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怒れる古の巨人VS憤怒の明王

暴走する狂科学者のプロフェッサーを倒し、

彼のクローン、電脳兵化技術で作り上げられた

魚人電脳兵達を電磁パルスで沈黙させたセブンは、

電脳兵化された巨人族の自我を取り戻すことに成功し、

一件落着かと思われた。


艦長のガーラが礼を述べた時、

背後に湧き出た黒い靄の中から、

その靄よりも黒い炎を上げる剣が

ガーラの体を音も立てずに刺し貫いた。


瞬時にセブンは印を結び、陰陽術を行使した。

 

 「ノウマク サンマンダ バザラダン カン

    不動明王羂索縛!!」


黒い靄の中に向けて金色の綱のようなものが伸びて行き、

その中にいるものに巻き付いたようだ。


同時にセブンの体全体に響くような声が伝わってきた。

 『手緩い!!法門を開け!!』


 (神力足りるかな?

  では、お言葉のままに。)


セブンは金剛牙の印を結び、神気を高めて陰陽術を行使した。 


 「ノウマク サンマンダ バザラダン カン

   不動明王よ我に力を! 」


燃え盛る炎を背負い、右手には炎渦巻く剣を持ち、

左手からは金色の綱のようなものを絡め持った姿の

不動明王が顕現した。


同時に黒い靄の中から黒い巨人が形をなして現れ、

右手の黒い炎の剣を不動明王が握る金色の綱に振りかざした。


不動明王は綱を引き寄せつつ、黒い剣を横薙ぎに払い受け、

その黒い剣ごと巨人に押し込むように切り込んでいく。


 『オオゥッ!!』


腹の底から響くような力のこもった掛け声とともに

切り裂くかと思えたが、巨人は開いていた左腕を犠牲にして

身を捻って避けた。

怒りに燃える黒い巨人は、この世界を焼き滅ぼせる仲間を

呼び出した。


 『フェンリルよ、力を示せ!』


黒い巨人の背後から白い山のようなものが

凄まじい勢いで飛び出してきた。

大口を開いたその白い獣は

牙で不動明王を突き殺すかのように

飛びかかっていった。


 『ムンッ!!』


憤怒の表情をさらに険しくして、

野太い掛け声とともに不動明王は

白い獣より巨人化すると同時に、

左手の綱を振り抜き、

黒い巨人をモーニングスターのように扱い、

白い獣に叩きつけた。


金色の綱はどういう原理か不明だが、瞬時に

白い獣を何重にも縛り上げた。


黒い巨人と一緒に絡めとられた白い獣に、

右手の炎の剣が炎の竜が飛びかかるかの如く

長さが伸びてゆき、横薙ぎに振り払うと、

白い獣と黒い巨人は真っ二つに切り裂かれていた。


いや、黒い巨人は寸前に靄になって実体化を解いて

難を逃れたかに見えた。

しかし、炎の剣を振り戻す動作で

黒い靄に燃え盛る炎が蛇が巻きつくように

纏わり付いていった。


 『お・の・れ・・・』


燃え上がる黒い靄の中から恨みがましい声が

煙とともに立ち上るように聞こえた気がした。


 『フゥウー・・・』


両手を少し下げて残心の姿勢のまま

ゆっくりと息を抜くような声を残しつつ、

不動明王は光の粒子と化して消えていった。



その後には膝から崩れ落ちそうになりながら、

何とか姿勢を戻して持ち堪えたセブンの姿があった。


 (きっつーー。

  さすがは不動尊だな、

  寿命が百年は縮んだ気がするよ。

  普通の人間の身なら即死だな。


  おっと、負傷者の救護だな。


   完全回復! )


倒れ込んでいるガーラの周りに

ダイヤモンドダストの煌めきが舞い踊った。

煌めきがおさまると、傷が消え失せ、

ガーラのリブートが始まっていた。


 (みんな電脳兵化されちゃったのか。

  子供まで・・・、そうだ、

  体内の自爆用殲滅魔法の解除だ。)


電脳の再起動が完了し、起き上がったガーラに

セブンは各自の体内の確認を行って貰うように頼むのであった。


 (良かった、あのフェンリルは別の次元から来たのか。

  子供達の遊び場がなくなったかと心配したよ。)



何となくセブンのフェンリルに対する扱いが

間違っているような気がするのだが、流すことにしましょう。



この後、体内の殲滅魔法の解除のため、

拠点からサラに来てもらい、電脳兵専用調整ポッドに

開発者権限でアクセスし、自爆魔法の解除対応に

追われるのであった。



また、巨大大陸内の街に拡散投入されている電脳兵も

探し出して、仕掛けられていたら解除しようということになった。


この対応のため、セブンは移民船内の電脳兵専用調整ポッドを

10基ほど貰い受け、アイテムボックスに収納して持ち帰り、

サラと一緒に大陸内を駆け回ることになるのであった。


新型電脳兵ボディになってから初めてセブンとの

長期間の行動となったサラは、始めのうちは、

フライングユニットでのタンデム飛行中も

どこか落ち着かないそぶりであったが、

日増しに何の変化もないセブンにキツくあたるような

対応になっていったのであった。


 (ヤバイ、俺なんか地雷踏んだっぽい。。

  大人しくしておこうっと。)


 (セブンのばか。

  ずっと私のすぐそばにいても何とも思わないかしら。

  何かあるといいのだけれど。。)


違う意味合いでモヤモヤした気分の二人なのであった。




白い靄の中で苦笑する女神がいた。


 「またやってくれたわね。


  向こうの世界の神々って顕現したくて

  仕方ないって感じなのだわ。


  協力していただけるのは

  とても有難いことなのだけれど、

  本来はあまり頻繁に

  越えて来て頂かない方が

  いいのだけれど。


  うん、今更よね。


  あなたはほんと見ていて飽きないわね。


  紗良とのこともちょっと気になるわね。

  殺伐とした世界に浸り過ぎたからでしょうね。

  人を好きになる気持ちが

  存在しないはずがないわ。

  

  あなたは私の巫女なのだから、

  頑張って運命を切り開くのよ、紗良。」


熱い視線を送る女神の後ろには、

出番がなくて手持ち無沙汰な小柄の女神がいた。

  

 「今度は覚悟してたのにぃ〜」


とかこぼしながら、フル装備を外しているのであった。

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