表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/164

郷に入っては

アトランティス帝国の侵攻を抑え込めたセブン達は、

ネコ獣人族の村の拠点で村長を務めているフェイズ、

その娘のファーラを交え、今後の防衛策などについて

話をしていた。


 「次の攻撃があるとして、敵の攻撃能力が

  今回と同じレベルとは断定できないのだわ。」


 「この拠点からの砲撃だけでは対応策は限定されてしまいます。

  セブン様たちが不在の場合、私だけでは厳しい状況になると

  考えられます。

  防衛力の向上策を検討する必要があります。」


 「うむ、あのような攻撃をしてくる相手となると、

  確かに厳しいでしょうな。


  我々いつでも戦えるような心構え、

  覚悟をしてこれまで生き抜いてきております。

  

  まれにある事ですが、ワイバーンなどの襲撃にあって

  滅ぶことも時の運と考えるものです。


  今回見事に守って頂いたことは有難くもあるのですが、

  我々も村を守るために戦いたかったとも思っております。


  次の攻撃が来た時には、我々も全力で立ち向かい、

  その結果、力及ばず滅ぶことになろうとも

  力の無さ故と、無念ではありますが、

  致し方のない事と考えるものです。

  

  城などの防衛力を高めるという事は、

  かえって強い敵を呼び込むものと我々は考え、

  獣人国には城を築いていなかったほどです。


  今のままで十分でございます。

  我々には我々にあった生き方、戦い方で

  この先もここで生きていきたいと考えます。


  助力いただけるだけで有難い事、感謝の念に堪えません。」


 「私もお父様と同じ思いだ。

  ここにいる者は皆、お父様と同じく獣人国の誇りをもって

  集っているのだ。


  セブン殿から見れば我らは弱い力しかないかもしれぬが、

  それでも戦わねばならない時は死力を尽くして戦い、

  引いて機を伺えるのであれば、潔く引く。

  

  だから、もし、次の攻撃で我らが滅ぶことになろうとも

  セブン殿が気に病むことなはい。

  それは我らの生き方だからだ。」


 「うん、ここの皆さんの生き方は理解したよ。

  でも、俺は出来ることがあるのに何もしないままの

  自分自身を許せないんだ。

  勝手かもしれないけど、俺に出来る限りこの村を守っていたいんだ。

  

  前の世界では、俺はいつも攻め込む側だった。

  命令だけに従って、抵抗力のない相手でも無慈悲に殺してきたんだ。

  

  その償いじゃないんだけど、俺の意思でやりたいことをしたいんだ。

  そうしていると、俺もこの世界で生きていていいんだって思えるんだ。

  自分にいいように思っているだけなんだろうけど、

  俺には戦う事しか出来ないから。」


 「どうしてそういう考えになるのかしら?

  あなたは 錬成 という能力を身につけたのでしょう。

  その力でこの村の皆さんを笑顔にすることも出来るのだわ。


  この世界にあった生き方に変えればいいのよ。

  何か物を作って、育てて、調理して、味わって、

  この村の人たちと同じ目線で生きることも出来るはずよ。


  まずは、家の補修、補強から頑張ってほしいのだわ。」


 「うむ、サラ殿の言われるとおりだ。

  セブン殿、この村で共に力を合わせて参りましょう。

  家の補修・補強は助力いただけると有難い。

  我らには鍛冶のできる者がおらぬので不自由しておったのだ。」


 「サラ様の仰る通りですが、セブン様、

  私が横について助言させて頂きますのでご安心を。」


 「いや、補修、補強は 錬成 で出来る簡単なお仕事だから

  一人できるけど?」


 「「ダメです(なのだわ)」」

 

サラとカイに単独作業禁止を言い渡される信頼のないセブンであった。




~巨大大陸の東方にあるアトランティス帝国~


 「プロフェッサーに続いてカルヴィ大尉まで失ったとなれば

  残る 勇者 は先日異界召喚したばかりの、あの娘のみか。

  あの娘、魔法が使えぬ欠陥品と聞くが、

  どう使うつもりであるか?」


玉座から声が発せられた。


 「はっ、プロフェッサーがいないため詳細は調べられませんでしたが、

  あの娘は、潜入・暗殺に特化したメタルゴーレムのような

  体を有しておるようです。

  魔法は使えませぬが、逆に魔力感知魔法にでも見つからぬ、

  特殊な認識阻害の術が使える様子。

  強力な火魔法のスクロールを持たせれば、先住民共の塒を

  焼き払うのは容易い事と存じます。」


 「そうであるか。

  しかし、参謀長バルティアスよ、惜しい事であるが、

  その任には副参謀のマッケインが就く。

  大儀であった。」


 「お、お待ちください!陛下!

  どうか私めに今一度お任せください!

  陛下!お待ちください! へ・陛下・・・」


バルティアスという名の男の首が

その日のうちに転がることとなった。

 

 

 「さぁ、お仕事をしていただきますよ、お嬢様。

  なに、先住民共を暗殺するだけの簡単なお仕事ですよ。


  明日の朝には出立しますので、ご用意の方お願いしましたよ。」


 「えーーだるいんだけどー。

  先住民とか近寄るのも勘弁なんだけどー。

  マッケインがやればいいじゃん。

  あたいがやる意味ないじゃん。

  暗殺とかどうでもいいんだけど。」


 「おやおや、ではもうスイーツは食べたくない という事でしょうかね?

  では、パイロさんの分は私が頂きましょうかね。」


 「あーーわかったぁ~。わかったから、行きゃいいんでしょ行きゃ。

  やぁーっと自分の好きなこと出来るようになったのにぃ~。」



燃えるような真っ赤な髪と瞳と口紅を塗った目つきの鋭い娘が、

足部の反重力ユニットを稼働させて静かに、しっかりと立ち上がった。

フル装備のアーミースーツ姿で、バックパックにはSPTー11と

型番が刻まれた電脳兵、パイロであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ