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予兆

セブンの 完全回復 で本来の姿となった

神龍が9つの頭で歓喜に震えていた。


 「神徒セブンよ、心底から感謝する。

  まさか本来の姿を、力を、

  取り戻せる日がこようとはな。」  


 (凄いな、真ん中辺りの首だけ

  がっしりしてて色も濃くて綺麗だな。

  暴走を恐れていた神龍様だけど、

  問題なさそうだな。)


 「どういたしまして。

  神龍様、本来のお力とは?」


 「うむ、我は遠い昔ではあるが

  禍を払い、恵みを齎す龍であった。

  ここであれば、浄化と天候魔法が

  使えるような存在といえよう。


  呪いの聖剣を飲まされてからは

  力が抑えられず暴走しておったのだ。


  ここに召喚された際にも

  ノルン様には本来の力を抑え、

  天候魔法だけ使えるようにと

  主首を落とされたままの姿で

  この地を見守ることとなったのだ。


  我はその姿を見られるのが嫌でな。

  結界で見えないようにしておったのだ。


  この姿ならば見せられる。

  神徒セブンよ、そなたの魔法で

  心の中まで回復されたようだ。


  重ねて感謝する。」


 「いえいえ、これは私の力ではなく

  ノルン様のご加護の力ですので

  お礼ならノルン様にお願いします。


  神龍様、元気になられて早々で

  言いにくいんですが、

  天候の方をどうにかできると

  有難いのですが。」


ふむと神龍は少し考え、

こんな提案をしてきた。


 「我だけでも良いのだが、

  神徒セブンよ、

  そなたの神気の水を混ぜると

  弱っておる生き物には

  効果覿面となろう。


  どうであるか?

  合唱魔法を使わぬか?


  何、簡単なことである。

  我と同時に魔法を発動すれば良い。

  我が範囲を広げれるのでな。」


 「えっ?でもさっき主神様に

  使い方に気をつけよって

  言われてましたが。」


 「あれは遠回しに教えてくれておるのだ。

  主神様ともなればそうそうこの世界に

  干渉できぬのでな。

  忠告ともとれるが、

  進言ともいえよう。」


 「なるほど、色々事情があるんですね。

  分かりました。私の魔法で良ければ

  こちらこそお願いします。」


 「うむ、では、始めよう。

  かなり魔力を持っていかれるが、

  死ぬようなことはない。

  2,3日寝ておれば済む程度だ。」


(えっ?それって結構生死の間彷徨うような

 ヤバめな感じがするんですけど。)


 『セブン、骨は拾ってあげるのだわ。

  全力を出し切るのよ。

  オールアウトの精神は美しいのだわ。』


 『いやいや、俺の体だけ

  オールアウトになりそうなんだけど。

  って、骨拾うって、骨ないんだけど。』 


 『いいから燃え尽きるのよ、美しく。』


(どんだけ燃え尽きさせたいんだよ。

 やりますよ、やりますとも。)


 「良いか? 神徒セブンよ。


  では、参る。」


神龍は短めの手を組んで聴きとれるかどうかの

小さな声で唱え始めた。


 「・・・・・&・#・x;・・

  アナヴァ・・・」


(あれは、印! はっ、俺も結んでた!

 いつからだろう?

 お養父さんにかなりしごかれたからな。

 無意識でも結べるまで。

 やるか。」


 「 天空の瀑布 !

  我、天道武人が願い奉る、

  おおいなる水の神よ、

  我に力を添え給え!」


両手でしっかりと印を結びセブンが

天道家伝来の陰陽術も行使している。


その姿を懐かしそうに見つめるサラであった。




その日、巨大大陸すべてに

祝福の雨が降ったという。


見渡す限りの空を覆い隠す黒い雲が

突如沸き起こり、乾ききった大地に

染み通る様な優しい雨が、

降ったという。

弱っていた生き物すべてが

癒されたという。



いや、すべてとはいかなかったようだ。

ネコ獣人族の村の拠点で

駆動部の軋みに呻くものがいた。


 (2,3日で戻らないんですけど!

  調整ポッドにまで

   時間経過と共に症状が緩和されます。 

  って、見放されたんですけど!

  神龍様俺の魔力持って行き過ぎだよ!


  魔法行使した後の記憶ないんですけど。

  いきなりシステムダウンして

  気がついたら

  ポッドの中だったんですけど。


  サラが ランクが上がった とか言って

  喜んでるみたいだけど、

  ステータス見るのも億劫なんで

  もうちょっとグータラしてよっと。)


 「修行が足りないのだわ、セブン。

  そのだらけた姿は

  人としてどうなのかしら。」


 「いや、とっくに人じゃないんですけど、

  

  メタルゴーレムなんでぇ~

  動きもスローリ~なんでぇ~。


  ちょっ!電撃棒しまって!

  それマジで脳に痛いから!

  元気になりました、はい。

  すっかり本調子です。


  狩りにでも参加しようかな~っと、

  思ってたりします、はい。」


バチバチと高電圧の精神注入棒を持った

怖い笑顔のサラが近寄ってくるのを見て

寝そべっていたテーブルから

シャキッと起き上がり

拠点の外へ避難したセブンであった。




白い靄の中で遠くから声が届いてきた。


 『運命の女神、ウルズ様、

  我はもとの世界の

  姿と力まで戻りました。

  これからはこの力も使って

  この地を見守り続けること、

  改めて誓わせて頂く所存。


  また、彼を引き合わせて頂いたこと

  感謝いたします。』



鈴の音の様なきれいな声が響いた。


 『神龍よ、良いのですよ。

  今までと同じでかまいません。

  どんな苦難であれ

  乗り越えられる者のみが

  今を、未来を生き残れるのです。


  スクルドにもその姿、見せてあげてね。

  あの子もあなたの事気にしていたから。

  最後に、前にも伝えましたが、

  東のあの大陸には気を付けなさい。


  あなたの力をもってしてもどうなるか

  私にも見通せないわ。』


 『それほどのものが介入しているという事で

  ございますね。

  忘れぬよう心に留めておきまする。』


白い靄の中から息をのむような美女が

下の方を見つめていた。

とてもきれいな水色の髪をした

見るだけで癒されそうな葉の冠をつけた

運命の女神、ウルズであった。




 「ちょっと、もう少し早く進めないかな~。

  海の上って、肌も髪もべとつくから

  超気持ち悪いんだけど~。」


真っ赤な髪の生意気そうな娘が

魚人の男に文句を言っていた。


その船団は大小の船を合わせて100隻を超える

アトランティス帝国の主力部隊であった。

2万を超える戦士を乗せた大船団が

西に忍び寄っていた。


 「早く陸地に上がって、

  皆燃やし尽くしたいなぁ~。」


掌の上で揺らめく炎を弄びながら

赤い瞳で海の先を見据える電脳兵であった。

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