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弱い鹿

 昨夜は結局アクセスログが一件あったのみで、高見さんからのコメントは何も無かった。

 それだったらいっそ、高見さんには風邪を引きっぱなしでいて欲しい。そんな祈りもむなしく今朝学校に向かうと教室にはまるでいつもと変わらない高見さんがそこにいた。


 おーい、江藤くん。


 高見さんは教室の片隅から口だけそう動かしたあと、ぼくに小さく手を振ってきた。

 そんな様子を見て川原はぼくの席にニヤリと笑いながら近寄ってくる。

 川原はポンとぼくの肩に手を置いた後「じゃあ、放課後よろしくな」とだけ言って廊下にたむろっている取り巻きの元へ向かった。

 ぼくは小さく息を吐き席を立ち高見さんの元へ向かう。

 どうしたの? というように首を傾げる高見さんに僕はそっと耳打ちをした。

 そんなぼくらの一連の流れを見てだろう、廊下から川原の勝ち誇ったような笑い声が秋風に乗って聞こえてきた。

 ほんのわずかな金木犀の香りが教室に吹き広がっていく。

「もうすっかり秋なんだね~」

 何も知らない高見さんはそう言ってニッコリとぼくにだけ微笑みかけてくれた。

次回更新分で終わりです

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― 新着の感想 ―
[一言]  う~、どうなっちゃうんでしょう。  高見さんもあまり倖せな娘じゃないから、これ以上キズついて欲しくないですう。(TT)  
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