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勇者ギルド in 魔術学園都市 11




「よかったじゃん。ミラク!ピルクも!」




 友人たちが嬉しそうに言った。


「まあ、私ほどの才能があれば。選ばれるのよ!」


 ピルクが胸を張って嬉しそうに言った。ミラクはそれを聞いて首を振った。


「私たちが双子だからでしょ」


「ぶっちゃければ、そうなんだよね」


 ミラクの言葉にピルクは苦笑いで言った。


「どうしてそうなの?」


 同じクラスのヴィーゼがかわいらしく首をかしげていった。ヴィーゼは小動物なかわいらしさがあり、男女問わずクラスで人気者である。


「双子としての繋がりが大事らしい」


「へえ、双子だもんね」


「他にも理由があるんだよね」


「なにそれ」


「共有精霊って、わかるかな」


 ヴィーゼが初めて聞く単語に目を見開く。


「精霊を共有するってこと?」


「つまり、いつでも相手のことが見れてしまうらしいの。ちなみに勇者様は奥様と共有しているらしいけど」


「どんなに離れていても、二人は一緒ってことね」


 ヴィーゼがそれをロマンスに感じているらしく、感激したという感じであった。


「ってことは、あなた達、それを持ってしまったらプライバシーとかなくなっちゃうの?」


「そういうことらしいわ」


 ヴィーゼの言葉にピルクがうなづいた。それを聞いて、ヴィーゼが少し考え込んでいた。


「てか、精霊って契約できる上限って一人だけじゃないの?」


「そうでもないみたいね」


「でも、どうやってそれを見つけたんだろう?」


「・・・・・・さあ?」


 ピルクもミラクも同時に首を首を傾げた。


「いったい、どうやって確かめたのかな・・・」


 ヴィーゼの言葉にピルクもミラクもはっとした顔になった。


「“光の戦乙女”」


 と言った。それから神妙な顔になった。


「ごめん、これから先は行っちゃあいけない話だった」


「そなの?」


「そうなの」


 ヴィーゼがピルクの話に違和感を覚えたが、言ってはいけないことぐらいあるのだろう。何せ、勇者ギルドの話だ。


 こっかきみつ的なものがあるのだと察せることが、ヴィーゼにもできた。


「まあ、二人が選らばれてよかったと私思ってるよ」


「ありがとう、ヴィーゼ」


「ありがとう」


 素直に祝福してくれるヴィーゼに二人は礼を言った。そこに一人の女性がやってきた。


「あら、花を売った女がいるなんてね」


「そんなことないもん」


 ミラクがすぐに反応した。あまりのひどい言葉に思わず返したのだ。


「勇者パーティーの誰に媚を売ったか、存じ上げませんが、あなた達如きが勇者パーティーで活躍できるとでも?」


 ミラクをその女性は見つめてきた。


「特にそこの聖女くずれ」


「ミラクをバカにするな!」


 ピルクがすぐに怒って言った。ミラクはピルクにあまり怒らないように促すが、とまることはなかった。


「まあいいわ、どうやって売り込んだが、存じ上げませんが、勇者パーティーにふさわしいのは私よ。あの方々に私の力を見せてあげるわ」


「・・・」


 ミラクはじっとその女性を見つめた。


「やめたほうがいいい」


 そして、静かに言った。


「あなたが恥をかくだけだから・・・」


 女性はいぶかしげにした。


「まあ、いいわ。私はあなたたちを認めない。だから、魔法対決をしましょう」


「・・・わかった」


 魔法があまり使えないはずのミラクが答えた。


 それを聞いて意外という思いが女性の顔から出た。


「ミラク?大丈夫なの?」


「大丈夫。私たちもセンセイに教えてもらって、少しは強くなったから」


「・・・そうね。ただの魔法対決なら私たちが強いわね」


「うん」


 二人の言葉の意味がヴィーゼは理解できなかった。


「二人は何を言ってるの?」


 勇者パーティーに入って何か変わったとでもいうのだろうか?そんな風には見えない。


 何せ、二人の仲の魔力などが上がったような見えないのだ。


「それにセンセイ?」


 二人がそんな風に呼ぶような人間がいたのだろうか?特に高飛車で学園都市内の先生をバカにし、学ぶことなどなしと言いたげな彼女の発言とは思えなかった。


「うん、すごい人がいるの」


「あの人は革命を起こしているのよ。魔法に関してね」


「あの人を中心に魔法学会が変わる可能性がある」


「それほどの天才がいるのよ」


 二人が恋焦がれる女性のような熱い目になって言った。


「妻帯者じゃなければ、奥さんになりたいくらい」


「あの人は婿養子のようなものだから難しいかもしれないわね」


「残念だね」


 二人が口々に言った。早口で同じような口調でしゃべるのでどっちがしゃべっているのか、ヴィーゼにはわからなかった。


 この二人が熱くなるような人間とは・・・


 ヴィーゼがそのことに衝撃のようなものを覚えた。


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