2章 4話
2章 4話
「クリスマス…彼女」晴翔がつぶやく、12月20日、クリスマスイブからクリスマスにかけての勤務担当は1課…つまり俺たちである「クリスマス…彼女…クリスマス…彼女…」晴翔が机に突っ伏して念仏のように唱える「これが風物詩になるのかなぁ…」「絶対やだ」未亜が言い放つ「それな」「オハヨー」想乃が仮眠から戻って来るちなみに深夜23:34…こんばんわの時間だ「はよ〜」「イブ、当日共にバイトなの納得いかないのはわかるよ」未亜が口を開く「パーティはできないけど…」悠課長が口を開く「まさかぁ?!」「あとは当日のお楽しみ〜、パトロール行ってこい」「了解〜」
「先日のパーキングエリア立てこもり事件、散弾銃もライフルも、免許持ってなかったって」「は?」「無免許の非合法ライフル、本体の入手ルートは不明、ライフリングからの特定はできなかったそうだ」ライフリング(詳しくは前回をご覧ください)は全て形状が違う。なのでライフリングで使用者を特定できる。今回はそのライフリングが誰名義なのか不明だった。「仕入れた銃砲店とかは?」「全く不明」未登録だった「マジで出所不明…コピー品説も浮上」「流石に無理でしょ?」「そうだよなぁ…」「第一密造するならライフルが散弾銃なはず、だってハーフライフルなんかより製造が簡単」未亜がアクセルを踏みながら言う「銃砲店が登録をせずに入荷…」「できるのか?」「わからない…」「それなら相当まずいぞ?銃砲店がライフルや散弾銃をばら巻いているなんて…」「裏社会がエグいことになる」「マジでそれ…」『至急至急桜木町内の暴力団事務所にライフルを持った不審者2名が押し入り発砲、現在pm4名が対応中、至急応援及び発砲許可を』『こちら各務原本部、拳銃の安全ゴムを外し、隊員または市民に危害が加わると判断した場合のみの発砲を許可する』「はい起きた〜」「まだ決定したわけじゃ…」『各務原本部から各局、現時刻より桜木町一丁目を中心に5キロ圏内に緊急配備を発令する。対応可能各局は防弾ベストを着用の上現場に向かわれたし以上』「MS1-1から各務原本部、各務原駅前から向かいます」『了解』
「ms1-1から各務原本部、現着」『了解』「ERTは?」「岐阜市だからもうちょいかかる」「奈良突入しちゃおう」ヘルメットを被り防弾チョッキを付け防弾盾を持った未亜が言い放つ「俺は良いけど…フラッシュねぇぞ?」「CQB上手いでしょ?」「うまいけど…」相手はヤクザ、プレートキャリアがない現在の装備では危険すぎる「せめてレベルⅢ-Aがあれば…」「え?これレベルⅢ-Aじゃないの?」「Ⅱだったと思う」Ⅱでようやく.357マグマナム(リボルバーの弾)が防げるかどうか、ライフル弾など防げるわけもない「ERTの到着を待とうぜ」「そんなことしてたら被害者が死ぬ」「んなこと言ったって二人じゃどうしようも…」「そうです。裏社会の人間を助けたって意味はありません」地域課の隊員が割り込んで来る「人間の命の重さは平等、君たちがなんと言おうと、私は助けに行く」未亜が防弾盾を持ち上げる「最初の発砲から15分、失血死するよ?」未亜が真っ直ぐと見つめてくる「………」「応急処置を始める速さがその後の処置に影響する。こうやって話ている間にも血は出続け、死は近づいてくる」「でも裏社会の人間を助けたって…」「彼らは裏社会の人間である以前に日本人です」これで外国人だったらどうするんだと思いながら話を聞く「お互い手を取り合って助け合うのが日本人ですよね?」日本人以前に人間のあるべき姿だ「……」「二次被害が起きたらどうするんだ?ERT到着を待てよ」夢物語を語るのは素晴らしいし、未亜の言ってることは正しい、だが現実を見るべきだ。暴力団事務所からライフルを撃たれたら遮蔽物の無い道路の真ん中で倒れる事になる「現実を見ろ」夢物語だけじゃダメなのも事実だし、助けなくてはいけないのも事実だ「後5分で到着する!そうしたら突入」「わかった」未亜が折れた「ただし、到着したら直ちに突入する。絶対死なせない」「わかった」わがままで自分勝手だが、助けたいと言う気持ちは事実だし、止血が間に合わなければ死ぬのも事実、そろそろ失血死する頃なので焦る気持ちもわかる「ERT到着!」「突入します!」「了解」防弾盾を構えERTが暴力団事務所に向かっていく「突入」階段を盾を構えながら登る未亜の後ろを追い、扉の前まで来る「3.2.1突入」ERT隊員が扉を蹴り飛ばす「フラッシュ」フラッシュバンがコロコロと入っていく「Go」「動くな!」「警察だ!」中に入ると同時に一気に散開する「おい!武器を捨てろ!」散弾銃を持っていた男に拳銃を向ける「武器を捨てろ!」床に警告射撃をすると武器を地面に捨て両手を上げた「確保!」ERT隊員がすかさず伏せさせ手錠をかかる「ms1-1来て!」「了解」突入時は犯人の逆恨みを防ぐために基本的に無線コードで呼び合う「止血する、押さえて」「2人目確保!安全確保!」「救急隊突入させろ!」『了解』ERTと無線から怒号が聞こえてくる「救急隊来るな」「かなりの出血、お願いだから病院まで待って、死なせない」未亜がビニール袋を傷口に思い切り当てている。「代わります!」「止血は私でも出来ます!あなた達にしか出来ないことをしてください」未亜が完全にピリついている「わかりました」何やら道具を出して腕に貼り付け始めた「静脈路確保!」「了解」「ストレッチャー乗せますね〜セーノ1.2.3」ストレッチャーに被害者を乗せて出口に向かう「階段下ろします」「はぁ…」未亜か手からビニール袋と手袋を外す
外に出て現場に入っていく鑑識をパトカーにもたれながらボーっと見つめる「あとは医療機関に任せる…ごめんねわがまま言って」「…昔助けられなかった?」海斗が聞いてくる「私が撃った人が失血死で亡くなったの」「ほう?」今でも鮮明に覚えている。引き金を引いた時の感触、うめき声、タオルから滲んでくる血の感触…「私が正しかった…」間違いなく私が正しかった。発砲の要件は満たしていたし、正当防衛が認められた「………」海斗が黙り込む「海斗が来る2週間前かな?」「意外と最近だな」「そもそも各務原支部が始動したのが今年8月初頭だからね」「…そうだな」海斗が空を見る「たっかいゴム弾を使い続ける理由がそれか?」海斗がチラッとこっちを見ながらココアシュガレット口から抜いてハーとやる…冬の夜、口から白い息が出て本当にタバコを吸っているように見えた「そうだね、2度と殺さない」「実弾も持ち歩いてるよな?」「なんで知ってんの?」最初から突入する際は実弾の拳銃をホルスターに入れた上でゴム弾の拳銃を使用する。「はぁ…てかダサいからやめて?」地味にココアシュガレットでハァハァやってるのがうざい「あっごめん」「ねぇ私達どうすればいいの?」「ERTと一緒に待機してろって言うから待機してるけど…」「寒い…なんでわざわざ外に」「星が見たいじゃん」「何それ」そう言いながら空を見上げる。今日は満月だった
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