“嵐”の見えない軍団と言われている魔法がありまして、風を圧縮して武器を作り、それを風で操る魔法なんです」


「それを何故、見えない軍団などと言っているのか?」


「それを300本作り、それを自分の手足のように操るのです。ちなみに同時に300本です」


「その男、人間か?」


「人間のはずなんだよね」


「“嵐”自身もかなりの達人クラスなので、下手な兵士よりも効率よく兵を殺すのです」


「つまりだ。達人が300人いると同様なんだな」


「あの時は1秒に100人づつ殺したと言っていたし」


「ふむ、5000人いても1分も持たないとか、バカげているな。風魔法で知覚を上げ、戦場を把握し、そのうえで敵を葬り去る。対人戦最強クラスの化け物だな」


「強いものがいても囲んで殺すらしい」


「卑怯とはいわんな。戦争だしな」


「私もあれくらい泥人形をうまく扱えるようになりたいですわ」


「まあ、無理だろうねえ。あの人、そのうち、一瞬で千人殺せるようになったぜとかいいそうだし」


「アレス怖い」


「大丈夫、僕の“霧”とは相性が悪いから、・・・とはいえ、普通に強いから勝てる気もしないけど」


「わかった」


「いちゃつくな・・・というか、“嵐”とはお主からしても化け物なのだな」


「というか、剣の腕でも敵わないし、単純に強いよ。あれに勝てるのは、真の“光の戦乙女の契約者”だけだよ」


「ほう・・・というか、“光の戦乙女の契約者”が他にもいることに衝撃を覚えるが・・・」


「“光の戦乙女の契約者”の奥さん。二人は“光の戦乙女”を共有精霊として契約している・・・そして、剣聖と言われている奥さんの方がその才があるというだけ」


「けど、あの人が本気を出したら、奥さんともいい勝負できるとは思うけどね」


「お主ら、化け物しかいないのか?」


「勇者パーティーだし」


「大丈夫、私はお姫様枠だから・・・」


「そだね。君はボクのカワイイ、オヒメサマ・・・」


「アレス棒読みだぞ」


「うむ」


「ア・レ・ス?後でちょっと、お話があるの。超個人的に」


「わか、わかった。その話はベットで聞く」


「今日のベットが楽しみね」


「う・・・うん」


「夫婦というのもわずらしいな」


「あそこが特別だと、俺は言いたい」


 


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