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ナニカに気を取られて死んでしまったけど、凶悪スキルを手に入れたので、新しい人生は楽しく生きたい。  作者: yatacrow


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第17話 カンタンダ一家の誕生


ウーノ爺さんとクリンちゃん暗殺事件の後日談。


あれから半年が経った。


カンタンダ達は、盗賊業からは足を洗って冒険者パーティーを組むようになった。


パーティー名を『レイオット一家』と付けようとしていたので全力で止めた。


盗賊達6人のパーティー『カンタンダ一家』が誕生した。


ベアースさんが鬼のような特訓をするんだとはりきっていた。


ちなみに、俺とアクアもその特訓には参加させてもらう。(レベルアップ時のステータス増加率が変わってくるのと、経験値も微増するらしい。)


今回の件で、俺の実力は人並み以上、人外以下だったことがよくわかった。


デスペの配下を相手にするには、もっともっと鍛えないとダメだ。


そんな反省点をもとに最近の日課は、ウーノ家のトイレ掃除(本宅、使用人宿舎)、ベアースさんの特訓、クエスト受注で魔物狩りとなった。

あ、デスペとのやり取りはもちろん忘れずにやっている。


最近のデスペは、心地よい波動がどうとか言っていて、次元の彼方でまったりしているみたいだ。

向こうに流されるときに失った力が少しずつ戻ってきているらしく、いずれは流れに逆らってこの世界に来たいとか言っている。


デスペが来たら、俺ってどうなるのかな…。

いかん、前世の黒歴史がフラッシュバックしてきた!


こんなときは、アクアを鑑賞すると心が綺麗になる。

もうすぐ18才になるアクアさんを近くで見れる喜び…やはり、高校生男子の精神に引っ張られている…ことにしよう。


だって、54才になろうとしている精神年齢目線だと通報されそう。



つうほうしました!



(やめて!)


コマンドは翌日帰ってきた。

二日酔いなのか、テンション低かった。


あれから戦闘のときは、コマンドが選択肢を出してくれるんだけど、ボーイン達との戦闘と違って戦いやすかった。

ボーイン達は、思考中も攻撃してきたんだけど選択肢が出ているときはゆっくり時間が流れている気がする。


コマンドの秘密の能力かもしれない。教えてくれないけど。



ウーノ爺さんは相変わらず俺達に対してとても過保護で、ベアースさん経由でノーリスクハイリターンのクエスト(おじいちゃんの30分間肩マッサージ。報酬:金貨1枚)を指名依頼という形で回してきたり、安全で美味しいクエストを優先的に俺達に斡旋するようにお願いしたりしてくれる。


俺達としては、きちんと実力でランクを上げたいと思っているので、ベアースさんには悪いけどウーノ爺さんクエストは断るようにしている。



ビアンカ親子については、ビアンカはアメスタンド王国の刑務所へ投獄された。

過去の事件から今までの罪までを生きて償わせることにしたらしい。


ダートは、ビアンカと一緒がいいと泣きわめいたため実父の家に送らず、アメスタンド王国の更生施設で一から鍛えられることになった。


あいつは、アクアのトラウマを引き起こす原因になりそうだし、出来れば二度と会いたくない。



そんなわけで、俺もアラソニークの町にだいぶ慣れてきた。


この町には、コマンドから近づいてはいけないと言われた施設がある。


ポッケに入るくらいの可愛いペットモンスターを戦わせて、師範代に認められるとアラソニークの町を型どったワッペンが貰えるらしい。


危険な匂いがする。


コマンドの言う通りにしていた俺だが、今、かなりピンチに陥っている。


そう、俺の目の前にあの子達がいるのだ。


赤いキャップに、青いパーカーを着て、黄色い雷属性の可愛いモンスと歩いている少年。


「あのっ、すみません。 俺はピーーータウンのサ●シ! こいつは相棒のピーーー! それで、この辺にピーーー道場があるって聞いたんだけど…。」


「あ、それはこの道をまっすぐ進んで最初の角を右に行ったところにあります。 では、失礼します。」

開幕から自重音が出るような奴を相手に出来るかっ!!


「えっ! ちょっと待ってよ、お兄さん強そうだな。 ピーーーーバトルしようぜ!」

意外と好戦的な奴だっ!


「え、いや俺はモンスターいないし…」

なんだこいつ、怖いなぁ。


「えっ、お兄さんが連れているのって伝説のモンスター『ホウオ…「えぇっ!! スザクなんでいるのっ!?」

危ない、セリフに被せたからセーフ。


いや、スザク……じゃなくて? いや、少年が叫ぼうした名前のモンスター!!

なんで俺の相棒になってんだよ!?


「へへっ、すげぇなお兄さん。 俺もいつか伝説のポケ…「よし!、わかった。 やろう!!」

ダメだ、黙らせないと!


「そうこなくっちゃ! お兄さんゲットだぜ!! ピーーーー道場に行こうぜっ!」

やめろ、ゲットって使うなっ!!


はぁ、俺仕方なく少年を道場に連れていくことになった。


道場にはグリーンのベレー帽に大きなハサミを持ったウーノ爺さんがいた。


「なんで、ウーノさんが師範代やってんのさっ!?」


「ほっほ、さてのぅ、どうしてかのぅ。 さぁ、お前達…バトルを始めるがよい。」


意味がわからない!


しかし、少年も黄色い生き物はやる気だし、やるしかないのか…。


よしっ! 勝負だ!!




サ●シがあらわれた! どうする?



たたかう バッグ ポケピーーー にげる



(選択肢まで伏せられてる!)



「スザク、一気に決めろっ! 大文字焼きだ!」


こうかは ばつぐんだ


「やるなっ! ピーーーー! でんきシピーーーだ!」


しかし うまくきまらなかった


(これは、コマンドもおかしくなってる!)



ダメだ、コマンドは無視しよう。 少年、ごめん。【ナニカ支配】!!



--ぐるぅぎゅう~



「ぐっ、バトル中に! 俺はこれぐらいじゃ……」



--ぷっすぅ~ぶ…



「すまないっ! ピーーーー! バトルは俺たちの負けでいいっ!!」

ち、ちょっとトイレーっ!!と黄色い生き物を連れて走っていった。

スザクじゃない炎のモンスターも溶けて消えた。


はっ! わたしも ひっぱられていました!



(コマンドをおかしくさせることが出来る存在……)


ウーノ爺さんが悪い笑みを浮かべてこっちを見ている。


「お前っ!! ウーノさんじゃないだろっ!!」


「おやおや、ほっほっ…、くっくっ、くくくく…あーっはっはっは!!!!!」

ウーノ爺さんが笑いだしながら煙に包まれていく。



ヤバい!


「じゃ、サヨナラー!!」

俺はアイツの登場を待たずに一目散に逃げ出した。


「じゃーーん!! 俺ちゃん、参上!! ってあれ? ちっ、逃げられたか。 なんとなく一段落した感じだったから出てきてやったのによ。 んー、どこで気づかれたんだ? いいや、帰って録画番組でも観るか…。」


ぶつぶつと言いながら、レイオットを追うこともなくメタンガは空間へと溶けていった。



「ようっ! レイオット! どうしたんだよ、そんな慌てて?」


その口調! まさか…


「はぁっ、はぁっ、なんだぁ、ベアースさんかぁ…。 ふぅ!」


「なんだとはなんだよ。 お前が血相変えて、ここに飛び込んできたんだろうが。 まぁ、いいや、少し特訓につきあえや。」


夢中で走った俺は、いつの間にか冒険者ギルドの訓練場にたどり着いていたらしい。


ベアースさんの特訓しごきは、かなり激しかったが、不思議な安心感に包まれた俺は無心で特訓に集中できた。


ナニカ支配の派生スキルで、【下り龍】を覚えてしまった。

通常のナニカ支配を行使する場合、相手の腹を鳴らす、ガスを放出、ナニカに襲わせるなど俺が調整できるのだが、この下り龍は、有無をいわさずナニカを一気に外に放出させるスキルだ。

飢餓状態にでもなっていなければ、ほとんどの敵が放出して切ない思いをするだろうな。


正直、強すぎて使いづらいかも。


他にもお腹の臓器を支配する、菌を発生させる、悪性細胞を作る……、いや、エグいスキル覚えたな!


この辺りは、いくら俺がヘーリングで治療できるとしても封印しておこう。



「しかし、レイオットはまた強くなったなぁ。 お前はどこを目指してるんだか。」


「俺としては自分と周囲の人達を守れる強さが欲しいだけですよ。」


「なるほどなぁ、もう充分に強ぇと思うけどな。 半年でCランク手前まで来てるし、正直はりつめすぎじゃねぇかと俺は思うんだがな。」


そうかな、だけどアイツらに勝てる自信がつくまでは特訓を続けるつもりだ。


「…………。」


「まぁ、俺が言いたいのはたまには休めってことだ。 きちんと休んでリフレッシュすることも一流の冒険者の条件だからな。」


てなわけで、今日はもう休め、明日もギルドにきてもクエストはやらないぞ。


と訓練場を追い出されてしまった。


昼のデスペ報告も終わらせたし、何をしようかな。


町の中心にある噴水公園に座って、なんとなくヘェアリーサークルをしてみる。


おっいろんな会話が聴こえるな…


『俺はピーーータウ……』

まだいたのかっ!!聴こえない聴こえない!!!


『おっ奥さん、おっ俺っ!!』

『ダメよっ!、サブちゃん…、今日は注文ないわよ…』

『嘘だっ、じゃあ俺を呼んだのはなぜですっ』

『そっそれは…あっ!』

昼過ぎから何をしているううぅぅっ!!


『ママ~、なにしてるです~?』

『あっ、違うのよっ、これは…そうプロレスよ!』

『プロレスですか~、ボクもしたいですぅ~』

『…今日は帰って、サブちゃん。』

『奥さん…、俺…諦めませんからっ!!』

うんぬんかんぬん


いかん、これも聞いたらダメなやつだった!



『ほたら、なにかいっ! この妾の子ぉの分際で、ワシに意見するちゅうんかい!!』

『分家はん、落ち着いてくださいっ! わてはただぁ、このステテコがこのナリタ屋を救う商品として…』

『はっ!センバのナリタ屋が落ちたもんじゃ! 安ぼんがおらんから言うて調子に乗ってたらあかんぞ! …お前、ワシを疑ってるんか?』

『そんなことはあらしまへん! ただ偽物のステテコを売るのをやめていただきたいだけで…。』

『それが疑ぅてる言うんやっ! なぁ、オヒサお前からも言ったってくれや!』

うんぬんかんぬん


懐かしいけど、誰も知らんだろ。

連ドラ予約のない時代、ビデオテープ200本近く使って再放送を録画するんだけど、たまに時間帯ずれてTVショッピングが入ってて話数が飛ぶんだよな。

そして録り終えたら満足してしまって見ないままだった。

リアルナリタ屋がこの町のどこかにあるのかな。


『だ…大地よ 海よ そして生きているすべての みんな………

このオラに ほんのちょっとずつだけ 元気をわけてくれ…!!! 』


何が起こってるのよ、この町はっ!!

とりあえず空を見たけど光る玉は浮かんでなかったから中二人のセリフだと思いたい。



『それじゃ、お父つぁん、行ってきます。』

『ごほ…、すまないねぇ…、俺がこんな身体でなければ…ごほっごほっ!』

『お父つぁん、それは言わない約束…。』


なにこの悲しい親子の会話…、一瞬だけだったから場所が分かんなかった。



--シャリーーンッ!!  シャリーーンッ!!



大通りの向こうから錫杖?のような音が聴こえる。


行ってみよ。




--シャリーーンッ!!  シャリーーンッ!!




近くで見ると、格好いいな!


青い僧侶服に、金色十字の刺繍がされた8人くらいの集団が綺麗に並んで歩いている。


(すみません、おじさん、あの人達はなんですか?)

小声で、隣のおっさんに話しかけた。


(坊主、知らんのか。 あの方達は、アメスタンド王国アーク教会の騎士様達だ。 あーやって、周辺の町や村を見回ってくださるのだ。 拝んどけ。ありがたや、ありがたや。)


教会騎士か、へー。

そういや、俺の知ってる神様はトレットだけだったけど、この世界でメジャーな神様はアーク様っていうのか。


この世界の名前かは、アークリンクだし、世界の管理者みたいなものかな。


うおー、格好いいな!



--シャリーーンッ!! シャリーーンッ!!



--ってんっ、てん、てん、ころころころ


あっ! あの子!ボールを追いかけて教会騎士達の前に飛び出しちゃったよ!



--シャリーーンッ!!  シャンッ!


「とまれっ!」  --ざっざざ


「ほらっ、坊や、ここは人通りが多い。 ボール遊びは向こうでやるんだよ。」

前列にいた教会騎士さんが、屈んでボールを子どもに優しく渡した。


「あい、ありあと!」


「まー! トルネッ!! 急に飛び出したら危ないじゃないの!! 騎士様、うちの息子がご迷惑おかけしました。」


「いえいえ、子どもは遊ぶのが仕事ですから。 では、出発だ!」

「「「「「「「 はっ! 」」」」」」」


--シャリーーンッ!!  シャリーーンッ!! シャリーーン……


お母さん、教会騎士さん達が見えなくなるまで頭を下げてる。

子どもは遊びに行きたそうだけど、頭を押さえられて一緒に頭を下げさせられてる。



教会騎士か、いつかアメスタンド王国内を旅していくならまた見かけることもあるかもな。


旅か……そういや、この近くに森人族の村があるってウーノさんが話してた。


森人族…ファンタジーといえばエルフだよな。


美形揃い、気位が高くて自然大好き、魔法が得意とか。


うん、俺のファンタジーを燃え上がらせるために明日は森人族に会いに行こう。



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