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砂の塔を撃て!

フライングユニットを装着した電脳兵のセブンは、

ネコ族の村の拠点から巨大大陸を北上していた。


 ファーラさんの話だと、人族の 勇者 に追われた魔族の国の人々は

 この山脈を越えた先の砂漠の地に向かったって話だけど。

 この巨大大陸の大方25%くらいの広さって、広すぎだろ。

 おまけに、この砂が最悪だ。

 磁鉄鉱で砂嵐舞う度に磁気センサーが狂いやがるわ、通信感度落ちるわと

 捜索しにく過ぎだろ。


 そういや、魔族国ってどれくらいの人口だったんだろ?

 途中の山のあたりとかにも認識阻害かかってる感じのところが

 ぽつぽつあったから、難民村かもしれないな。

 食うにも困ってそうだけど、全員助けられるような力はねぇえしな。


 まず、魔王さん見つけろって言われてもなぁ、

 地道にバグドローンで当たりつけてくしかないけど。


 しかし、また砂漠か。

 前の世界では、ほとんど砂漠地帯で戦ってたよな。

 ・・・ん?これなんだ?流動メモリーに新しいバイパス繋がったのか?

 覚えのない記憶があるんだけど・・。


 誰だこの少年兵?

 どこだこれ、病室みたいな白いベッド?


 何だこの息苦しさは?さっきの少年兵が部屋を出た途端、

 締め付けられるような感覚が思い出されてしまう。


 何で、泣いてるんだ?タケトってあの少年兵か?

 そうか。あれがテンドウタケト、俺ってことなのか。


 じゃあこれは・・そうか、これが姉さん、サラの記憶だっていうのか。

 何で流体メモリーの中にあるんだ?


 サポートAIの心臓部だって聞いてるけど、あ、そっか。

 サラがサポートAIだったからか。・・・いや、おかしいじゃねえか。

 この記憶だとサラは実在の人間、俺の姉さんで、

 電子人格のAIな訳ないだろ。 


 どうなってるんだ?訳が分かんねえ。俺の頭じゃ無理だな。

 戻ってから直接教えてもらうかな。



 『まだ、捜索に時間がかかるようだから、

  今からでも話してもいいのだけれど、聞く覚悟はあるかしら?

  もう調整ポッドを出るところだから、すべて話してもいいのだけれど。』


 (調整ポッド?何か不具合でもあったのか?

  管理用アンドロイドはメンテフリーって話だけど。

  

  こう広いと話聞く時間くらいたっぷりありそうなんだけど、

  何かサラの記憶と混合してる感じでこんがらがってる感じなんだけど。)


 『そう、そうね、まずはこの電脳兵専用ポッドで、

  近接戦闘プラグラムと強度調整が必要になった経緯からも

  話すわね。』


 (えっ?何で電脳兵専用ポッドに入ってんの?ってか、入れないよね?

  ボディ規格も調整キットも全く別物だし。

  あー、そうですね、そこからお願いします、静聴します。)



 『セブンが出た後に、女神様から圧縮メッセージが届いたのだわ。

  それによると、私が拠点管理用アンドロイドだと思っていた機体は、

  女神様が用意してくれていた電脳兵用のボディで、

  方法は理解できないのだけれど、完全な私の脳が移植されていたのだわ。


  実はセブン、あなたの脳の記憶領域の大事な部分は

  2回目の機体換装時に損傷して失われてしまったの。ごめんなさいね。

  

  そこに、もう機体の寿命が来ていた私の脳を移植融合して、

  流体メモリーで記憶の整合調整をして、あなたの記憶と思わせることで

  あなたの精神崩壊を抑える効果を発揮していたのだわ。

  

  そうよ、ずっとあなたの頭の中にだけ私は存在していたのだわ。

  あなたが死ぬときは私も死ぬときだったのだわ。

  

  でも、今はここにいるのが私本体で、あなたの方にも

  元通りの脳と私の記憶とリンクした流動メモリーが

  残っている状態なのだわ。

  

  女神様からのプレゼントだそうよ、後でどこかの教会から

  お礼のお供えをすることをお勧めするわ。


  調整中に見たのは、流動メモリー内の整合調整が

  外れかけていたからだと思うのだわ。

  完全に外すには 禁則事項 を解除すればいいのだわ。

  

  さっき、調整して確認できたのだけれど、

  私の電脳も100万時間経過していることになっていたのだわ。


  ただ、いくつかおかしいことがあるの。


  まず、通常は改良型反応炉の寿命を残り時間で表示する機能が

  なくなっているのだわ。


  それと、電脳兵でもアンドロイドでも、こんな人の様な肌組織や弾力は

  あるはずないのだわ。

  いやらしい見方をすると、一般兵用の慰安用ドールみたいなのだわ。

  あら、そんな機能はなくってよ。な、何を安心した気になっているのかしら。

  じ、実の姉をそんな目で見ている変態だったとは知らなかったのだわ。

  しばらく近寄らないでもらえるかしら。



  また戻ってきたときに話すわ。

  カーラが気圧異常を探知したのだわ。

  強い魔法を使える魔族の魔法行使の影響かもしれないのだわ。


  飛行能力も持っている可能性を想定して対応することをお勧めするわ。

  

  そして、この作戦は不殺よ、これだけは何があっても守ってほしいのだけれど

  身に危険が及ぶようなら撤退することも視野に入れておくことをお勧めするわ。』



 うん、何かわかったような分からんようなって感じだなぁ。

 ・・・って換装二回目?俺じゃあ300年以上活動してるの?

 どんだけブラックなんだよ、ザックバーン社。  


と、フライングユニットのカーラから眼内モニター越しに声がかかった。


 『前方一時の方角に強い上昇気流の渦を確認したのです。

  磁鉄鉱の砂の塔のようにかなりの高度まで伸びていくのです。


  もっと接近するのです。』


んっ?急激な上昇気流?風の魔法を使ってるのか?

なるほど、積乱雲を生み出して雨を降らせるつもりか。

気象学に詳しい奴がいるのか?

何か、引っかかるんだけど・・・。


あーーーっ!!これヤバい!この感じダウンバーストいや、

もっとヤバいマイクロバーストが起こるぞ!


 (カーラ、接近する時は失速に注意だ!

  磁鉄鉱の砂の塔か、、そうだ、電磁砲だ!

  塔の中に出来始めてるメソハイを、そうだな、サーモマップで低温の空域を

  ぶっ飛ばすぞ!でないと雨を降らせたいところに暴風が吹き荒れることになる。

  電磁砲発射スタンバイ!もっと接近してくれ!)


 『姿勢制御いっぱいいっぱいなのです!

  電磁砲撃つ反動で落ちるかもしれないのです!』


 (少し高度下げて斜め上を目掛けて上昇しつつ撃とう。

  ヤバい、低温空域拡大してきた!

  電磁砲展開!磁界バリア展開!

  スラスター全開! ファイヤー!)


砂の塔に向けて電磁砲が放たれ、低温空域を直撃すると

吹き出し始めていた暴風がゆっくりと収まりだした。



 (大きな被害出てないといいんだけど)


と、突然斜め下の地上の方から巨大なファイアボールが

空気を焼きながら迫ってきたのであった。

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