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レトロゲーム グダグダ駄話

レトロゲームに関する取り留めの無い駄話です。

挿絵(By みてみん)普段、レトロゲームゲームを行う際にはレトロフリークを使っています。

ただ、見た目にもこだわりたいので当然、カートリッジは外しています。レトロフリークって、本体だけならタバコの箱をちょっと大きくしたくらいしかないので、ソフトを吸い出す時だけカートリッジをUSBの延長コード2本で繋いで接続するようにして、普段は本体だけ置くようにしています。

更に、この本体の見た目もプラスチック製なのでデフォルトだとショボくて、私の部屋の雰囲気と全く合わなかったのでプラ製の殻を外して、ラックスマンのアンプ風に上下左右をホンジュラスマホガニーの無垢材で蜜蝋オイル仕上げ、正面と裏板をブラス板を削り出しで成型して、ブラスの四つ足インシュレーターを付けました。見た目は完全に小さなビンテージラックスマンのアンプ仕様となっています。但し、正面のロゴは旧ロゴのHITACHI。排熱穴にはブラス網が張ってあります。

この『謎のゲーム機』のコンセプトは『もしも、40年くらい前のままの時代センスで技術だけ進化を遂げた現代があったなら』。

私自身、ギター職人や指物で東京都認定の伝統工芸士なんて職をやってきた歴があるので、レトロフリークなんていうオモチャの造形も最上の素材と技術を使って極上の工芸品インテリアになるよう仕上げなければ部屋に入れたくないという思いがあって、遊びで作ってみただけです。

ここからゲームをするにしても当然、レトロゲームの性能を最大限に引き出して、その限界値を見たいという思いから、ゲーム環境も整えました。

始めに、モニターは詳しくないので、とりあえず近所のPC-デポに行って店頭で比較して、とにかく一番綺麗に見えたGiga Crysta というモニターを購入して使っています。

モニターへの出力はAVアンプ DENON AL-24を介して色調を補正して、音質もこのアンプで出来るだけオリジナルの出力を崩さない程度に補正をかけて音を出しています。

音質に関して、ここで一つ大きな選択肢がありまして、一つは『子どもの頃にゲームをした環境(音質)を再現する』か、『ゲームのカセット内にある音源を最大限に引き出す』か、の二択は、その時々の気分次第でもあり、永遠に答えは出ないであろう悩みとなるでしょう。普段なら音質を限界まで上げた方がそりゃ良いですし、薄曇りの午後や雨の日曜日などにくだらないゲームをダラダラやるなら昔っぽい音でやった方が雰囲気が出る。特にゲームボーイのソフトなどはジャキンジャキンにクリアな音にするより、ちゃっちい音の方が断然良いです。なぜならというか、ゲームボーイソフト然り、SFCソフトなどの音源データってショボいテレビに付いているスピーカーで再生される事を前提にEQ調整されているため、モニタースピーカーなどで全フラットで再生してしまうと高音と低音が過剰に出てしまう過激なEQセッティングにデフォルトされています。当時のテレビに着いていたショボいスピーカーで丁度いい音にするにはこれくらい過剰な高音と低音のブーストが必要だったのでしょう。それを見越してのセッティングだったのでしょうけど、SFCの音源などはサブウーファーなど繋いだらビックリするくらい重低音が出るのでご注意を。

そんなゲーム環境ですが、映像に関しても音に関しても、目的が明確であれば構築するのはそれほど難しくはないです。

映像に関しては、レトロフリークにデフォルトで『ブラウン管風に少しぼかして映す』映像出力フィルターや、映像データを余すことなく最大限出力する設定があるので、MAXの解像度に対応している現代のゲーミングモニターならMAXキレイからぼかしてまで全対応出来ます。しかし、音に関してレトロフリークは1通りの『全出力』しかないので、音質を操作するにはある程度の設備が必要となります。

まず、音質をいろんなパターン出せるようにするにはモニターと同じく『MAXの音質を出せる』というのが絶対条件になります。

私の場合、スピーカーユニットにPARCの通称8cm青パーク『DCU-F103W』を使い、それを『YAMAHA NS-M525』の箱の背面バスレフを埋めて正面にバスレフポートを取り付けた箱に納めて 『Technics EAS-9HH40NA』を乗せたものをメインに使っています。ネットワークは『ジャンセン スペリオールZカップ 2.2μF』と『 ムンドルフ L140 0.16Ohm 0.39mH』で、アッテネータも固定抵抗も敢えて噛ませない16Khクロスにしました。これにFostexのサブウーファーを付けて音出ししています。

これだとハッキリ言って普通にCDを聴いたりテレビの音を出したりすると高音がキツ過ぎて少し聴き疲れする仕様ですが、SFCのゲームなどは、これくらい過激な仕様が一番気持ちが盛り上がる感じがしますし、何より『全ての音が出ます』。

このように余すところなく全ての音が出るようにしてから、例えば『昭和のブラウン管テレビ風にしたい』とか思えば、『ゾーベル回路』という『特定の音域を籠もらせる(吸収する)ような回路(コンデンサなり抵抗なり)』をアンプとスピーカーの間に挟む(噛ませる)ようにして、その回路を通るか迂回して通らないようにするかのON-OFFスイッチを付ければ良いだけなので、後は簡単。要は最初に『全部の音を余すことなく出せる』設備を作るのが一番難しいところとなります。

この『ゲームデータ内の音の再現性』を求めるのには10年近くの時間を要し、1,000万円ほど浪費しました。ブックシェルフサイズのスピーカーだけでもプレハブ一つが天井までぎっちり埋め尽くされるほど買いましたし、自作スピーカー用の木材も材木屋でひと儲け出来るんじゃないかってくらいあらゆる唐木が倉庫に積んであります。

PARCのメインユニットにしても、101Wの方がレスポンスが良くて軽快な鳴り方をしていたのですが、ツイーターとの相性が良くなくて結局F103Wに落ち着いたという経緯や、DALIはダブつく、ONKYOは霞掛かってる、DENONはゴリゴリしてる、B&Wは薄い、JBLはチャラい、YAMAHAはのっぺらぼうなど、あらゆるメーカーの音を実際に買って聴いて試したりしていたので、とんでもない浪費となってしまった次第です。

しかしまぁ、そこまでやって辿り着いた結果なので、今の環境に満足はしています。

ただ、この音響性能をフルに発揮してゲームをやってしまうと、まるで解析でもしているかのようにゲーム開発時の『苦労』というか、苦肉の策というのがまざまざと見えてしまうソフトというのもあります。

例えばですが、先日クリアしたロマサガ2などは、戦闘画面でSEが入るとSFCで可能な同時発音数を超えてしまうようで、コマンド選択中や攻撃の効果音が出るシーンになるとステレオの片側のBGMが消えて片側からはSE音しか出なくなる、物凄い違和感のある音響に切り替わるときがあります。でもコレなんかはホントに良く考えられてますよ。モノラル出力にしてしまえば左右の音が出力段でミックスされるので全く分からない仕様ですし、当時子供部屋に置かれていたような小さなテレビのようにスピーカーが片側に一個しか付いていないようなテレビであればステレオ音源でもミックスされて一個のスピーカーから音が出るので全く気が付かない仕様です。こういうのを見ると、当時、最大同時出音数ってステレオの左右別だったんだなって事が分かってきます。例えばモノラルで最大同時出音数が8だったら、ステレオなら左右で各8音出せるから同時に16音重ねられたんだなぁ、とか、そう考えるとステレオって恩恵がでかいなぁ、とか。

あと、ロマサガ2の最初の酒場のシーンと、GBA MOTHER3のフィールドの虫の声、今ハッキリ分かっているのはこの2作だけですが、この2つのシーンに使われているSEには『左右逆相』っていうすんごい裏技が使われていて、SEの音源だけステレオの右と左で音源の位相が逆になっています。これ仕込んだ人、音響に相当詳しい人だなって感心します。

普通の音源をスピーカー左右逆位相で繋ぐと聴覚的に音が自分の上下左右の全方向から聞こえて来るような、超立体音響に聞こえてしまいます。凄いって思うかもしれませんが、実際には超気持ち悪いだけです。オーディオの業界では音の『定位』をいかに再現出来ているかっていうのがオーディオ機器の善し悪しを判断する一つになり、例えばホントに良いスピーカーやネットワークを繋いでテレビの音などを出したとき、私の場合、めざましテレビを観て、各アナウンサーの声がちゃんと画面に映っているその各口元の位置から出ているように聞こえるように、右に立つ人の声はちゃんとその人の口元から声が出ているように、左に立つ人の声もちゃんとその人の口元から声が出ているように、原稿をめくる音はちゃんと手元位置から聞こえるようにと、『定位』っていうのは目を瞑っても、ちゃんと誰がどの位置にいるか分かるくらい音の位置とピントを合わせるって事で凄く重要な事で、これがより合っている物ほど『良い物』とされています。当然、定位がバッチリ合っているスピーカーセットでスタジオライブの音源などを目を瞑って聴けば、各楽器の立ち位置やボーカルの背の高さなども感じ取れるくらい生々しく聴く事が出来るようになるものです。なので、逆にその定位を限界まで散らしたものが左右逆相で、全ての音が上下左右から同時に耳に入ってくるという感覚は非常に気持ち悪いもので、立体音響とは似て非なるものとなります。普通なら。それを一部のSEの音だけを逆相にしてプレーヤーの周囲に撒いておいて、通常の音は正相で普通に出して、その差異で音に立体感を出すって、よく実装したものだと感心します。

実は私も数年前に自分のYouTubeのチャンネルで朗読をやっていた時に、この逆相の手法を使って雨の音を入れたりした事があり、その時に『この立体音響手法は新発見だ』なんて思っていたのですが、既に90年代前半には使われていたと知る事が出来ました。

逆相の音源はゲームの音源でも普通の音源でもガチガチに調整したスピーカーで聴くと、まるで水の中で音を聴くような、綿で耳を塞がれたような、不思議な耳触りが体験できるのでそれはそれで面白いものです。

たかだかゲームの音響とはいえ、こんな変態的な手法まで導入して開発していたんだなと思うと感慨深い。

そんな当時の開発者の熱意を最大限読み取れる機材を用いて余すところ無く隅の隅まで見たり聴いたりしてあげて、始めてそのソフトの真意を知るというか、想いを成仏させているような感覚になるというか…

あぁ…、眠くなってきた。明日は早いので、今日の駄話はこれくらいにしておきましょう。

おやすみなさい。

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