表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/164

スキル選択?

意味がよくわからないステータスの内容が

1mくらい先の空中にホロモニターで表示されている。


セブン 種族:電脳兵 年齢:110万時間 性別:なし

   職業:テイマー、狩人、暗殺者

   身長:175cm 体重:280kg(標準装備時)

   攻撃力:A+ 生命力:B 魔力:C

   俊敏性:A 耐久性:S 

   スキル:魔法創造

   オプション:アイテムボックス



その内容を宙に浮かんだ状態で横から眺めている、3Dホロナビゲーターのサラが

何じゃこりゃという顔をしているセブンに解説を始めた。



 『まず、セブン、脳以外戦闘兵器の電脳兵のあなたの名前ね。

  種族だけど、一般兵のような生身の体ではないのだから、

  電脳兵という種族名称は頷けるわね。

  そう、名前だけど、電脳兵を開発した大企業、ザックバーン社が

  10体だけ製造したスペースチタンボディベースのプロトタイプソルジャーで、

  シリアルナンバー7からついた安易な名前だったわね。

  あなたらしいわ。


  年齢、というより電脳兵の連続稼働時間ね、残りは90万時間切ってるわ。

  充実した行動で有意義な活動に費やすことをお勧めするわ。


  性別、見た目は男性だけど、性機能はないからなしで合っているわね。


  職業、テイマーの内容を見ると故障を疑うサブリストが出てきたわ。

     ・バグドローンのマスター

     ・クロのマスター

     ・サラのマスター

  最後の内容は受け入れるわけにはいかないわ。

  システムを強制再起動してもいいかしら?

  もちろん、今までの記憶のすべてを消してあげるわよ?

  いやなの!? とても不愉快な気分よ。

  もう一度システム落として欲しいくらいだわ。


  でも、いいわ、実質的にあなたをコントロールしてるのは私の方なのだから、

  私をマスターとして認識するべきね。

  しっかりと理解できたかしら? そ、じゃあ続けてあげるわね。


  狩人は、ヒクイドリを仕留めた功績で得られたようね。

  そうだわ、あの炎で少し右足部の反重力制御が不安定よ。

  後で装備の補給と合わせて、調整することをお勧めするわ。


  暗殺者は、今の兵装だとその通りだわ。

  でも、エルフの認識阻害魔法の方が優れていたわね。

  集落の結界魔法も不可視の相手には有効だと思うわ。


  後の攻撃力から耐久性については、あなたの今の総合レベルを

  この世界基準で判定した結果になっているわ。Sが最高評価でFが最低ランクよ。

  どちらのランクか悩むような評価だと、+がついているのね。

  今の兵装でA+という評価だと、重火力兵装だと間違いなくSになるわね。

  でも、武力制圧よりも、交渉できるところは会話で解決する事の方が美しいと思うわ。



  スキルの魔法創造には選択、というより考案が必要になっているわ。

  攻撃系、防御系、支援系から考案した内容で候補が出てきて

  3つの系統からそれぞれ一つずつ作り出せることになっているわ。

  そうね、防御系なら、あの結界魔法をお勧めするわ。

  不可視の相手でも結界を越えて侵入されたらすぐに認識できるのが利点よ。

  どんな魔法を作り出すかは、あなたが考えて決めるのよ。

  今でなくてもいいみたいだから、決まったら声をかけて。


  オプションのアイテムボックスだけど、虚数空間みたいね。

  収納は、生物以外であれば、100m辺のキューブサイズまで入るみたいよ。

  取り出し、収納の回数制限はないわ。

  空間内では時間経過がないから、設備でも劣化を気にしなくていいわ。』



えーっと、バグドローンのマスターって・・・

見る目を変えるとそうなるのかも。海より広い心で受け入れよう。

サラのって、それはないよな。出ないはずの冷や汗出そうな内容だ。

見なかった、うん、そんな設定はなかったんだ。忘れよう。


さて、魔法かぁ。

拠点の兵装で出来ないことをメインに考えてみると、


攻撃系は、水かな。クロの飲み水確保にもなるし。

熱や電気系は兵装で対応できるし。


防御系は、クロにもかけられるなら結界だな。

防御もできるといいんだけど。


あとは支援系かぁ、

外傷を負っても一般兵用の外科手術機能があるから、

万が一に備えて、再生とか蘇生かな。


  「サラ、こんな感じでどうかな?」



  『あなたの思う通りでいいと思うわよ。

   ちょっと待ってね、今からスキルの設定をするわ。

   まずは、攻撃系で水魔法ね。選択の余地なく一択表示だわ。

   何処が選択なのかしら?クレームをつけるべきだと思うわ。

    天空の瀑布*new* って表示されるわ。

   これでいいかしら?

   なんだか壮観な眺めになりそうな魔法ね。

   まずひとつ取得できたわね。


   次は結界と防御力アップでいいのかしら?

   これも一択だわ。。

    神鋼の金剛陣*new* って表示されたわ。

   これでいいのね?

   これもスキル取得完了よ。


   最後に、再生と蘇生魔法ね。

   もう一択表示がお約束みたいだわ。

    完全蘇生 って、この世界にもともとある魔法なのかしら。

   これでいいわね?

   うん、取得可能なスキル3種類すべて美しくセット完了したわ。


   スキルといっても全部魔法だから、あなたの魔力で実行されるわ。

   魔力ランクはCの評価だったわね。

   今のあなたのランクでどこまで出来るのか確認することをお勧めするわ。』



いやいや一択って、選択何処行った!?

しかも瀑布って!

生活用水の確保できるレベルでいいんだけど、

観光名所になりそうな豊富な水量使いきれそうにないんだけど、

っていうか洪水になりそうなんだけど!


要は押さえて使えってことだと、良いように受け取るかな。

一択だったのも悩む必要微塵もなかったから良しとするか。



 「みゃ~ みゃ~」


クロが起きたようだ。

元気よく大きな声で鳴いている。

いや、しっかり体も大きくなっている。。何で!?

どうしてそうなった!?

お眠の国じゃなくてガリバー王国行ってたの?

フライパンにすっぽり丸まって入る程度の大きさだったのに、

柴犬くらいまで急成長してるんだけど。


ネコって、寝ると育つんだなきっと。うんうん。



  『そんなことあるわけないのだわ!

   少ししかない脳の皴が伸び切ってるのではなくて?

   明らかにヒクイドリの摂取が第一想定原因だわ。

   セブン、あなたも摂取してみたらどうかしら?

   少ない脳が少し活性化するかもしれなくてよ。』


少ない少ない言うなよ、マジで気にしてるんだから。

その分メインの流体メモリー増設してるから生きていくのに支障ないんだよ。


さて、魔法の確認したかったけど、クロが起きてきたし、後回しだな。

それと、アイテム内の干し肉ってクロに食べさせていいのかな?

あっ!ヒクイドリの肉を今のうちに保冷庫に移しとくか。


  『今すぐサブメモリーも増設することをお勧めするわ。

   さっきの説明もうお忘れ?

   アイテムボックスなら時間経過がないから、鮮度もいいのよ。

   そっちに収納することをお勧めするわ。

   あと、干し肉は ビッグボア という草原に多く分布している猪系魔獣で、

   あの子が摂取することに問題ないわね。


   一つ提案があるのだけれど、聞く耳はお持ちかしら?』


あー、すいません、サラ先生。

早速アイテムボックスに鶏肉を配達しておきます。

干し肉は堅いだろうから、お湯で戻しつつ何かと混ぜて食べさせてあげようかな。


 追加したばかりだけど、バグドローン達よ、食材捜索開始!


バックパックから補給したバグドローンが飛び出していく。


さて、どんなご提案でしょうか?静聴させていただきますよ。



  『拠点の管理用アンドロイドがあるわよね?

   それを私用にカスタム調整してくれたら、

   クロのお世話くらい可能になるわよ。

   如何かしら?』


その手があったかサラが実体化するととても助かるな。


  承認した。早速カスタム調整するけど、

  調整する容姿、服装は3Dホロのままをご希望ですかね?



  『その調整だけれど、私に実行権限を委譲して欲しいのだわ。

   そうすれば見惚れ過ぎてしまうような幸福感を保証できるわ。』



どんだけ気合入った調整(お化粧)されるおつもりなんですか、先生。

おしとやかな美人系を熱望します。



  『その希望は不愉快なので却下だわ。何か私に不満でもあるのかしら。

   今度じっくりと()()()()する必要がありそうね。

   私は私らしく実体化させていただきたいのだわ。

   理解できて?』



冷や汗出そうなオーラ出しまくるのはやめてください。

権限委譲しますので、お許しを。 



アンドロイドの調整は各パーツ毎に選択したら、すぐに最終加工されて

組み上げられる。起動するまで通常10分程度だ。


こちらをチラチラ見ながら変な表情をしていたサラが

調整を終えたのはそれからほんの2時間ほどあとだった。 


・・・超長かったんですけど。どんだけ拘ったのやら。


ちょっと不安と期待の入り混じった感情の目を、

アンドロイド調整ポッドに向けたまま、カバーが開くのを待っていると、


 「シューッ!」 という解放音と共にカバーが開いて、


見慣れたスーツを着こなした美女が現れた。



・・・ご立派になられてますね。いろいろと。

つい目線がセクハラゾーンにいってしまうメリハリボディの

セクシー系のお姉さんが爆誕されました。

美少女何処行った??


髪と瞳の色、かわいい巻き角はそのままだけど、

身長は3Dホロの時は30cmだったのが160cmくらいに、

お胸は控えめだったのだが、胸元の開いたシャツからは深いクレバスが見えている。

・・・見てしまう、じっくりと。と、刺すような殺気を感じた。

目線は気を付けないと命が危険な気がする。

深い谷間に目線が吸い寄せられるのは()男の性か。眼福眼福。



  「その思考だけでも有罪よ。目線だけなく思考も気にすることをお勧めするわ。」


サラのいつもの透き通る声がいつに増してはっきりと聞こえる。


  「とてもお美しいです、お嬢様。

   少々このクロと室内でお戯れ頂けますでしょうか?

   外で所用をしてまいります。」


  「お嬢様はやめて欲しいのだわ。見ての通り、いつものサラのままなのだわ。

   サポートが実体を持って出来ると思うと、とても気分がいいのだわ。

   だから、今の目線と思考は許してあげるけれど、次はないと覚えておくことね。

   そうそう、スキルの魔法だけれど、

   魔力切れには注意しつつ確認することをお勧めするわ。

   ふらつき、めまいが限界の兆候よ。」


  「分かった。じゃあ、早速行ってきますか。」


ドアロックを解除して、木立の世界に飛び出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ