表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

疑念

閲覧とお気に入りありがとうございます。



「明日、ビデオ観賞をやるけど、これるかい?」



良雄が明美に尋ねる。



「おぃ良雄、明日はテストがあるだろう」



進が良雄に呟いた。



「それがどうした……

今更ジタバタしても」



「……そうよねぇ、今更ジタバタしても」



明美も微笑みなからそう言った。







翌日、明美と待ち合わせの飯田橋駅に向かいながら、何故か俺の心は、ワクワクしていた。


(音楽教室で見かけた女生徒なのだろうか?)



駅の改札口の近くで、手を振っている明美に気がついた。


(まさか、外人と喋っているのが明美だとは。


フランス語が喋れるとは何者なんだ?)



「君は友達として来たんだよね。

俺に対して特別な感情は持ってないよね。


もしあれば帰って貰いたい」


自分の感情は気が付かないふりをしたが、


「持ってないわ。ただ興味があるだけ」


と呟いた明美の微笑みが、やけに眩しかった。



「しかし、本当によいのか。


君にとっては不利な条件になるけど。


たとえば進が、明美ちゃん身体を貸してくれと言ったとする

その時、提供出来るか?


つまりH出来るかという事だよ」



「北條さんが、それを望むなら……」



良雄は明美の意外な返答に、少なからず動揺した。



「もし、俺に特別な感情を持っていると仮定して、自分の好きな人の前で、他の人とHする事は耐えられないだろう。


まぁ俺が、あんたの立場だったら、絶対帰るけどね」



「うっふふ……でも北條さんは、あたしでは無いし」



「そうか、実は俺。


今、キスしたい気分なんだけど」



『チュッ』



明美が、背伸びしながら急に俺の唇にキスした。



「これでいいかしら」



って言いながら、クルリと一回転した。



(こんなに明美の事が、鮮明に脳裏に残っているのに……明美を知らないって、どういう事だ?)



良雄は昨日の出来事を、まるでパトロールビデオを見ているみたいに、何度も脳内で再現した。





良雄は明美が、もしかしたら進の部屋に居るのではと、淡い期待を抱いてドアを開けた。



進は口を少し半開きにして、仰向けに寝ていた。



「おぃ、起きろ!」



良雄は進むを揺り動かしながら、いらつき気味に呟いた。



「なんだぁ、こんなに早く起こすなよぉ」



進は寝ぼけ眼で、壁のデジタル時計を見ながら呟く。



「進よ。

何故、美菜子が俺の部屋に居るんだ」



「最初、二人で勉強していたんだが美菜子が良雄の部屋を、ちよっと覗いてくるって出て行ったきり」



進が、ふて腐れたような調子で、そう言った。



「ところで何故、美菜子はお前のマンションにいるんだ」



良雄が、続けざまに尋ねる。



「何故って……良雄が誘ったんじゃないか……俺の為に」



怪訝(けげん)な顔で、進が呟く。


「……俺の為に?」



「そうだよ、俺の好きな美菜子ちゃんを呼ぶのと交換条件に良雄に部屋を与えたんじゃないか……」






閲覧ありがとうございます。

良かったらお気に入りや感想宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ