西のダンジョン 潜入開始
丘の途中にこんもりと土を盛り上げて作った
トンネルの入り口のような穴の中から、
機械兵士に混じって魔物も湧き出てきていた。
魔物は猪型、狼型の魔物が群れて出てきていた。
フライングユニットを装着したセブンは、
一旦さがって武器類を錬成し、魔物と機械兵士の
殲滅を狙っていた。
対機械兵士用の兵器を使うため、高度をあげていた。
「まずは狼型と猪型の魔物の群れからやるかな。
肉やら素材が取れるらしいから大事にいくかな。
冷凍弾 発射! 」
フライングユニットの翼からミサイルが発射された。
弾頭には有効半径300mをマイナス100度の世界に変える
凍結剤が詰まっている。
空中で破裂した弾頭から凍結剤が散布され、
魔物の群れは冷凍標本に成り果てて行く。
「よし、鮮度バッチリのお肉を仕入れましたよっと。
さて、お次は旧式の電脳兵もどきだな。
防御シールドもなさそうだし、一撃かな。
クラスター弾 発射!
続けて
ハイパーEMP爆弾 投下!
シールド展開しつつ、ちょっと上昇っと。」
機械兵士の塊に向けて、外装に傷をつけるクラスター弾を
ぶつけ、その傷の隙間から電磁波パルスを潜り込ませて
サージ電流で回路を焼き切ろうという魂胆だ。
パーン!パパパパパーン!
クラスター弾の閃光と破裂音が連続して響き渡ると、
一呼吸開けて、
ポンッ という炸裂音だけが響いてきた。
途端に機械兵士の塊は痙攣するような異常な動きをした後、
煙を吐き出しつつ、全機その場で動きを止めてしまった。
高度を下げながら、セブンは塊の状態確認を実行していた。
「よし、機能停止確認。
冷凍肉と一緒に
収納 ! 」
ダンジョンから出ていた大まかな群れと機械兵は
綺麗に消え去っていた。
先行して出てた魔物は冒険者に任せることにして、
内部への突入を行うため、フライングユニットから離脱し、
地表すれすれの高さでバーニア移動を開始した。
(暗視モード、ステルスモードで潜入開始っと。)
ダンジョンの入り口を越えると
体にも歪みが感じられた。
ダンジョンの研究家によると、
異空間に転移している、繋がっているということだ。
このため、入口の先がどうなっているかは、
入ってみないと分からないのだそうだ。
洞窟のところもあれば、森の中のところもあったり、
砂漠や草原といった、ダンジョンの外の世界とは
無関係の場所になっているのだという。
目の前には無機質な金属製らしき機械だらけの構造物が
並ぶ異様な世界が広がっていた。
空は黒い煙で霞んで薄暗く、劣悪な大気環境のようだ。
そこらじゅうで機械が大きな音を立てて忙しく動いているようで
騒音も酷そうな普通の人が住めそうにない世界だ。
(なんだこれ?
こんな機械化都市の何処から魔物出てきたんだ?
っと、正面のゲートが開くのか。
横に移動しておこう。)
ステルスモードになっているので、
まず見つからないとは思うものの、
念のため横の壁際まで移動してみたのだった。
ガーーーッ!!
金属製の蛇腹のようなゲートが横に開くと、
中から身長3m近い、額に黒いツノがある鬼としか言えないような
魔物が巨大な棍棒を持ってゾロゾロと歩いて出てき始めた。
(オーガっていう鬼人系の魔物か。
魔法を使うとか、ヤバそうだな。
スペースチタンブレードで暗殺しておきますか。)
50体近いオーガの群の最後尾から順に
セブンの腕のスペースチタン製ブレードの餌食になっていく。
全滅させた後、先ほどのゲートの奥に侵入することにし、
レーザーセンサーなどがないか確認しながら接近し、
蛇腹を少し切り裂いて、その間に体をねじ込んで
内部への侵入を果たしたのであった。
(ん? 今度は森の中になったぞ、
なるほどこれがダンジョンか。
面白いな。っとまたお客さんか。)
その森の奥からのしのしと歩み寄って来る一団があった。
金属の煌めきを見せる角張ったブロックが積み重なって
出来ているゴーレムのようだ。
(おっ、こいつらが本物の
メタルゴーレムって奴じゃないのか?
なんかお仲間を倒すようで嫌だけど、
やりますかね。)
頭部のブロックの隙間にスペースチタンブレードを
差込み、切り落としていく。
100体近いブロックの塊も全てアイテムボックスに
収納したセブンは、さらに奥に進んで行くのであった。
どうやらこのダンジョンは一定距離を移動すると
別の場所に切り替わり、出現する魔物も変わるようだ。
(おっと、バグドローン経由で
ここまでの情報をギルドに連絡しておくか。
ドローンちゃん、ここは俺に任せて
ギルドに戻るんだ。いいな、振り返るなよ。)
そう、余計なフラグを立てるようなことを思いつつ
セブンはテントウムシ型のドローンに映像情報を入れて
元来た方向へ移動させるのであった。
「みなさーん、先行しているセブンさんから
ダンジョンの情報入りましたので、
近くのモニターを見てくださーい。」
ギルドの受付嬢はドローンからの映像とデータの情報を
ギルド内に設置されているモニター画面にアップして、
内部で待機している冒険者に注視するよう声をかけた。
「うわっ、これ防毒マスクとかいるよな?」
「ビッグボアとキラーファングを
さらに大きくした魔物か、
狩り甲斐がありそうだな。」
「ヤベェなおい、お前にはオーガは無理だろ。
俺なら一撃だけどよ。」
「メタルゴーレムだと! しかもミスリル銀製!!
行くしかないだろ、これ!」
安全を考えるもの、一攫千金を狙うものと
情報の捉え方は様々だが、冒険者達は
みなダンジョンに向かうのは間違いないようだ。
「みなさーん、周辺地域で暴れている
ダンジョン産の魔物情報もアップしましたー。
ダンジョン内だけでなく周辺地域の討伐にも
参加お願いしまーす。
討伐対象の魔物の証明部位もアップしていますので
見てくださーい。
あと、素材も持ち帰ってもらえたら、
ギルドでも買い上げますのでよろしくお願いしまーす。
空間魔法袋のご入用の方は
受付カウンターでも販売していますので
ご利用くださーい。」
モニターに情報がアップされると、
ギルド内はより一層賑やかになっていった。
(今度は砂漠か。
あれは、さっきの初期型電脳兵か。
どこから出てきてるんだ?
急に湧いているように見えるんだけど?
まだ先は長そうだな。
追加の錬成しておくか。)
ポンポンと沸くように出現してくる機械兵士を見つめながら
徹甲弾を錬成するセブンであった。




