6章4話
6章 4話
「……とりあえず一個突っ込んでいい?」
「未亜は映画館、晴翔は電話にでんわ、翔はcqb訓練で疲れたから寝た。」
電話にでんわで滑ったなと思いつつ口を開く
「想乃は?」
「想乃がねぇ捜査一課の伊藤警部補を刺した」
嫌な予感が的中したようでドキッとした
「ってことで捜索…つってももう県外出てる」
「初動が悪かった?」
「正解、単独行動中の刑事で刺された意識を失って偶然通りかかった人が通報、重症だけど生死には関わらない」
意識があれば緊発して県外に出る前に緊急配備が開始、現代警察の捜索網を掻い潜るには高い技術を要する。
「今から緊急配備は?」
「もう出したけど無理だろうな」
「ですよねぇ…どうします?」
「想乃はうち(mst)の子だ。こっちで捕まえたい」
捜査一課などに持ってかれたら俺たちには聴取する権利がない…それは困る
「防犯カメラ映像は二課が確認してくれている。想乃の実家に行くか、想乃の行きそうなところの捜索」
「行きそうなところはわかりませんが、日記あったので見てみましょう」
昨日見ようと思ってやめた日記を見ることにした。
2/10日 土曜日 19:05
想乃捜索本部立ち上げ
『間も無く列車が参ります』
近鉄名古屋線のホームでスマホを取り出す。位置情報は切ってあるのでとりあえずは大丈夫だ
海斗 40件 悠課長 100件 電源を切っていたので気づかなかったがとんでもない量の通知が来ていた。
「アホくさ」
海斗からのメッセージに既読をつけるか悩んでいたらまた電話がかかってきた。
無視するかと思い鞄にスマホを放り込み近鉄名古屋線に乗り込む
「レッツゴー実家」
一応連絡はしたが仕事中だろう既読がつかない
「はぁ…」
ため息をつきながら空いていた席に座る
「多分電話出たら逆探知されるよなぁ…ヤダなぁ」
着拒にするのも考えたがどこかためらってしまう自分がいた。
パクってきたニューナンブm60はカバンの中、fn5.7はベルトに付いてるホルスターに入れた
「ニュース見るか」
スマホとは別で持ってきたタブレットを起動する
「……あった」
2/10 17:27頃各務原駅付近にて各務原警察署の刑事が10代の少女に刺され重傷、命に別状なし、警察は行方が分からなくなっている少女の捜索と刑事との関係を捜査している。
「チッ」
思わず舌打ちが出てしまった。もう2、3発刺しとけば良かったと後悔する
「とりあえず寝るか」
アイマスクをつけて寝る
伊勢市駅到着したよとお母さんにラインを入れてバスに乗る。
「久しぶりの景色だなぁ…」
嫌なことがあり、逃げるように各務原に引っ越したが、結局引越し先でも嫌な思いをした…だいぶマシになったけど
郊外に出て家に入る
「おかえり〜どうしたのいきなり」
お母さんが出迎えてくれた
「いやちょっと、ストーカーが家特定したらしくてさ、しばらくこっちで生活するわ」
「学校は?」
「学級閉鎖と重なったから、ちょうど良かった」
学級閉鎖は本当で事実月火水と休みだ
「じゃぁしばらくこっちなのね〜」
「うん、とりあえず疲れたから寝るね」
「うん、部屋は想乃の残してあるからそれ使って〜」
「ありがと」
部屋に入り今後についての計画を立てる。
「まず、家まで来るのは絶対」
海斗や悠が見逃すはずがない
「となると三重から大阪にエスケープ」
大阪に1人親友が住んでいるので、一時的だがセーフエリアにはなる
「お金…は全額持ち出した」
mstの給料1ヶ月分27万をATMから引き出したので大阪までは簡単に行ける。
そこからどうするかが課題だ
「黄色のカーディガン、間違いないね」
2/10 22:17 想乃捜索本部
「犬山駅から名古屋方面、19:30頃です」
各務原警察署の機動捜査隊員がカメラ映像を見せてくれる
「ありがとう、やっぱ三重かな?」
「飛びましょうか?」
この際実家に乗り込めば全て解決だ
「刑事のm60を持ち逃げしたから下手に動くと打たれるぞ」
刑事が所持していたニューナンブとオマケでロッカーからfn5.7が消えていた
「困った子だ」
そう言いつつプライベート用のスマホを取り出して想乃にラインする。
仕事用のアカウントの方は既読がつかないのでブロックされた…鬼電しすぎたと少し反省しつつラインを入れる
「ねぇ想乃すぐ既読ついた」
スマホの画面を見せる
「海斗のこと好きなんじゃね?」
「それなちょっと思った〜」
未亜が日記をパラパラしながら言い放つ
「好きなら好きと言う感情を最大限利用するまでよ」
「最ッッッ低」
未亜が冷たい目でこちらを見る
「とりま、現在地聞いた」
「あんたはバカなの?」
2/10 22:23 三重県伊勢市 飯田家
スマホのバイブで目が覚めた。海斗も悠もブロックしたし着信拒否にもしたのに…と思っていたら海斗のプライベート用のLINEだった。
“想乃、出頭しないの?”
「するわけ…」
事実どうせすぐバレる。いつまで逃げれる?逃亡生活はいつまで続く?そんな思考がしないという選択をすることを邪魔する
無意識にLINEを開いていた。
“今どこにいる?いつまでも逃げれないのは知ってるだろ?”
(逃げれないのは知ってる。だからこそお願いがある)
海斗を信じて賭けに出る
“言ってみ”
(今いる現在地、今後目指す場所、位置情報共有をする。それを対価に13日までの3日間逮捕しないでほしい)
大阪に行き、親友に会い少し話がしたい、だからこそ3日間の猶予が欲しかった
“とりあえずわかった。張り込みとかは?”
(ダメとか言ってもバレないようにやるんでしょ?コンタクトを取らなかったらそれでいい、破ったら人質事件で一緒に地獄を見ようね?)
“わかった、それでいいと悠課長も言ってる。
3日経ったら、14日になったら逮捕していいんだな?”
(うん、現在地は自宅、これから行くところは大阪の親友の家)
“ありがとう、ただ各務原警察署も動き出した。うち(mst)が動かなかったとしても各務原警察署の奴らに家に辿り着かれたら終わりだぞ”
(家は明日には出る。包囲網の突破もできるから大丈夫)
そう言ってスマホを机に置きカバンを整理する。
2/10 23:09 mst岐阜本部
「らしいけど」
「親友の家も教えてくれたんだろ?一度そっちに向え」
「了解、想乃とバッティングしたら?」
「無視しろ、後追いして市街地で銃撃戦なんかしたら殺すからな」
「はい」
「最悪銃撃戦になったとしても海斗を戦わせるな、事件解決のキーを持っている」
「了解!」
ということで大阪に行くことになった。
「海斗ちょっといい?」
悠課長に呼び止められる
「はい?」
「日記」
そう言ってノートを渡されたので付箋が貼られたページを開ける
“海斗がかっこよかった。どうやら好きになってしまったようだ”
うむ、実に照れる文章である
「じゃぁこの感情を最大限利用するか」
「もう少し躊躇おうよ?」
悠課長が苦笑する
「これが対等なバディという立場なら考えましたよ。敵です今は」
「それもそうか…じゃぁ明日に備えて寝ろよ」
「わかりました。」
もう少し読む深めてみたところいくつかわかったことがある
1.各務原で生活していた頃に仲がよかった親友が大阪に住んでおり、近々観光も兼ねていこうと思っていたこと
2.伊藤真也、いじめてきたやつの父親が捜査一課で単独で各務原警察署に行った時に嫌味を言われたこと
3.ぶっ殺す
「ぶっ殺す…か」
異変に気づいていたのに何もしなかった。何か悔しい、一声かけてたら、ナイフを見つけた時に日記も見ていたら…仲間が犯罪者になることはなかったのか、そう思うと本当に悔しい気持ちになる。そして想乃が刺した伊藤警部補中々のクズだったそうで、本気で「仲間傷つけやがって、見つけてぶっ殺す!」となっていないのもそれが原因らしい…ちなみにこれが信用されてる一課長とかだったらもう想乃の家にsatが突入している頃だろう。そのくらいやる気を感じない、好都合だが
2/11 14:31 大阪駅
「お久ァァァ」
「久しぶりぃ」
小学生の頃から仲がよかった親友と駅のホームで合流する
「じゃぁ早速」
同時刻、大阪県警
「どうすんの?」
「監視しつつ移動報告外の動きしたら即制圧」
と言うよりアパートから出たら制圧すると脅迫してある。
「素直に言うこと聞く?」
「好きな人に嫌われたくないとかいう心理が働いてくれることを願う」
「それはさておき、潜入班から通知、2月14日にtgzが動く」
先程まで電話で席を外していた悠課長が戻ってくる
「何処?何する気」
ここで最悪なお知らせが来る
「場所は大阪府、出張で大阪に来ている担任教員と教頭の殺害予告」
「なるほどねぇ…」
面倒な案件を持ってきた
「想乃に言うなよ?」
「言わねぇよ」
0:00に想乃を確保からの教員立ちんの護衛という形になるだろう…つまりオールで戦えと言うことだキツイ




