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勇者ギルド in 魔術学園都市 6




「そういえばさ、ドレクって好きな人っていたの?」




 一緒に乗っているフェミンにそんなことを言われ、一瞬落馬しそうにドレクはなって、建て直した。


「なんだよいきなり」


「なんとなく、気になったから」


「そうだな。なんとなくだが、貴族の娘とかとは顔合わせとかしたことがあるんだがな。どうみてもか弱いんだよ」


「まあ、貴族の娘だからね」


「うちって、過酷じゃん」


「・・・そうなの?」


「まあ、あんたがいた環境よりは大分ましなんだが・・・」


「あんた、あたしの何を知ってんの?」


「スラム街育ち、見受けされないために幼くして冒険者の道を選び、ポーターとして実績を積み、スカウトになった」


「・・・どこで聞いた」


「ラプサムから」


「困った人ね」


「かわいい後輩について嫌な虫がついてないか調べておいたらしいぞ」


「いや虫って・・・」


 フェミンはじっとドレクを見つめた。騎馬にのっているドレクの顔は見れないが、今の話をどんな面をして話しているのか気になっていた。


 まあ、自分のことを悪い虫などとは露ほどもに思っていないだろうなと、フェミンは想像できたので、それ以上は何も言わないようにした。


 フェミンは利口な子なのだ。


「そう怒んなよ」


 ドレクは苦笑いをし始めた。きっと、ラプサムに怒っていると勘違いをしたのだろうが、フェミンはラプサムには怒っていない。


 悪い虫と思われる男に怒っているのだ。当の本人はしつこいよづあが、気づくことはないだろうが・・・


「ラプサムだってあんたのことを・・・」


「まあ、わかってないわね」


「そうか?」


「バカだもんね」


「俺のことか?いきなりひでえなぁ」


「わかってなさそうだもん」


「おいおい、ずいぶんだな。・・・まさか、悪い虫って俺のことか?」


「違うの?」


「だって、俺は王族だぜ。普通に考えたら、お前さんの方が悪い虫な気がするが?」


「普通わね」


「だろ?」


「あんたに限っては違うわよ。そろそろ、気が付きなさい。あんたが普通じゃないことを・・・」


「まあ、普通じゃなくて、特殊な環境下にあることは認めるけどな。ふーむ、俺は悪い虫なのだろうか?」


「そうよ?」


「マジで?」


「マジマジ・・・って、あたしに言わせんな」


「なんだよそれ」


「汚い言葉遣いが移る」


「いいじゃん」


「よくない」


「だって、友達ぽくてよくね?」


「・・・そういうもんじゃないでしょ」


 フェミンはため息をついた。一緒にいると疲れる男である。だが、それ以上に一緒にいると楽しい男でもある。


 フェミンが望んでいるのはこういうのではなく、美形の男子との交流なのだが、まあ、なかなか難しいのだろう。


「せめて、メディシン卿ぐらいかっこよければな・・・」


「うっせえ」


 ドレクはフェミンの言葉に思わず声を荒げて、叫ぶように言った。


 自分の周りにイケメンが集まっていることにいら立ちを覚えているのは間違いないようである。


「つうか、このパーティー女が多くね」


 ドレクがパーティーのメンバーを思い浮かべて、そんな風に言った。それに対して、フェミンが思わず突っ込みを入れた。


「あんたがいうな!」


 フェミンも、あの双子もドレクが確保したメンバーだ。拉致して、確保したようなものである。


 自分のハーレムメンバーを増やすためとはいえ、こんな強引なことが許されていいのだろうか?


 まあ、最大のスポンサーの血族だから、しょうがない部分もあるのだろうが、どこか納得できない部分もあった。


「まあ、いいけどな」


 ドレクがのんびりといった。





 男3人、女性5人の勇者ギルド。これからどうなることやら・・・




 フェミンはそんな風に思いながら、ドレクが操る馬に乗りながらそんなことを考えていた。

 

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