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法門を開きしもの

荒れ狂うシヴァの前に三面六臂の魔神、

金剛夜叉明王が顕現した。


 「セブンが、セブンがっ!!」


パイロはセブンが変化した異様な魔神の姿に

怯え、へたりこんでしまった。


そこへフライングユニットを装着したサラが

駆けつけて来た。


 「あれは、あのお姿は金剛夜叉明王様・・

  セブン、あなたは禁術の陰陽術を、

  金剛牙の印を結んでしまったのね。」


神龍が去る時に雨は止んでいるが、

サラの頬は濡れていた。


禁術の金剛牙の印を結べば、その者の命と引き換えに

法門が開き、魔神を顕現させる事ができる。


セブンはシヴァを止めるため、後先考えずに

代償の大きな術を行使することを選んだのだった。


 「ふんっ!!」


金剛夜叉明王の拳がシヴァを打ち据え、

地面に引き倒すとすぐさまその背に足を乗せ、

金剛鈴を突き刺した。


シヴァの背から金剛鈴を引き抜くと、

黒い塊が一緒に抜け出して来た。


その塊を金剛杵で打ち据えると、

淡い光となって散っていったのだった。



 「くっ!スルトまでも!!」


金色の金剛陣に取り込まれたロキが呻く。

さらに何かを引き出そうとした時、天空の高みから

白い光が金剛陣に突き刺さって来た。


 「ここまでだ、ロキよ。

  神界へ連れてゆく。

  騒がしたな、セブンよ。

  どれ、我の加護の力、

  今こそ授けよう。


  さらばだ。」


主神は金剛陣に囚われたままのロキを伴い、

慌ただしく光と共に消えて行った。



スルトの呪剣から解放されたシヴァの狂神化が解けると、

うつ伏せたままの姿でパイロと同じ背格好に戻った。

  

その姿を見てから金剛夜叉明王も

淡い光となって消えて行った。




サラは瓦礫の街にへたり込み、

項垂れて静かに涙を零し続けていた。


 「サラさん、セブンは?セブンはどうなったの?」


パイロはシヴァを抱え起こして肩を貸しながら、

サラの方へ戻って来て、そう聞いて来た。


 「セ、セブンは、・・・セブンはもう・・」


そう言いながら顔を上げたサラの目線の先で、

青い炎が沸き起こり、見慣れたアーミースーツの男が現れ、

そのまま倒れ込む姿が見えたのだった。


 「セブン!」


サラがフライングユニットのバーニアを噴かせて

駆け寄っていった。


よろよろとセブンは立ち上がると、

サラに向かって手をあげていた。


 「ばかっ!」


サラは全力でセブンを平手打ちした。

セブンは避けずに受け止め、謝り始めた。


 「いや、ごめんサラ。

  あの状況だとあの手しか浮かばなかったんだ。

  まぁ、主神様の御加護の力で何とかなったから

  今は許してくれ。」


 「どうして、あなたは自分の命を

  そんなに簡単にかけるの!

  法門を開く禁術を使えば、

  死ぬってわかっていたでしょう!?

  何処まであなたは私を・・・」


 「後でいっぱい説教聞くから、

  今はちょっと一緒に飛んでもらえないか?

  早いうちにこの街の人達も街並みも戻したいんだ。

  頼むよ。」


 「・・・分かったわ、今はその方が優先ね。

  タンデムで飛ぶわよ。」


涙を振り払いながらサラは

セブンとのタンデムジョイントを始めるのであった。




 「あれ?シヴァ様の傷が治りきらないんだけど

  なんでだろ?」


 「これは呪いの代償じゃろう。

  数百年もすれば消えるのじゃ。問題ない。」


 「いや、あるっしょ!数百年って。

  しかもどう見ても痛そうだし。

  サラさんの浄化でなんとかならないかな?」


 「パイロよ、いいのじゃ。

  これは未熟な私への罰じゃ。

  このくらいの痛みも分からぬようでは

  立派な破壊神とは呼べんのでな。」


 「いや、立派な破壊神にならなくてもいいっしょ!

  嫌だよ、痛そうなままの姿って。

  かわいそうだよ。」




 「うーん、困ったのだわ。

  私の浄化も効かなかったのだわ。」


 『サラ、世界樹の精霊様がおいでって言ってるよ。

  そのまま東の森に向かって進めば

  誘導してくれるんだって。』


拠点にいるクロから

バグドローン経由で連絡が入って来た。


 「何かしら?

  何かあったのだとしたら

  急がないといけないのだわ。」


パイロのフライングユニットも到着したので、

シヴァをパイロが抱えて一緒に行く事になった。


サラとセブンがタンデムで飛んでいる。


 「パイロ、あの2人は夫婦かえ?」


 「えっ?どうなんだろ?

  義理の姉弟って話なんだけど。」


 「義理でなくとも、

  姉と弟で夫婦になっても良いじゃろ?」


 「いや、義理じゃなかったらヤバイっしょ。」


 「なぜじゃ?よくある事じゃぞ?」



 「な、なんの話をしているのかしら、

  あの2人は。聞こえているのだけれど。」


 「まぁ、義理だったら問題ないよな、普通。」


 「セブン、あなたまで何を言ってるのかしら。

  ここで降りたいのかしら?」


 「いやいや、俺も調整必要な状態だから、

  病人みたいんもんだから、労って欲しいんだけど。」


 「なら、変なこと言わないことね。」


プイっと赤い頬のサラが横を向いてしまった。


そうこうしている間に、2機のフライングユニットは

森に入り、何かにグッと引き寄せられる感覚になったと

感じた途端、目の前に雲を越えて立っている巨木が見えた。


 「「「世界樹」」」


あまりの大きさに驚くセブン達であった。


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