栗鼠
歩ければ、何かを踏んだ。
「おい!どうしてくれるんか!」と、足元から声をした。
見ると、なんやら小さい栗鼠がお手を腰に当てて、怒った様子で砂雄をしかる。
足を上げると、踏み潰された栗を見た。
「あっちゃ!ごめん申し訳せ!」
「弁償しなさいよ!」
「しかし砂雄、身に一文無し、どうしたものやら…」
「一文無し!?」栗鼠の尻尾は真っすぐに砂雄を指す、「噓だ!兜を売って弁償しなさいよ!」
「なりません!この方は、友人であって…」
「噓だ!」
栗鼠は砂雄の足元に近付き、裾を爪先で掴む。「逃がさないからね!」
砂雄は腰を下して、「ご冷静になされ…」と声を掛けると、栗鼠が悲鳴を上げて逃げた。
「猫!猫の匂いする!」
袖を見ると、黒い猫の毛が一本付いてる。
「分かった!君はあたしを捕まえて猫にあげるつもりだな!!」
「とんでもない!栗鼠さん、これは…」
「知らないわ!」
取り込みながら、馬の蹄の音を聞こえた。見上げると、でっかい帽子を被っているご老人が馬の上に座って、やって来た。
「魔法使いさん!助けて!」
「違います、ご老人、これは…」
二人の話しを聞いたら、魔法使いが大笑いした。
「栗鼠よ、よく見てみ?栗は本当に潰れたのかい?」
見れば、栗は何ともなかった。割れ目一つもなく、潰れなかった。
「あれ?砂雄は確か…」
魔法使いは砂雄の言葉を遮った。「栗鼠よ、これでよろしいか?」
栗鼠は礼を言って、栗を抱いてすぐに消えた。
「ありがとうございやす、魔法使いさん。」
「はっはっは、まだ会おう、異郷の旅人よ。」魔法使いは帽子を揺らしながら去っていた。




