ゲームの中なんて楽勝
チートコードとは、シングルプレイに限り、特定の文字やコントローラの操作で行う合法チートである。
INFINITE POSSIBILITIES ONLINE
通称インポシ
ゲーム序盤は15歳からスタートし、洗礼を受け最初の職業に就く所から始まる。
見習い期間中は職業に合った師が付き、初期スキルがレベル5になるまで続く。
それ以降は職業に合った道を進むか、新たなスキル、職業を求めて畑違いの道を進むのも可能。
スキルの取り方一つで様々な職業に就け、勇者や賢者は勿論、教皇や国王、皇帝も習得でき、戦争で領土拡大なんてことも出来てしまう。
このゲームは|INFINITE POSSIBILITIES《無限の可能性》があるのだ。
そんな神ゲーを購入したが、友達もいない俺、神無月夜人はシングルプレイを楽しんでいる。
全てのチートコードを暗記して神話級の職業に就いては無双する。
その日はいつも通りにアップデートがあった。
アップデート内容を確認する。
「マジか…シングルプレイの廃止か…」
このゲームのメインコンテンツであるオンラインに集中する為なのだろう。
しかし、発売から何年も時間を掛けたデータが消える事になって、言葉を失った。
呆然としながらもいつも通りにゲームを起動する。
「仕方ない、人数の少ないサーバーでのんびりやるか…あれ?シングルプレイが選択できる。まだ消えてなかった?ラッキー」
シングルプレイを選択した瞬間、俺は部屋から姿を消した。
「…。いつの間にか寝ちゃってたな」
「ヨルト、起きなさい。今日は洗礼式でしょ」
「洗礼式?」
「何言ってるの?寝ぼけてるの?」
なんだ?見覚えがあると思ったらインポシの実家じゃないか?
どう言う事だ?
ゲームの中に入り込んだ?
まさかのラノベ展開?
ゲームでは、今日は洗礼式と言われる、しかし、このまま夜になって寝て次の日になっても今日と言われる。
その間にレベルとスキルを上げて上位職業になるのはこのゲームでは当然のことなのだ。
だが、ここがシングルプレイなら。
「ステータスオープン」
出た。
ステータスボードの下にはキーボードが出る。
それはゲーム画面でも見えていた。
何のためなのかわからなかったが、ゲームの中にいる俺としては有難い。
キーボードを操作する。
Give Item Weapon Sword 500 1 0
簡単かつ、よく使うチートコード、入力したアイテムはインベントリーに入る。
数字はクオリティ 数 設計図有無
クオリティは0〜1000、下から見習い級、職人級、上級、最上級、名工級、至高級、伝説級、神代級となる
クオリティ500は最上級〜至高級の品が出てくる。
今回出た鉄剣は至高級だった。
次にGive SP 5000
スキルポイント5000が入る。
先ずは見習い剣士、見習い魔法士をレベル5まで上げる。
すると新たな見習い魔法剣士、中級魔法士、中級剣士になる。これをレベル5まで上げる。
すると、見習い上級魔剣士が新たに追加される。
「ゲームと同じだ」
スキルは主に職業に関連する。
見習いは、その名の通り師事する事で見習いが取れる。
見習いが取れるとそこからはスキルポイントでレベルを上げ強くなる。
派生スキルもあって、全てをレベル5まで伸ばすと職業レベルが上がる。
職業レベルは最大10レベルである。
このレベルは本人のレベルEXPとは違う。
これはモンスター等を倒す事により得られる。
勿論、EXP取得コマンドもある。
洗礼を受ける為、教会へ入る。
「ヨルトよ、洗礼を始めよう。よいか?」
「はい」
「森羅万象の創造神アルファよ、生と死を司る運命の女神ベータよ。神の子が今日、洗礼を受け成人となりました。どうかご祝福ください」
エフェクトとして見ていたが、現在の俺は神々しい光に包まれた。
「おお、この村から上級職が出たか。ヨルトの職業は見習い上級魔剣士だ。上級はこの村にはいない。隣街へ行きなさい。武器と装備の用意はしっかりとしなさい」
神の名がアルファとベータってガンマやベータもいるのか?
因みに、職業は下から職業名のみ、中級、上級、最上位級、名人級、至高級、伝説級、神代級となる。
一つの職業を上げても至高級までしか到達出来ないが勇者と賢者のように、魔法士と剣士、魔法と治癒士を極めた職業は伝説級となる。
オンラインでは、現在伝説級までしか上げられない。
レベル上限と、それによって貰えるSPも上限がある。
シングルプレイのオフラインは設定でレベル上限をオフに出来る。
この世界もオフだといいが…。
洗礼式を上級で止めたのは、最上級クラスからは、国の預かりとなり、この国の騎士や聖騎士、魔法師とならなければならない。
勿論、抜ける事も可能だが、クエストをクリアしていくと、将軍クラスとなり、貴族位も得らてしまう。
大規模なクエストではオンラインゲーマーの将となって、俺たちに命令できるのだ。
最高難易度だが、国取りも可能。
好んでそっちに行く人はいる、しかし、俺は冒険者となる事の方に魅力を感じるのだ。
街を出て、隣街へと進む。
遭遇する敵はスライム、ゴブリンなのでパス。
レベルはチートコードでレベル10に上げてある。
隣街はゴーディル、最初の町に比べると栄えている。
通りには商店や宿屋が並ぶ。
師となる人は直ぐに見つかった。
「こんにちは。見習い上級魔剣士のヨルトです」
「待ってたぜ。俺はダゼ。早速だが、外でお前の動きをみせてもらうぜ。楽しい楽しい試験だぜ」
「はい」
外に出るとゴブリンが襲いかかってくる。
剣を抜くとゴブリンに斬りかかる。
「ギャー」
「ゴブリンを一撃とは恐れ入った。次は魔法だぜ」
スライムが襲いかかってくる。
初級魔法火球
「魔法も十分な威力だぜ。教える事は無いぜ。最後の試験は、西南にある初球の塔のダンジョン後略だぜ。階層ボスはポイズンスライムとボブゴブリン、ゴブリンソルジャー、最上階のボスはオーガだぜ。後略ポイントはレベルを上げながらいけ、因みに踏破レベルは15だぜ」
「了解」
「これを持っていけ、見習い級HPポーションと見習い級MPポーション、見習い級解毒ポーションだぜ」
「ありがとうございます」
街を出る前にチートコード
Give Item Consumable Portion 500 10 0
Give Item Consumable MP Portion 500 10 0
Give Item Consumable Detox Portion 500 10 0
で念のための至高のHPポーション10、名工のMPポーション10、名工の解毒ポーション10を手に入れた。
Give EXP 5000
で、レベルを20、余っているSPで見習い上級魔剣士をレベル10にする、これで職業は上級魔剣士になった。
中級魔法士と中級剣士も上級すると、上級魔法師、上級剣師が現れる。
「よし、これで初球の塔は楽勝だな」
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