開戦!
ネコ獣人族の村の防衛線強化を図る電脳兵のセブン達は、
認識阻害魔法を纏った、威力偵察・ミサイル攻撃・
降下部隊投入・戦車部隊侵攻など想定し、
セブンの錬成をフル活用し防御を固めつつあった。
『静止衛星軌道上にGPS衛星5基を確認したのです。
空爆の精度が上がってしまうのです。
撃墜許可申請をするのです!』
対空監視をしていたフライングユニットのカーラから
電脳内に一報が入ってきた。
『その必要はないよ、カーラ。
じっくりと見て貰おうじゃないか?
その上で来るってんなら面白いじゃねぇか。』
『いつから電脳が脳筋になったのです?
まぁ勝てる公算があるならいいのです。』
既にお土産はお渡ししてますけどね。
さて、まずは空爆かな?いきなり落下傘落ちてくるのかな?
お手並み拝見といきますか。
付近に展開させているバグドローンの情報から
圧倒的数的不利にも関わらず不敵な笑みを浮かべて
眼内モニター内の情報を確認し続けるセブンであった。
(衛星からの情報見る限り、対空、対地の防衛戦は
きっちり作られてるな。
まぁ、その機械がちゃんと動けば という前提だがな。)
アトランティス帝国の主戦力3千の魚人戦士と
自ら錬成した戦闘機、ドローンミサイル、戦車部隊を率いて
元フランス外人部隊の自称カルヴィ大尉は目を細めて
モニター画面を見据えていた。
認識阻害魔法を付与された戦車団が砲撃位置に揃った。
ドローンミサイルを全弾発射させた。
(さて、今度は楽しめるかな、いや楽しませてくれよ。)
ドローンミサイルが見えない壁にでも直撃したのか
空中で爆散していく。
(ほぉ、そっちもその手で来たか。
なら、耐久性はどんなもんかな?)
「戦士諸君、喜べ敵はとても強いぞ。
諸君の訓練の成果を見せてもらおう。
空爆開始! 殲滅せよ!」
認識阻害魔法のかかったF35ベースの垂直離着陸機が
全機一斉に上昇していく。
50機からなる戦闘機部隊は人族の王都を数分で壊滅させていた。
魚人戦士でも適性のあったものだけが搭乗訓練し戦闘参加している。
全員身体強化と認識阻害魔法の使い手だ。
不可視の戦闘機群がドローンミサイルが爆散したポイント目掛けて
ミサイル攻撃を開始した。
燃え上がる炎と爆音が遥か彼方の山々にこだまするほどの
激しい攻撃であった。
『敵機の位置認識完了、自動追尾ミサイル発射!
カイ!そっちにもお客さん行ってるぞ!丁寧な対応頼むぞ。』
『既に重力センサーでも位置特定済みです。
地対地ミサイル発射開始します。』
セブン達の反撃が始まった。
事前にこの一帯に張り巡らせた磁場センサーの異常ポイント目掛けて
ミサイルが執拗に追いすがり、一機また一機と続けて撃墜していく。
地上では、村に向けて砲撃態勢にあった戦車軍団に
ロックオンされた地対地ミサイルが突き刺さっていく。
「やるねぇ~、燃えてきたぜ。
ホバー部隊、降下部隊行くぞ!
まず俺が挨拶してからだ!」
そう言うと、カルヴィ大尉は金色の巨大なハンマーを全力で振った。
バリバリバリバリッ!!
村周辺に向けて天空からあり得ない数の雷が一気に叩き落とされた。
地面は至るところから煙を上げ、スパークしながら武器が姿を現した。
「よし、無力化した!
降下開始!
全軍進軍始め!」
『セブン!対空砲が全部システムダウンしたのだわ!
プラン変更をお勧めするわ。』
『ホバー部隊は厄介です、あの手が使えません。
私からもプラン変更を推奨します。』
『大丈夫、電撃系は想定内だ。
村に突入されるのは時間の問題だろう。
一旦引こうか、村の外れまで。』
セブンの村を見捨てると言う冷酷な指示に
上空のカーラが激昂する。
『見捨てるのですか!?
あんなに仲良くしてくれている獣人族の村を!?
人でなし!なのです!』
『あーカーラ、大丈夫なんだ、後でわかるから。
落ち着いて上空にいてくれ。』
カーラに作戦の全容を教えていなかった事を
少し反省したセブンであった。
降下してきた突撃部隊が村の土壁を撃ち抜いて
穴だらけにして行く。
少し遅れて、ホバー部隊も砲撃を始め、村の家々が
土煙を上げて崩れて行く。
(ふん、やはりこの神器があれば、敵などおらぬか。
殲滅して次に向かうか。)
カルヴィ大尉はつまらなさそうな顔をして
村の滅ぶ姿を見るとも無しに見ていた。
『頃合いか。ホバー部隊も停止して着地しているな。
カイ、やるぞ? 発破!』
ドドドドーン!!
地鳴りのような激しい爆発が土煙を上げる村の地下から発生し、
途端に村すべてがすっぽりと50m地下に落ち込んだ。
「天空の瀑布」
同時にセブンが広域殲滅水魔法を発動した。
爆音と共に滝が叩きつけるように窪地に降り注いだ。
『バグドローン展開!
カイ、マイクロウェーブパルサー最大出力で照射開始!』
『了解しました。蒸し魚料理が出来上がるまでしばらくお待ちください。』
『待たねぇよ、て言うか、食べねぇし。
あれどう見てもまずいぞ』
水中でも何も問題ないと平気な顔をしていた魚人戦士達であったが、
水温が異常に高くなっていくことに気づいた時には手遅れであった。
「ギャー!!!」
絶叫がこだまする中、水中から飛び上がってくる影があった。
「魚人戦士と一緒にしないでもらおうか。
俺には大地の神ガイア神の加護がある限り負けることはない!
調子に乗るなよ、これで終わりだ!
天地変換!」
セブン達の拠点のあたりの地面がゴッソリとひっくり返って
押し潰される格好になっていた。
ガイア神の加護の力の為せる技なのであろう。
セブン達の拠点はなす術なく地中に埋められてしまった。
『セブン!サラ様!カイ!』
上空から絶望の光景を目の当たりにしたカーラの叫びが響いていた。




