表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/164

無限遠へ

アトランティス帝国から魚人戦士を率いて侵攻してきた

カルヴィ大尉はセブン達の拠点ごと大地をひっくり返し、

辺り一面は濛々とした土煙が立ち上っていた。


 (ふん、この神器があれば敵なしだな。

  しかし、認識阻害魔法をどう破ったのか気になるところだが、

  死人に口なし、今更聞けんか。いや、だからどうしたってとこか。)


降下部隊用の輸送機以外を失ってしまったカルヴィ大尉は、

村の跡地の上空で全身をスパークさせながら器用に滞空していた。


その宙に浮かんだ状態で、さらなる進軍のために新たな戦闘員の補充と、

戦闘機、戦車の錬成を行うため、一旦本国に戻ることを考えていた。



さらに上空では、一矢報いようとフライングユニットのカーラが

ステルスモードのままで輸送機に接近し、ロックオンしようとしていた。


 『セブン達の仇打ちなのです!

  落とすのです!!』



 『待て、カーラ早まるな!

  それより、その空域を出てくれ!

  目標ポイントを送る。』


 『セ、セブンなのですか?無事なのですか?

  何処にいるのです?

  ・・・了解なのです。移動するのです。』


 (土煙がちょうどいい感じだな。

  あれをやるか。)


 『サラ、奴の電界強度は分かったかな?』


 『算出済みよ、まさか試射もせずに実行するつもりなのかしら?

  打ち出される彼には同情するのだわ。』


 『まぁ、何とかなるだろ。

  

  カイ、奴の周りに上昇気流を渦状に起こしてくれ!

  ユニット出力マックスで頼む。』


 『承知しております。

  あの砂漠の砂をお使いになる訳ですね。

  あの勇者様にはお悔やみを申し上げましょう。』


カルヴィ大尉の周りに赤茶けた砂粒が舞い踊り、

取り囲むように巨大な塔が形作られていった。


 「何の真似だ?こんなもんで何が出来る?

  あれでもまだ生きてるのか、しぶとい奴だな。」


その時、彼の直下から陽電子砲用の正電荷ユニットが

チャージを終えた状態で露出した。


 「ざっくりとした計算でも最悪でも12km/sec.には

  加速させてやるよ。

  

  じゃあな、第二宇宙速度をじっくり生身で味わってくれ!

  陽電子最大放射!」


 「なめるな!そんなもんこれで沈黙させてやる!」


金色のハンマーを振るうが、雷は逆に天に向かって登っていく。


 「何!?何だこれは?」


その雷に引き摺られるようにカルヴィ大尉の体も

磁鉄鉱の砂の砲身の中を加速しながら上昇していく。


そう、魔族の地でアイテムボックスに収納していた磁鉄鉱の砂で

陽電子砲の砲身を形作り、カルヴィ大尉の作り出す正電荷の雷と

反発する正電荷を撃ち出す陽電子砲塔になっていたのだった。


さながら電磁カタパルトの如く、彼の体が加速されていく。

後方からは、彼の持つ神器が作り出す以上の正電荷エネルギーの反発を受け、

無限遠にまで放出される、第二宇宙速度に到達する計算だ。



 「あれ?思ったより早いな。。ヤバ、空中分解しないよな?」


セブンはそう心配していたが、カルヴィ大尉の体は

大地の神ガイア神の加護の力で強化されており、

幸か不幸か第二宇宙速度以上の速度に至っても

空中分解するには至らなかった。


 「ぐぁ・・・・」


体は耐えられても意識は保てなかったようで

途中で気絶してしまっていた。


カルヴィ大尉の体は、セブンのおおざっぱな計算を越えて

18km/sec.を越える速度で深宇宙に飛び立っていった。

金色の巨大なハンマーがきらりと煌めき、

まさしく カルヴィ大尉、星になる の図であった。



瓦礫となった村の跡地のようなものから3km後方の湖の畔から、

セブンは星になるカルヴィ大尉に手を振っていた。


 「宇宙空間じゃ、大地の神のお力も使えないよな。

  生身の体だったら、血が沸騰してるのかな?

  まぁ、何にせよ、お達者でぇ~。

  もう帰ってくんなよ~。

  宇宙人にあったらよろしくなぁ~。」


 「何を馬鹿なことをしているのかしら?

  先にカーラに謝ることをお勧めするわ。


  村や拠点のダミーを離れた場所に錬成して、

  本来の村と拠点にステルスモードを発動させていたのだから、

  説明していなかったカーラにも分からなくて当然なのだわ。


  そうそう、カーラには輸送機とGPS衛星の撃墜も

  頼むことを忘れないことね。」


 「そうだった、カーラごめんよ。あれ全部土で錬成した偽物なんだわ。

  ほんとすまんかった。で、輸送機の撃墜よろしく頼む。」


 『・・・さすがにカーラも今回はお話させて頂くのです。

  輸送機はもう落としたのです。


  GPS衛星は宇宙に押し出すことを進めするのです。

  セブンも一緒に月くらいまで行ってみればいいのです。』


いやいやいや、ほんとごめんカーラ。


いやー焦ったわ。あの雷はヤバかったわ。

もうちょっと攻撃範囲が広かったら当たってたな。

しかし、とんでもないもん持たせるよな、

この世界の神様って。


とりあえず、アトランティス帝国の第一波は弾き返せて

ほっとしたセブン達であった。



第二波の事を考えると、防御力の高い、

元の世界の地下都市構造を思い浮かべると同時に、

岩盤貫通弾の絨毯爆撃で滅ぼされた天道家の隠里のことも

思い起こし、複雑な心境になるセブンであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 太陽系を振り切る第三宇宙速度を越えてるから銀河系内を公転する運命に・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ