酒の縁
とってもとっても昔に、ある男がいた。噂によると、彼が産まれた時泣きわめいなかったので、母に死んだと思われ、海辺の砂の中に埋められそうになった。埋められた時、砂が彼の口の中に入って、彼はその砂を母の顔に噴き出したという。だから「スナオ」、いわゆる「砂雄」と名付けられたのであった。
今年の砂雄はもう二十歳、ただの農夫。
毎日日が昇れば畑に行って、月が昇れば家に帰る。今日もそうだ。
歩ければ、川から泣き声を聞こえた。見に行ったら、山のような大きさを持った化け物がいた。赤い鱗に蜥蜴の頭、翼があるが飛べずに川の真ん中で涙を垂らしている。
砂雄は大胆な人だ、川の岸辺に立って、大きい声で訊ねた。
「なににお泣きになられて?」
化け物は岸辺に近付く。「ワシはこの地に美味しい酒がおると聞きして、わざわざ言語も学んで来ておったが、まさか売り切ったとは、いやはや…」
酒。砂雄が思うと、家にまだ開いてない酒がある。ここで待ってと化け物に言って、砂雄が家に酒を取りに行った。
川に戻るになると、もう深夜。化け物は顎を岸辺に置き、キラキラした目で酒を見ている。
眩し光がすると、砂雄の目の前に美しい少年が現れ、化け物はいなくなった。少年は豪快な飲むぶりで、酒をあっという間で飲み干した。
「良い酒だ!」少年は大笑いして、「礼を言おう、何が欲しい?」
「安い酒で、お礼をもらってはおけぬ。」
砂雄は少年の提案をことごとく断って、やがて少年が困ったのように頭を傾いた。
「そうじゃ!ワシの故郷を見せしよう!美しいぞ!」
少年は指で砂雄の喉と耳に円を描いて、砂雄を川に押し入れた。
川から岸辺に登ると、砂雄の目の前にはもう最初の世界じゃなくなった。
丘、山、奇妙な建物…
…ま、とりあえず歩こう。




