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黒い猫
歩ければ、手に持っている兜は突然重くなった。
見ると、一匹の黒い猫が入ってた。
あくびしながら、猫は砂雄を見る。「おやすみ。」猫は言った。
熟睡している猫を見ると、起こしたら可哀想と思って、砂雄は兜を両手で抱え、胸元に当てて固定した。
もうちょっと歩ければ、突如にくしゃみを聞こえた。
立ち止まり、見回すと、誰もいない。ここにいるのは砂雄と猫しかいない。
猫を見ると、スヤスヤと寝ていて、何一つ音を立っていない。
まだくしゃみ。再び見回すと、相変わらず誰もいない。足元も何かの小動物もない。
「ハクションッ!」
今回は見えた。兜の下から青い煙が噴き出して、一緒に出たのは些かな猫の毛。
「ごめん、くすぐったいので。」
小さい声が猫を起こさないように砂雄の耳元で響いた。
「騎士さん、猫に苦手のやら?ごめん申し訳せ。」
「いいえ、好きだが、あいにくアレル…ハクションッ!」
息が猫の背中に吹いて、毛が逆立ちになった。撫でようとした砂雄が手を兜の中に入れると、猫はもういない。
首が痒い。黒い尻尾が砂雄の目の前に過ぎて、振り返ると、鼻の近くに残したのは漂う黒い毛。
「ハクションッ!」




