魔石
電脳兵のセブンは、拠点の中でネコ獣人族のファーラから
この世界のことについて話を聞いていた。
「魔族や我々のような獣人族や魔物には、体の中に大なり小なり魔石があるのだ。
魔石には属性があり、魔力を貯める器になっているのだ。
2種類の属性を使えるものは2個魔石を持っていることになるのだ。
人族には魔石がないが、体質というのだろうか、個人差で使える属性が
決まっているそうだ。
魔力は魔物などの魔石から取り込んで使うため、人族とは魔石の
交易をしていたのだ。仲良くしていたころの話なのだが。。
そうだ、種族によって得意不得意の属性があるのだ。
すべての種族にいえることだが、水属性を持つものが希少なため、
この世界では水属性を使えるものは長の立場に就くことがほとんどなのだ。
私の父も水属性の魔法が使えたので長としてこの村を守っていたのだが、
このところ雨や雪の少ない年が続くことが多くなってきていて
種族間で水をめぐる争いが絶えないようになっているのだ。
我々はもともとこの平原の中央付近に小さな国があって、
そこに住んでいたのだが、人族に侵略され奪われてしまったのだ。
魔族の国も先程話した通り、人族の勇者の力で奪い取られ、
山々を越えて北部に逃げ延びたと聞いている。」
「山の向こうって何もなさそうなんだけど・・。」
カーラのマッピングで見えていたのは荒涼とした地形だったからだ。
「うむ、この大陸の北部には龍神のお山をはじめとした
険しい山が連なっているのだが、緑があるのは山の南側だけなのだ。
その向こうは乾いた砂の大地が広がっていると聞く。
そんなところでは生きていくのも大変な苦労があると思うのだ。
この村のあたりはあまり強い魔物が出ないので、
平原の魔物を狩ってなんとか暮らしていける状態だ。
たまに、山々から強い魔物が下りてくることがあって
その時は比較的弱い魔物たちが大群で逃げてくることがある。
魔物の大群の暴走で滅ぶ村や町もあるほどなのだ。
実は、この村も昔滅んだ村の跡地に逃げてきた我々が移り住んだのだ。」
「そっか、その暴走の過去がある村だから、
人族は水だけ吸い上げて王都へ舞い戻ったのか。
ありがとう、ファーラさん大方理解できたよ。
で、ここっから肝心なんだけど、王都と騎士団、
それに勇者について知っていることを教えてもらえないかな?」
「王都はこの大陸の東の端の海に面した場所で、
とても高くて堅牢な強化魔法がかけられた擁壁に囲まれた
魔法城塞都市だ。
ドラゴンの巨大なファイアブレスでも持ちこたえる魔法障壁が
張り巡らされていると聞く。
騎士団は、魔法耐性のある武具を身に着けていて
身体強化魔法の使い手が多いと聞く。
魔法騎士団といってもいいと思うのだ。
勇者は、異界からの渡り人で魔石なしで強力な魔法を使うと聞く。
この村には騎士団しか来なかったので見たことがないのだが、
人族だけでなく、魔族や獣人族の女性を好むという、
かなりの好色漢達と聞く。
あまり知っていることがなくてすまない。」
「いや、十分だ。
あと、親父さんの名前と特徴を教えて欲しいのと、何か身に着けていたものなら、
服の切れ端とかでもいいので貸してもらえないかな。」
「父の名はフェイズ、特徴は左の耳に黒色のブチがある、
毛の色は私と同じ茶色だ。セブン殿より少し背が低くて痩せている。
服は後で持って来よう。」
「サラ、他に何かあるかな?」
「そうね、一つお願いがあるのだけれど、
明日服も預けて頂くときでいいのだけれど、
セブンでも私でもいいのだけれど、目を見ながら語り掛けるように
お話していただけると、その姿をお父様にお見せする魔法があるのだわ。
いいかしら?」
「はい、了解したのだ。
あ、今日は本当にありがとう。
クロ様も、もうお休みされているようなので、
今日はこのあたりでお暇するのだ。
また明日の朝お邪魔する。では失礼する。」
「お休み(なさい)~」
ファーラが拠点を出るとサラと二人で作戦の検討を開始した。
「カーラとバグドローンで王都内部の探索を優先するわ。
カーラ、お願いね。
高高度を維持して念のためステルスモードをお勧めするわ。」
「カーラよろしく!」
「任せるのです!」
カーラがバグドローンを補給して、2階のカタパルトから発進して行った。
さーて、作戦立案のお時間だ。
うーん、気に入らないないんだけどな~
あいつ使うしかないかな~。いやだな~
二階に放置しているあのユニットの3Dホロナビゲーターを思い出し
嫌そうな顔をするセブンであった。




